當麻寺、小宇宙を旅して
當麻寺は612年、聖徳太子の弟・麻呂子親王によって創建された。681年に孫の當麻国見が現在の場所に遷造し、豪族當麻氏の氏寺となった。現存する天平建築で、東・西に二基の三重塔が残っているのはここだけである。金堂・講堂は鎌倉時代の再建だが、白鳳(奈良時代)建築を今に伝える重要な建造物だ。
「當麻寺は中将姫の伝説が残っているんや」
車の中で母が教えてくれた。でも“中将姫”って言われても、ほとんど人はピンとこないと思う。わたしもこの日まで中将姫を知らなかった。幼少期に當麻寺に来た記