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#輝ける方法
サラリーマンから保育士へ転身
「私は、血の通った仕事がしたいんです」
上司の机に叩きつけた退職願。
生意気にもそんなことを言って会社を辞めた。
毎日、マニュアル通りの仕事をする。
自分自身がAIのような機械化されているように感じる。
だんだん自分では判断ができなくなって、マニュアル本やガイドブックがないと前に進めない。
日常で“考えること”をしなくなってきているように思えた。
そういう思考になったのは、平日に休みを取ってぶ
RIVER【最終編】
青柳は、なんとか山本の個展を開きたいという思いで、編集長に何度も掛け合った。青柳自身も会場となる百貨店や美術館、骨董屋に至るまで、足を棒にして探し回った。疲れていても毎日が生き生きしている。
湧き立つ感情が青柳の足を前へ前へ進める。
一方で山本は、不法投棄されていたゴミを電動ノコギリで小さく解体していった。自転車の車輪、ハンガーラックのパイプ…これらの廃材をどう組み立てようか山本の頭の中は、無限
RIVER 【中編】
ひと月くらいたった頃、また青柳が訪ねてきた。突然来た青柳を見て、山本はオロオロしている。
「こんにちは! 山本さん。今日はお話があって参りました。
私、◯◯新聞の記者をしております。
先日、山本さんに助けられて病院の関係者や救急隊の方達に、山本さんのお話を伺って大変興味を持ちました。
上司に企画を提案したらOKが出たので来たのですが、取材をさせていただけませんでしょうか?」
「新聞の記者さんだった
RIVER 【前編】
このゆったりと流れる川が好きだ。
川を見ていると心が安らいで、ひとりでいても寂しくなく、心を許せる誰かと一緒にいる心地よさと似ている。
山本は、慈善事業で川のレスキューの仕事をしている。
川で子供が遊んだり、大人が酔っ払って飛び込んだり、危ない時は救助に向かうのだ。
時々、川に金属を不法投棄するものがいる。
川に落ちた時に身を傷つけないよう、それらを拾って清掃もしている。
その拾ってきた金属を加
スピーチコンテスト【後編】
今度は本選…人前で5分…ステージに立って一人でスピーチをする。
息子よ、上がらずにできるだろうか?
さらなる特訓が始まった。
ケリー先生はオーバーリアクションで良いと言った。
「日本人は控えめすぎる、大きな声が出ずモゴモゴ言って会場の人たちに聞こえないことが多い」と言っていた。
それもそうだと感じていた。日本は、核家族化が進んでおじいちゃんやおばあちゃんと一緒に住んでいないことが多い。周りにもい
スピーチコンテスト【前編】
サエコは悩んでいた。
駅前の名の知れた所にするか、自宅から5分程度のアットホームな所にするか…
息子の英会話教室をどこにするかで悩んでいた。
これからの時代、グローバル化は避けられない。SNSの発達、いつでも世界と繋がれる環境、サエコは息子を国際人として育てたいと思っている。
そのためには、小さい頃から英会話教室に通うべきだと考えていた。
まずは、駅前の名の知れた英会話教室を訪ねた。
スーツをバ
クリスマスハプニング【後編】
大山は、仏壇の写真の三枝を見て遠い昔を思い出していた…
集結する人間の顔は殺気立っている。
自分の生活を守ろうとする農民、高度経済成長を破竹の勢いで押し通そうとする国家…
1966年に現在の成田空港の建設が決まってから始まった空港建設の反対運動。
1971年9月16日には、東峰十字路事件で空港建設反対派600人と警察官260人が衝突し警察官3人が亡くなっている。
1978年3月26日 成田空