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日本語教師コラム10. 先生と言語交換パートナーの境界線

今日は言語学習の話です。

私はフランスで日本語の先生をしていますが、フランス語が堪能なわけではありません。もともと英語は仕事で使っていたのでビジネス英語レベルなら扱うことができます。

しかし、フランス語は大学の第二外国語で勉強した程度でほとんど無に等しいレベルでした。
なので、フランスで住んで仕事をするにあたって少しずつでもフランス語の勉強はしていかないといけないと思っていたのです。

しかし、外国に住んで日本語で仕事をしつつフランス語の勉強もするというのは結構体力が必要だなと感じました。

なぜなら、もともと英語がある程度話せるので英語に逃げてしまうんです。
そして私のほとんどの生徒さんは英語を話すことができます。なのでフランス語を話せなくても授業としては困らないんです。

しかし、いつまでもそれではいけないと思い、いろいろな方法でフランス語習得を試みたことがありました。

一つ目はハロートークなどの言語アプリで知らない人たちと話す練習をすること。しかし、もともと人見知りなのもあって知らない人と楽しくお話しできるほど積極性も会話のネタもなく5回ぐらいやって諦めてしまいました。

次は生徒さんとご飯に行った時にフランス語を話してもらうこと。こちらも試してみましたが、やはり生徒さんは日本語を話す機会が少ないためかどうしても日本語を話したい気持ちが強いようで全くフランス語を話すことなく終わることが何度かありました。

最後に言語交換パートナーを見つけることでした。
しかし結果的にこれも失敗に終わり、今はシンプルに語学学校に通うという手段に至っています。

というのも、言語交換パートナーを見つけるのは決して簡単なことではないからですね。同じレベルで、共通の趣味があって、ちゃんと大人な人でないと関係が成立しないのです。

ましてや私は日本語の先生なので、相手の日本語を理論で説明することも、覚える手助けもすることができます。しかし、相手は先生ではないので文法の説明も理論もほとんどないわけです。
これはお互いにフェアではないので、どちらかが一方的に助ける構図になり気持ちが萎えていってしまうことが多々ありました。「私はこれをいつもはお金をもらってやっているのに…」と、どうしても思ってしまうんです。

なので、はじめの頃は言語交換パーティーにも行って話す練習をしていたのですが、どうしても「日本語のこれはどういう意味ですか?」や「これを訳してほしいです」という一方的なお願いになってくることが増えてしまい、行くのをやめてしまいました。

もし私が先生でなければこんなことで悩まなかったはずなのに、と一時期落ち込んでいたのですが、そんなことを言ってもフランス語ができるようになるわけではないので日々頑張っていこうと思っています。

本日も読んでいただきありがとうございました。
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