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「下午のまち銭湯」 第七湯~浜松曳馬【みよし湯】

昼下がりの浜松

某日。浜松まで行くことになった。東京駅から朝八時台の新幹線に乗る。サクッと用事を済ませて東京に戻ろうと思ったんだけれども、いろいろあって14時過ぎまでかかってしまう。なんだかそのまま帰るには中途半端な時間だ。

新幹線で名古屋まで行く途中にある駅の中では割とメジャーな下車駅ではあるとは思うんだけど、めったに来ないしもう少しブラブラしてみようかな。浜松といえば鰻?餃子?このあたりを食べていこうか?なんて考えながら駅周辺を歩いてみる。

こんな時東京の駅だったら近くの銭湯でも行くんだけどなぁ

スマホで「浜松 銭湯」と検索してみる。

すると・・・!!・・・ある!銭湯がある。

二軒ヒット。この浜松にも街銭湯は生き残っていた。これはもう行くしかないだろう。今日はもうやることやったし自由だ。しかも昼下がり。銭湯遊びin浜松。

浜松駅の近くにある銭湯に行こうと思ったんだけど、なんと定休日。じゃぁ、ということでもう一軒の銭湯へ。こっちはちょっと離れていて浜松駅からさらに私鉄で移動することになる。

遠鉄でGO

さっそく「新浜松」の駅まで歩く。乗るのは遠州鉄道という路線。階段を上り発券機までいく。専用のICカードは使えるみたいなんだけどsuicaはつかえない。じゃぁ切符を買うかぁ。

行先は6つ先の駅「曳馬」。ひくまと読むらしい。切符を買う。ええっとこれを自動改札機に吸い込ませて・・・あれ!?

ない!自動改札機がない。

いやあることはある。でもICカードしか読み取れない仕様になっている。どういうことなんだろう?一旦離れて地元の切符を使う人の行動を観察してみる。するとそのまま脇の通路を素通りしている。一応駅員さんが目視はしているけど判を押すとか、穴をあけるとかのチェックはしてない。なるほどそういう仕組みなのかぁ。ぼくもそれに倣い入場する。

ホームでしばらく待つと2両編成の赤い列車がやってきた。線路は単線で反対方向の列車とは駅ですれ違う。幹線道路の上の高架をずっと走っていく様はなんだかモノレールみたいだ。ゆっくり走る列車の窓からふと見るとYAMAHAのロゴが見える。浜松の企業といえばやっぱヤマハなんだなぁ。こうやって見知らぬ電車でトコトコってのはなんだかちょっと小旅行気分。

曳馬駅に到着した。電車の中でも考えてたんだけど、これ切符どうするのかなぁ。改札で駅員さんに渡すんだろうか。電車を降りる。取り合えず前の人についていく。すると目の前で車掌さんが仁王立ち。ん?なんだろう?とみていると、前方の人が何かを車掌さんに手渡した。あぁ、なるほど。そうゆう方式か。切符は降車駅で車掌さんが回収するんだ。

曳馬駅の改札を出る。なんとこっちは見守りの駅員さんがだれもいない。山手線じゃ絶対できないシステム。なんと優しい世界。良い。

駅を降りると道を挟んでもうすぐに住宅地が始まる。駅前商店街的なものもない。地図アプリで場所を確認するとすぐそば。ええっとこっちに行って・・・ここをまがって・・・あった!みよし湯があった。

みよし湯

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正面まで行ってみる。新しくはないけど古いって感じの面構えではない。奥に煙突がある。建物の横が駐車場になっているのでそっちから煙突を見ようと歩くと建物の横はトタン作りのかなりの年季!綺麗なのは正面だけ(笑)

正面まで戻って中に入る。入口で男女が分かれている作りだ。暖簾をくぐりガラッと扉を開けて中に入る・・・すぐに横から「いらっしゃい」。なるほどフロント番台か・・・って、ない!壁がない!いきなり脱衣所に直結

右横下に下駄箱があるのでそこに靴を入れて、番台へ。ええっと、470円・・・あ!値上がりしたから480円か・・・小銭を取り出そうとしていると、「400円です」。あぁ、そうかここは静岡だから値段が違うんだ。ちょっと安い。

支払いをして、そのまま脱衣所にあがる。一応目隠しの衝立があるんだけど、これが微妙に小さい気がする。う~ん。このサイズだと、入口の扉が開いたら外から中が見えちゃうんじゃないかなぁ。

脱衣所の感じはこれはもうザ・レトロ。激渋。昭和のまま。ロッカーも松竹鍵にヘアゴム。女湯との仕切り壁がなんだか微妙に低い気がするんだよなぁ。気のせいだろうか。

かららら~

入場。まんなかに複合式浴槽一つ。両サイドにカラン。関西式。壁絵はなしだね。静岡だから富士山かなとも思ったけどそんなこともないのかな。むしろ身近過ぎてわざわざ描く必要もないのだろうか。

桶はケロリン

中壁側のカランに行く。中もかなり年季が入っている。掃除はしっかりやってあるので清潔感はあるんだけどところどころ古さが隠せてないのは否めない。横の床を見るとごそっとタイルがはがれている。

カランは両壁に6個ずつの計12か所。青と赤の伝統的なタイプでポンと押すと勢いよくお湯が出てくる。桶にお湯を入れて。まずはかけ湯をザバ~っと・・・

!!!!!!!!!!!!

うわ~熱い。とんでもなく熱いよ。よく見ると熱湯が出るので気をつけろとちゃんと書いてある。外壁側のカランは壁から直接蛇口が出ているのだけど中壁側の蛇口はスチールパイプから出ているタイプ。そういえばこのタイプは確かほかのところの銭湯も熱いお湯が出た。多分そうゆうもんなんだと思う。

気を取り直し水で調整する。大体お湯:水が3:7くらいでちょうどいい。それくらい熱湯。一通り体を清めたらそのまま湯舟に行く。

浴槽は1つで中で3ブロックに分かれている。奥側にジェットバスが2つ設置されていて真ん中が白湯、入り口側に電気風呂

しゃぽん・・・

最初は真ん中の白湯から。温度はややぬるめかな。深湯になっていて縁側に腰掛ける感じで浸かる。柔らかいお湯。

入口の方を見ると、やっぱり。ちょうど誰かが外から入ってきたんだけど、

見える!こっちから外の通りが見える

てことは向こうからも見えるわけだ(笑)やはりあの衝立はちょっと小さい。よく衝立をみてみると「料金は前払い」と書いてある紙がこっち側に張ってある。う~ん。それは入り口の扉側に見えるようにしなきゃダメなんじゃなかろうか?中にいる人はもうお金払ってるからねぇ。なんでこっちに見えるようにしてるんだろう。これが浜松スタイルなのだろう。

ジェットバスは並列式。勢いはまあまあある。

電気風呂のほうに行ってみると水底のほうのタイルがに何やら模様が描かれている。よく見るとそれはモザイクの文字で「デンキ」と書いてある。ちゃんと書いとかないとね。知らずに入るとびっくりしちゃうからね。電力感度はなかなか強力。

最後もう一度白湯でじっくり。天井を見上げると高い。色は黒。やっぱり老朽化が見て取れる。掃除はしっかりしているし、メンテナンスもしてるんだろうけど、新しく改修などをしている様子はない。そのまま。

こうゆう銭湯の残り寿命は短い。設備がもつ限りか、ご主人の体力が続くまででお終いになるんだと思う。ぼくの感じた具合だとこのみよし湯のその時は結構近いのではないかと思う。

湯から上がり脱衣所へ。ドライヤーは10円。安い。横に何か書いてある。

「私物持ち込みの場合は20円」

マイドライヤー持参のほうが高いんだ~。

番台のおねぇ様に「ど~も」と言って外に出る。浜松でレトロな銭湯に出会えた。古いし、サウナもないし、水風呂もない。でもだからこそ価値があるのだ。こういうレトロな銭湯はあと何年かしたら完全になくなってしまうのかな。今行くべき銭湯はきっとこういう銭湯なんだと思うんだ。

さてと浜松駅まで戻って、新幹線がくるまでウナギを食べていこうかな。ああ餃子も食べよう。

銭湯の詳細

みよし湯[所在地]静岡県浜松市中区曳馬[最寄り駅]曳馬駅下車徒歩1分

[営業時間] 15:00〜20:00[定休日]毎月7のつく日 7日、17日、27日[入浴料]400円

[サウナ]なし[ドライヤー]10円



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