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2022.5.31 暴発は避けられない!?極東のウクライナとは…

ウクライナは世界三大衝突地の一つ。

3ヶ月前、ロシアが突然ウクライナに侵攻したかのように見えましたが、地政学的に見ると、今回の戦争は起こるべくして起きた必然の出来事です。

そして、残りの2つは中東とアジアに存在し、同じような衝突が起こりかねない地域が日本のすぐ隣にも存在しています…。

今回は、極東アジアに潜む第2のウクライナ危機の危険性について書き綴っていこうと思います。


朝鮮半島は立地が最悪!

朝鮮半島は地政学的に見て『凶』、最悪の地にあります。

地政学というのは、一国の国土が地球上のどこにあるのかによって、国家の運命が決定されるとする学説です。

朝鮮半島をこの地政学に照らし合わせて見てみると、ユーラシア大陸に出現するスーパー大陸国家と、太平洋に出現するスーパー海洋国家がぶつかる橋のような地域です。

ロシアと中国にとっては太平洋に進出するための足掛かりとなる一方、アメリカにとってはアジアに進出するための足掛かりとなります。

両陣営にとって重要な場所です。

そのため、現在でも大陸国家の両雄であるロシア・中国と、海洋国家の雄であるアメリカの覇権争いの舞台となっています。

加えて、大陸においてはロシアと中国の両方と陸続きになっています。

ロシアか中国のどちらか一方がこの土地を自国の影響下におけば、北東アジアで圧倒的優位な戦略姿勢を確立することができてしまいます。

そのため、両国共、朝鮮半島における相手の動向には極めて敏感です。

このように、朝鮮半島は今日における世界三大国であるアメリカ・ロシア・中国の国益、そして安全保障上の要所となっているのです。

日本にとっての朝鮮半島

日本にとって、朝鮮半島が地政学的にどういう意味を持つかと言うと、中国やロシアの脅威との間のバッファーゾーン、つまり、緩衝地帯の役割を果たしています。

中国やロシアが日本に攻めてくるとなったときに、朝鮮半島、それも南北の朝鮮があるだけで間合いが取れるのです。

今回のウクライナ危機のきっかけにもなったウクライナのNATO加盟を、プーチンがなんとしてでも阻止しようとしたのは、ロシアにとってこのバッファーゾーンを確保しておくためです。

『影のCIA』の異名を持つ米国のシンクタンクであるストラトフォーを率いるジョージ・フリードマンは、このように述べています。

<ロシアの基本戦略の一つは、北ヨーロッパ平原沿いに奥行きのある緩衝地帯を作る一方で、周辺国を分裂させて操り、新しい勢力バランスをヨーロッパに築くことである。
ロシアが断じて許容できないのは、“緩衝地帯のない緊迫した境界を周辺国が団結して護るような状況”です。
ロシアが将来取る行動が攻めの手に見えても、実は守りの手だというのは、こういうわけである>

今回、ウクライナに侵攻したロシアとそれに対抗するNATOとの応酬がよくわかる説明です。

これを日本と朝鮮半島に置き換えてみると、韓国と北朝鮮を“今のまま分断させておく”ことが日本の安全保障の観点において、いかに重要かが分かります。

習近平の言葉を真似て言うならば、
「韓国は日本にとって核心的な利益である」
ということです。

ですから、今この状況下に置かれている日本の地政学上、戦略的な部分を考えず感情的になって軽々しく、
「韓国とは断交すべきだ!」
「平和のために朝鮮統一を応援しよう!」
といったことを言っているようではいけないと私は思います。

こういった発言ができるようになるには、朝鮮半島の後ろに控える2大国の陣営が180度ガラリと変わってからの話でしょう。

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