見出し画像

ジェネレーションギャップに驚いた@全国学力調査2024

 2024年4月に実施された小・中全国学力調査の結果が公開されました。


令和6年度全国学力・学習状況調査の調査問題、正答例、解説資料はこちら


 

国語科に横書き


 一体どんな問題が出題されたのだろうと興味津々でサイトを見つけ、まずは小・中の国語を見てみました。インターネットやメールに関するものや、横書きの文章も出題されていました。そういえば最近は、国語の授業で話し合いやプレゼンテーションもよく見かけるようになりました。問題にはタブレットのイラストもあったりと親世代には驚きですが、子どもたちには違和感のない問題なのかもしれませんね。

 一方で、小学校算数では思考を問うためなのでしょう「おっそうくるか」となる問題もありました。シンプルながら、これまで学習した内容をもとにどう解くべきか熟考した児童もいたことでしょう。この調査テストを端末で実施した学校もあり全体的にイマがわかる学力調査だなと感じました。(段階を経て2027年度からはCBT方式に全面移行する予定だそうです)


数学科での驚き

 ここで個人的にあることを親子で話すきっかけとなった問題があります。それは中学数学での1問。pdfを開いて見ていたら、たまたま居合わせた高校生の娘と世代の差を感じることになったんです。以下問題文を引用させていただきます。

 第一中学校の文化祭では、会場の体育館を暖めるために、灯油を燃
料とする大型のストーブを設置します。文化祭当日は、体育館を6時
間使用します。文化祭の実行委員の結衣さんは、18Lの灯油が入った
ストーブの使用計画を立てることになりました。ストーブの説明書に
は、次の情報が書かれています。
説明書の情報
ストーブの設定 強 弱 1時間あたりの灯油使用量(L) 4.0  2.5

結衣さんは、ストーブを6時間使用して、18Lの灯油をちょうど
使い切るように、「強」と「弱」の設定の組み合わせを考えることに
しました。そのために、18Lの灯油が入ったストーブの「強」の場
合と「弱」の場合について、ストーブの使用時間と灯油の残量の関係
を調べることにしました。

そこで、結衣さんは、説明書の情報の1時間あたりの灯油使用量は
常に一定であるとし、ストーブを使用し始めてから x 時間経過したと
きの灯油の残量を y Lとして、「強」の場合と「弱」の場合の x と y
の関係をそれぞれ y =18-4x、y =18-2.5x と表しました。そし
て、この2つの式をそれぞれ y = -4x +18、y = -2.5x +18と表し直し、次のページのようなグラフをかきました。

令和6年度全国学力・学習状況調査」の調査問題より

このあとの問いでグラフの問題(1)を解いたあとに、こんなことを考えます。

(2)前ページのストーブの使用時間と灯油の残量から、ストーブを使
用し始めてから18Lの灯油を使い切るまでの「強」の場合と「弱」
の場合の使用時間の違いがおよそ何時間になるかを考えます。

そして求める方法を回答するのですが、わたしの頭の中に浮かんだのはこの絵でした。

ジャーン。ポリタンク。

ふむふむ。問題の数字の部分だけを見て計算すれば、問題はない内容なのですが、個人的に気になったのは“灯油”なんです。そこで娘に聞いてみました。

「問いには関係ないんやけど、灯油ってどんな入れ物にいれるか知ってる?」

「え?前におばあちゃん家で見たかもしれんけど、どんなのか分からん」

スマートフォンでポリタンクの写真を検索してみせると…。

「あー映画で見たことがあるのと一緒や!そうかこれか思い出した」

「ガソリンスタンドで買ってこれに入れて持って帰るのよ。何リットル入るか分かる?」

「えー10リットルとか?」

「商品にもよるけどほとんど18リットル。めちゃくちゃ重いのよ」

「だから問題が18リットルなのか!中途半端で何で10とか20じゃないのかと思った」

「ちなみに灯油って問題文にあるように使いきるほうがいいものなの知ってる?」

「何で?置いておけないの?」

「灯油は酸化とか変質するから基本的には1シーズンで使い切るもの。 古い灯油は故障とか事故もあるし危ないねん」

我が家はマンションのため、安全性を考えて電気で暖房器具を使用しているからこれまで灯油を購入したことがありません。もちろん戸建てにお住まいで灯油派の方も多くいらっしゃるでしょう。北国では家庭用に大きなホームタンクがありますね。オイルヒーターやパネルヒーターも人気のため、全体として使用する人は昔に比べると減っているような気がしています。昔はストーブでやかんの湯を沸かした世代のわたし。(ちなみに学校の調理実習や理科の実験でもオール電化勢が増えて、ガスやアルコールランプの火を怖がる児童がいるそう。どうやら火が身近なものではなくなってきているそうです)

「この問題は中学校のときにやった?」

「あーあったよ。灯油じゃないけど先生がサブスクに例えて、との会社に何日したら得とかやった」

「それは分かりやすいなあ」


まさにジェネレーションギャップ。そっかサブスクは確かに身近で分かりやすい。時代は令和なんだと、世代の差を実感する出来事となりました。






 学力調査はよくその是非や順位が話題になりますが、子どもたちがどんな問題を解いているのかを知るために公開されている資料を見てみるのは発見があって面白いなと感じました。


 時代とともにリモコンの巻き戻しは早戻しになり、下駄箱は靴箱になりました。「お母さんそれ今は言わないから」とまだまだ親子で違いが見つかりそうな夏休みを「そうなのか!」と楽しんでみたいと思います。



お読みいただきありがとうございました。


この記事が参加している募集

いただいたサポートは娘達への図書カードに使わせていただきます。