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センス・オブ・ワンダー 〜子どもたちへの一番大切な贈りもの〜

〜子どもたちへの一番大切な贈りもの〜
これは、帯に書かれた言葉。

私の中での、今年の”帯大賞”として表彰したい文言であります。
「子供」ではなく「子ども」、「贈り物」ではなく「贈りもの」と表記する感覚が、私にピッタリな語感でした。子は”お供”する存在ではない。そして、贈られるのは、物(形ある物)に限らない。そんなニュアンスを感じられます。

箱根の山で自然からパワーに癒されまくった夏休み明け、ビジネス世界に舞い戻り、なんだかなーと思いながら立ち寄った書店で、この本と出逢いました。この本の存在は知っていましたが、読んだことはなかったので、即買いです。

私の感じたこの本の魅力を少しだけ語らせてください。

理解するのではなく、感じ取る本

この本には、センス・オブ・ワンダーとは何か、なぜ大切なのか、時代はどんな時代なのか、と系統立てて書かれていません。そもそも目次もありません。絵本のように母親から子どもに語りかける印象を受ける文章だと感じます。

そもそもこの本は、何か目的を持って購入して読むというより、なんとなく買う、この世界観が好き、写真集や詩集を買うような感覚で買う人が多いのではないでしょうか。目的を持って効率的に読むスタイルとは対極にある雰囲気を感じます。読んでいく中で感じた部分を大切にしてほしい、そんなメッセージが込められているのではないでしょうか。

子どもが発見する喜びを奪ってはいけない

親として、植物や虫の名前を教えたくなるものですが、ときとしてその行為は、子どもから「発見する喜び」を奪うことになりかねません。人は「知っている」と思った瞬間に興味の扉を閉めてしまがちです。

大人であっても「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではない。

大人こそ、子どもと一緒になって自然を探検し、感覚の回路をひらくようにする必要があります。目、耳、鼻、指先の使い方を学びなおすように、全身を使って、自然と触れ合う。知識ではなく、子どもと体験や驚きを共有することで、親子共々に感性が磨かれていくのではないでしょうか。

人間を超えた存在を認識する

地球の美しさや神秘を感じとれる人は、苦しみや心配があっても、内面的な満足感と生きていくことへの新たな喜びへつながる道を見つけ出すことができる。

もっと便利な生活をしたい。もっと刺激的な楽しいものがほしい。与えらえることが当たり前になった子どもは、際限なく何かを求めているように感じます。誰かから何をもらって当たり前と考えるかもしれません。

その一方で、そこにただ存在している自然から、神秘を感じとれる子どもは、足るを知る人間になっていくでしょう。身近なところにある不思議や幸せを見つけ、満足することができる。全能感を持つことなく、どこかで自然への畏怖をもち、謙虚な気持ちを持っている。そんな人間になっているのではないでしょうか。

まとめ

本を読んで、自分自身の「感じる」感覚が錆びついているような気がしました。自然がある場所に行けばよいわけではなく、自分自身が「感じる」ことができる状態になっていく必要があります。

そのために「何かをする」というよりも「何をしないのか」を決めて、生活をスリムにしていくことが必要な気がしました。情報が溢れ、刺激が強い生活の中で、余白や余裕を作り、何も刺激がない時間を過ごすことで、自然の声を聞けるようになると思います。

まずは、5分の瞑想から始めてみます。

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