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実録40歳の婚活(34):おじさんとおばさんの仮交際。(後編)

初対面のお見合いから1ヶ月後、やっとメシを食いに行ってきた。

行ったのは、今年になって見つけた餃子のお店。
蒸し餃子がセイロで出てくるんだけど、皮が美味しい。
具も、トマトとかセロリとかがあって、口に入れると香りがぶわっと、皮がモチっと、最高なのだ。

わたしは男性と食事に行く時、お店を選ぶ立場になることが多い。
男性は、美味しいお店開拓しよー!とか友達同士できっとあんまりやらないよね。
やっぱり美味しいお店は、女性の方が知っている気がする。

「付き合わせたら悪いな」とか「遠いかなぁ」とか気にしてしまうから、自分が行きたいお店を提案することが実は苦手だったんだけど、コロナ渦以降掲げている「自分の心の声をちゃんと聞いて生きていこう」というスローガンのもと、最近は自分の意見を言えることが増えてきたような気がする。

歳を重ねると図々しくなるってこのことかしら。

わたしが食べたいもの、わたしが行きやすいお店。
なにも言わずに賛成してくれて、優しい人だなと思った。

この日も、待ち合わせ場所ではすぐ見つけられた。

1ヶ月ぶりだし、LINEのやりとりで仲を深めたわけではなかったから、また初めましてみたいな感覚だし、前になに話したかもうろ覚えだし、仮交際中とは思えないくらい気まずい雰囲気でお店へ。

仮交際ってぜったいこういうのじゃないよね。
1ヶ月くらいを目処に、本交際に進むかどうか決める。
そのために、きっと毎日連絡を取り合って、週一回くらいは会ったりするんじゃないのかな。

この日も変わらず餃子は美味しいし、他のメニューもとても美味しかった。
わたしたちの空気はまずかった。

話を聞いてみると、購入したマンションへの引っ越しを、無事終えたらしい。
「もうずっとそこに住む予定ですか?」と聞いてみたら「そうですね」って。
もし、将来の結婚相手がマンションを購入済みだったら、それはありがたいことなのかもしれない。
でも、それが自分の行ったこともない遠くの街だったら?
結婚する前に家を買い「一生そこに住む」と言い切ることは、時に残酷だ。
だって、住む場所の選択肢がなくなるのだから。

最近はMBAの学校にも通っていて、課題もあってめちゃくちゃ忙しい様子。
婚活どころじゃなさそうだった。
相談所に入っているからといって、みんなが同じスピード感で婚活をしているわけではないと知る。

餃子美味しかったなぁ。

この仮交際の1ヶ月間、LINEで2回くらいの連絡と、1回の食事。
将来の話も、買ったマンションに住む、という点しかしていない。

たぶんわたしたち40代は、毎日仕事をして、休日は友人とおしゃべりしたり、一人で好きなことをしたりしているうちに、時間がどんどん過ぎていく。
それなりに幸せな毎日だ。
それでも、心を許せる誰かと、次のステージに進んでみようかなと思って婚活をする。
そんな40代が結婚をするためには、それなりに幸せなこの毎日を、次のステージに動かそうとする行動力が、少なくともどちらかに必要なのだろう。

わたしたち2人の間には、どちらにもその行動力が湧き出てきそうにない。

ということで、仮交際終了の連絡を入れた。
そして、もうこれが終わったら退会すると決めていたので、その旨も同時に伝えた。

まぁもちろん、引き止められるよね。
そんで今もわたしは退会しておらず、月会費を払い続けている。
次回はその話をします。





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