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#39 いつか思い出させる身体の記憶

(4歳のわが子が15歳になったときに渡す手紙です)

君は最近、ボディボードや浮き輪を楽しむようになりました。ついこの前まで、波を怖がって、水に顔をつけるのも戸惑っていたのが、嘘のようです。

水位の深いところは怖がり、浅瀬でずっと遊んでいるあたりは、しっかり者の君らしいです。大自然を全身で感じつつ、その怖さも知る。そんな経験になっているようです。

今の君は、海や山に行くことはありますか。どんな楽しみ方をしているんでしょう。いくらテクノロジーが進化していると言っても、海で感じる五感を再現できるところまでは、まだ実現していないですよね。

波に乗って、自分の体が進んでいく感覚。水しぶきが顔にかかって、気持ちが良い感覚。絶えず聞こえる波の音。今どこに住んでいるかわかりませんが、君の身体には、その記憶が残っているはずです。

なんだかわからないけど、楽しい、気持ちいい。今の生活の中で、そのように感じることはありますか。オンラインとオフラインの区別がなくなり、全てオンラインな環境だと思うからこそ、自分の感覚を大切にしてほしいです。

そのためには、あえてめんどくさいこととか、昔ながらの方法で、日常生活を送ることをオススメします。例えば、キーボードを使って文字を打ってみるとか、2次元のモニターを使って、会話をしてみるとか。

私は年齢を重ねるほど、自然に魅力を感じています。君は、その魅力に気づくのがいつになるかわかりません。魅力を感じたときには、ぜひお声掛けください。一緒に散策しましょう。

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