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コンテンツ企業のためのSNSマーケティング支援の特徴

 今回はサクラスが、その主なクライアントであるコンテンツ企業に対するマーケティング支援についてどのような狙いで取り組んでいるのか、4月から入社した私が新鮮な目線で代表にインタビューを行なった。


ーー単刀直入に聞きますが、コンテンツ企業ならではのSNSマーケティング支援の特徴とは何かあるのでしょうか?

 一番の特徴としては、熱狂的なファンの方がいる商材を扱うことが多いという点です。そのため、最も重要な点は「熱狂的なファンにいかに広告を配信できるか」ということです。弊社では、熱狂的なファンに広告を見てもらうことを重視しています。

ーーなるほど。具体的に過去の事例としてはどのようなものがありましたか?

 私たちは黒子なのであまり詳しくは話せないのですが、例えば、スポーツチームのノンフィクション作品を扱った際、「自分の応援するチームの広告が流れてきた」「よくぞ自分を見つけてくれた」といった広告を喜ぶコメントが多くつきました。広告って普通は流れてくると邪魔なものだと思いますので、それを喜んでもらえたというのは嬉しかったですね。

ーーそれは広告の効果があったと言えそうですね。ただ、熱狂的なファンはわざわざ広告を配信しなくても自ら情報を調べて購入することが多いイメージですが、広告の意味はあるのでしょうか?


 予算規模にもよりますが、コアファンに向けて広告を打つことが有効な場合も多いです。なぜなら、熱狂的なファンは口コミで友人に広めてくれるからです。一般的な広告は信用されにくいことが多いですが、友人が面白いと言っているものに対しては購買意欲が湧きます。そのため、広告費の効率を最大化するためにも、熱狂的なファンの口コミは欠かせません。熱狂的なファンが商品を広めてくれることで、広告効果が高まります。それを後押しするのが我々の役割だと思っています。


ーーそれなら広告の効果が最大限発揮できそうですね。具体的にはどのような方法で熱狂的なファンに広告を配信しているのでしょうか?

 まず必要なのは、「媒体に対する理解」「作品に対する理解」の両方です。

 媒体に対する理解については、ここではX(旧Twitter)広告を例に説明します。SNS媒体であるXには、「#〜サポと繋がりたい」や「#共に〜を目指そう」といったファンの間で流行っているハッシュタグやアカウントが多く存在することが特徴です。

 また、X広告ではキーワード配信ハンドルネーム配信という機能が使用できます。キーワード配信は、検索やツイート時に入力された用語に対して広告を配信する機能です。ここではファンしか使わないようなハッシュタグやキーワードを指定します。ハンドルネーム配信は、特定のアカウントのユーザーに対して広告を配信する機能です。熱狂的なファンがフォローしていそうなアカウントを指定します。これらの機能を活用することで、それぞれの商材に対して純度の高いユーザーに広告を配信できます。

 先ほどのスポーツチームのノンフィクション作品の例でいうと、チームを応援しているファンをキーワードやハンドルネームでターゲティングします。ファンしか使わないようなハッシュタグやキーワードを指定し、ファンしかフォローしていないようなアカウントも指定することで、純度の高いファンに向けて広告を配信します。

 作品に対する理解では、ノンフィクションの商材の話では、何年代の話をしているのか、その年代のファンが誰を応援していたのかなどを考慮して進めます。作品の中身まで踏み込んで調査します。特定の作品のファンブックを宣伝する際も、作品のファンしかわからないキーワードなどをリサーチしながら調べます。

ーーただ広告配信をするだけでなく、詳細なターゲットを見定めて配信しているんですね。なぜここまで作品の理解をして広告を配信しているのでしょうか?

 これは先ほどのお話と関連していますが、ターゲット含有率の薄いキーワードを入れてしまうと無駄打ちが増えてしまいます。インターネットの広告は成果点ごとに金額が課金されるシステムのため、例えばクリック課金だとして、10,000クリックを買うために何も考えずに運用してしまうと、9,000クリックが本を買わない人に混ざってしまう可能性があります。そのため、その10,000の中にいかに本を買ってくれる人や口コミをしてくれる人を入れられるかが重要です。インターネット広告では「どんな人の10,000クリックを買うか」が重要であり、クリックの内容によって効果が100倍にも100分の1にもなりえます。そこを濃くするために、作品理解を特に重要視しています。

ーー作品理解の重要性が理解できました。では具体的にどのようにキーワードを選定して、そのような人たちに広告が配信されるのか教えてもらえますか?

 例えば、そうですね。仮に、「スカイラインGTR」の特集本の広告配信をするとしましょう。その際は、GTRファンが使っていそうなハッシュタグやキーワードを特定します。「NISMO」や「タイプM」、「ハコスカ」や「ケンメリ」など、スカイラインファンが多く含まれていて、ネット上に一定の界隈が存在するキーワードやハッシュタグを指定します。これにより、普段スカイラインに乗っている様子をアップしているユーザーや、限定のトミカを収集するのが趣味なユーザー、オフ会の様子をアップしているユーザーなど、純度の高いファンに広告を配信できます。こうした熱狂的なファンに向けて広告を配信することで、口コミなどの二次的な拡散を引き起こすことが可能になります。

ーーわかりやすい事例をありがとうございます。広告配信のターゲット作成について理解が深まりました。私も今後仕事で携わるのが楽しみです。

(文/D.F)

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