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【七十二候】鶏始乳‥にわとりはじめてとやにつく

『雞始乳‥にわとりはじめてとやにつく』
         1月30日から2月4日頃


大寒の末候となり、七十二候の最後を締める『雞始乳』の頃となりました。
雞始乳の「とや」とは鳥小屋の意味で
「とやにつく」とは、鶏が卵を抱いて巣に籠ることを意味しています。


店頭で一年中手に入るため、卵の旬など気にしたこともなかったのですが
本来は、春から初夏にかけての時期にしか産まれない貴重なものだったようです。


一日の中で、夜が明け朝が来るのを知らせる
ことから明告鶏とも言われる鶏は、一年の周期の中では、長い冬の終わりを教えてくれます。
鶏が卵を抱き巣に籠ることは、春の到来を
知らせるということでもあるのです。


寒波が訪れる前のある冬の日。
散歩の途中に偶然鶏に遭遇し おそるおそる近づき、 カメラを向け撮ったのですが‥



実は、この撮影の直後 私の腰ほどの高さに ある柵まで バサバサと羽根を震わせ、鶏が飛び上がり とても驚きました。
でも、きっと最初に驚かせたのは私で‥。
急にカメラを向けてごめんね。と慌ててその場を去りました。
写真を撮り始めるとついつい夢中になってしまいます。




日本各地に大雪を降らせた10年に一度の大寒波。本当に寒い日が続きましたね。


その寒さ、灰色の空、閉ざされた雪の壁は
私の心にまで重くのしかかり、思ったように
撮影もできず、気持ちも塞がり書けないことも‥。日照時間が短くなるとセロトニン分泌量が減るようで、どうしても私は勝てず。笑


青い空が恋しいよーと思っていたら 

お昼休みに見上げた青空


エアコンの部屋から一歩出て
会社の玄関から見上げた青い空と白い雲が
きらきらと眩しくて。
もうそれだけで元気に。自然からの贈り物をいただいたような気持ちに。


見慣れたはずの青い空が
こんなにも優しく嬉しい。
頬に当たる風は、まだまだ冷たくて
でも、清々しく澄んでいて‥。綺麗な風が心地よくて‥。
それはきっと大寒波を越えたからこそ
感じられる喜び。
いつもの何倍も美しく見えた青い空を見上げながら。キンと冷えた空気の中、そんなことを思いました。



そして、最後に‥。
私が毎年作る金柑の甘露煮。


皮ごと食べるキンカンはビタミン豊富。
ビタミンCの宝庫とも言われ、潤いのある肌つくりを助けてくれたり。
抗酸化作用で、美白にも!


風邪を予防し、血管や骨を丈夫にしたり
ガン予防にも効果があったり‥。
ストレスに対する抵抗力を高めてくれたりと
優れもの。

実は、みかんは子供の頃に食べ過ぎたのか
いつの頃からか食べれなくなってしまいました。そんなこともあり、私にとって金柑は冬に食べる柑橘類の定番となっています。


おひとついかがですか。






昨年二月。初候『東風解凍』から書き始めた
七十二候も今回の『雞始乳』で最後の候となりました。

季節と向き合い過ごしてきた一年は私にとって、とても意味のある時間となりました。


それまでも目にしていたはずなのに 見えていなかったもの‥。 いつもの景色に同化され気づいていなかったこと。
日常の中のそんな煌めきに気づけたこと。
そこに想いを馳せることが出来たこと‥。


上手く言葉に出来ず、頭を抱え
もう書けない‥と悲観的になることもありましたが、そんな時いつも
書けない‥もう無理かも‥と
思いながらも乗り越えてきた自分の足跡が支えてくれたような気がします。



昨日までの過去の自分が居て
今この瞬間の私を支えてくれている。
それを本当に実感できた一年でもありました。


七十二候を知ることは過去の先人達に
向き合うことでもあり
遥か遠い昔の人々は、何を思い、何を慈しみ、そして悲しみ生きてきたのか。



確かめる術はなく、想像の域に過ぎないながらも、ほんの少しでも寄り添えたなら‥。
そんな思いで一候、一候書いてきました。




移ろい行く季節は、一日一日‥一分‥一秒‥流れていき、僅かに進んでは後退しながらもまた前へと確実に着実に‥一歩ずつ一歩ずつ‥。


春夏秋冬‥を感じられるこの国に生まれ
四季折々の美しさに触れられることに
感謝しつつ‥。


一年間書き続けられたこと
読んでくださった皆様
ありがとうございます。



また新たな季節が
『立春』からスタートしますね。
詩的な記憶は、これまでと少しだけ形を変え、お届けすることになると思います。


緩やかに
学びながら
自分の色で。





































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