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初夏だ。草むしりするよ。

陽が伸び、明るく爽やかな陽気が続く。
この春から夏にかけての清々しい季節が好きだ。
植物たちが一番イキイキとして綺麗にみえる。

イキイキしている。それは雑草とて同じこと。

雑草という名の植物はいないが、とはいえ抜くべき草達は大変多く庭に自生している。


なんだかもう、2週間に一度は草むしりをしている。
むしるというより抜根している。
それだけ雑草の成長スピードが早いのである。

とはいえ2週間程度であれば深く根を張るまでには至らないので、表面をささっと抜けばいいのでラクである。

草が生えて、草を抜いて、また生えて、また抜いて…その繰り返しである。
ハタから見ると無意味で非効率な作業に思われているかもしれない。

除草剤を撒いたら?とも言われるが、他の動植物にも影響があるし、そもそも有害成分が含まれているので使いたくない。
安全な除草剤もあるとはいうが、使わない。
そのため草取りは全て手作業でやる。

しかしそれを面倒だとは思ったことはない。
むしろ、今日は草取りをしよう!と実にワクワク楽しみながら行っている。
黙々と作業できて、抜いたそばから地面がキレイに土一色なっていくので非常にやりがいがある。

草取りは瞑想ともいう。

無心になって土に触れ、草を抜いてるうちに、心も穏やかになりスッキリとするのだ。
草を抜くことと心のモヤモヤ、どちらも整理がつく気がする。

集中してやりすぎると腰に響くのがたまに傷かもしれない。


庭先にひょろっとしたオレンジ色の花がたくさん咲いていた。
ポピーかと思って花を楽しんでいたが、どうやら「ナガミヒナゲシ」という名の植物で毒性があるらしい。
それを知人から聞くやいなや、うちに生えてるやつじゃん!と思ってそそくさと抜いてしまった。

いやはや、毎日見てるのにそんなことも知らなかった。

普段見ている名の知らぬ草花も、実はいろんな効能や謂れがあるに違いない。
植物って、いろんな面があって本当に面白い。


住宅街を通ると、みなさん庭先の木を伐採したり、草をむしったりしている。
ゴミの日にも雑草が敷き詰められた袋がいくつか出ている。

この光景を見ると、「ああ、もうすぐ夏なんだな」と思う。

そうだよね。
本格的に暑くなる前に草むしりをしておきたいよね。
梅雨が始まったらもっと伸びてくるし、庭にも出れなくなるし。

そんなことを思いながら、今日も今日とて草と戯れるのである。


「初夏だ。草むしりするよ」





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