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❤️あんあんちゃん❤️と💙ぱんぱんくん💙に、どうしたら「ラブホテルオーナー」になれるか聞いてきた

私の夢は、ラブホテルオーナになることだ。そのために最近、気になるラブホテルのオーナーさんや関係者の方に話を聞きに行っている

今回は、コンセプトルームで有名なSARAグループの方々にお話を伺った。名前でピンと来なくても、TwitterやTikTokやYouTubeで一度は目にしたことのある人が多いのではないか。

去年、五反田にオープンしたSARA GRANDEでは、SODとコラボしたマジックミラー号部屋が大注目を集めている。

マジックミラー号部屋@五反田

実は、SARAは、私がラブホテルを好きになったきっかけである。初めて、川越のSARAに行ったとき、ラブホテルとは、なんてキラキラしていて非日常で素敵な場所なんだろうと感動して、それ以来、ラブホテルというものが好きになったのだ。

SARAが作ったコンセプトルームは、私だけではなく、令和に生きる多くの人の心に刺さって、ラブホテル業界が縮小していく中でも人気が伸び続けている。

そんなSARAの方々に、インタビュー前編の本記事では、どのような経緯でSARAグループが始まったのか、コンセプトルームが生み出されたのかについて聞いていく。



(あんあん、ぱんぱん)
いつもはあまり表に出ないんですが、今日はなんでも聞いてください!


ラブホテルオーナーになるための近道は、やはり先にお金を作ること

──私はラブホテルオーナーになるのが夢なのですが、どのような経緯でSARAグループが作られたのか教えてください。

(あんあんとぱんぱんの産みの親)
ビジネス的な厳しい部分も含めてリアルな話をすると、ラブホテルのオーナーになるには、やはりキャッシュを持つことが一番大事です。SARAのオーナーの場合は、若い頃に事業を立ち上げて成功し、そこで得た利益で不動産などの事業にも手を出すことが出来ました。そのときに千葉県の柏市にあるホテルを買い取って、ホテルSARAという名前にしたところから始まりました。振り返ると、そのときたまたまキャッシュで買えたのが大きいですね。銀行から融資してもらったのはその後です。

ラブホテルに興味を持ってやりたいという方は結構いるのですが、今まで全然やったことがない、自分で運営したことがない、実績も持っていない人に、金融機関は全然お金を貸してくれないです。だから、仮に「このホテルには10億円の価値がある、だからお金を貸してください」と言ったところで、実績のない人は原則貸してもらえない。なので、ラブホテルのオーナになる一番の近道はやっぱりお金を作ることですね。

もし銀行が貸してくれたとしても、実績が不十分な場合は、10億円の物件に対して10億円は貸してくれない。掛け値というのがあって、事業の最初は厳しい。「半分だったら貸してあげるよ、残りの5億は自分で出さないとダメ」と言われてしまう。もちろん10億で買っても当然改装が必要になってきますし、理想のホテルとかいろいろ想いがあるものを具現化しようとすればするほど、さらにお金がかかる。しかもそこはなかなか融資が降りないんです。だから、とにかくまずはキャッシュを持つこと、もしくはそれだけのお金を出してくれるスポンサーを見つけるかです。

唯一お金を持たずにできる方法は、ちゃんとしたラブホを経営している会社に入ってそこで実績を作ると、無実績よりはお金を貸してくれる銀行があると思います。

ピンキープリンセス@錦糸町

全部屋異なるコンセプトルームが生み出されるに至るまでの、ラブホテル業界に対する想い

──最初はどのくらいの規模のホテルだったのですか?

(あんあんとぱんぱんの産みの親)
今もそのホテルは所有しているんですが、20部屋2階建ての、和風旅館のようなところを買い取りました。そこを、新進気鋭の山口先生という、今は癌で他界されてしまったのですが、今のSARAのベースを作った先生がいらっしゃって、その方に全て設計してもらいました。

私たちは、最初にやったホテルがいきなり大当たりしてくれたので良かったです。いまだにもう改装してから16年経つんですけど、売上は16年間ほとんど下がっていない。16年間今の数字を維持できているのって、結構すごいことだと思います。そういうホテルに最初に当たって、山口先生っていう非常にユニークな先生に出会えたっていうのが運の良かったポイントですね。

──SARAといえば、コンセプトルームというイメージですが、最初からコンセプトルームだったのですか?

(ぱんぱん)
コンセプトルームを最初に作ったのは、錦糸町のSARAです。コンセプトルームを作る前は、山口先生のこだわりで全部屋のテーマカラーを変えるというデザインをしていました。

(あんあんとぱんぱんの産みの親)
錦糸町は8年前にフル改装したんですが、「どんな部屋を作りたいか」というアンケートをユーザーさんに実施して、ものすごいたくさんのアイデアをいただき、その中から山口先生が見て、面白そうだというアイデアを錦糸町の部屋に具現化していきました。電車や、社長室や、基地や、キッチンというふうに。

社長室@錦糸町

──お客さんからアイデア募集してコンセプトルームを作るっていうのはどのようにして思いついたのですか?

(ぱんぱん)
僕はラブホテル業界が長く、前からずっと疑問を抱く点がありました。オーナーの好みに寄ってしまったり、デザイナーさんの得意な感じになってしまったり、お客さんのニーズをどこかに置いてきているのではないかという思いがあったんです

今から15~20年前は、アジアンリゾートが流行ってきて、どこもかしこもアジアンリゾート風になったり、もしくはシティホテルに近い、石を貼った高級感のあるおとなしめのホテルに変わっていったり、昔のラブホテルっぽさは薄れている時代だったんですよ。そういう世の中のラグジュアリーホテルでいいじゃん、という空気感に対して「いや、これもうラブホじゃないじゃん」って思っていました。

ちなみにラブホテルとしての面白みを作るために、デザイン系の専門学校とコラボして、学生の卒業作品としてラブホテルの設計やデザインを描いてもらうのは良いんじゃないかっていう案も出ました。だけど、どこの世の中の誰がラブホテルを卒業制作に選ぶんだろう?と。結局、途中で断ち切れちゃいました笑

その後しばらくして山口先生と出会って話をしているときに「今はラブホテルっぽさが薄れているからこそ、こんな面白いことをやりたかった」と話をしました。

──山口先生と出会えたのが本当に転換期ですね。

(ぱんぱん)
山口先生が関わったホテルって売り上げが落ちないんですよ。色々見ていると、やっぱりラブホはラブホであるべきだっていうのが一つあるんです。淫美でなければいけないとか、楽しませないといけないという部分は、先生がいつも言っていたことです。「じゃあ、世間一般の人からアイディアをもらって先生にピックアップしてくださいよ」って言ったら、山口先生も「面白そう、やろうよ」と乗り気になって実行することになった。

お客さんからアイディア募集して生まれたコンセプトルーム

コンセプトルームを作るときは、それが嫌なお客さんのことも考えて、普通の部屋との間に仕切りを入れるべき

──何かコンセプトルームに対するこだわりとかはありますか?

(ぱんぱん)
教室部屋とか電車部屋とかって結構いろんな地域で見かけるんですけど、錦糸町SARAでコンセプトルームを作るときに山口先生が言っていたのは、「絶対に普通の部屋とコンセプトの部屋に区切りをつけるべきだ」ということでした。「行きたくもないのに扉開けたら教室だったり、体育倉庫だったりしたら、それは嫌な人からしたら嫌だ」と。だから、開けてすぐその部分が見えるのではなく、玄関部分やベッドルームから目線を遮るような設計にしています。

それは今でもずっと守っています。

──錦糸町だけではなく、川越や五反田でも一般の方からコンセプトを募集していて部屋を作っていますよね。SARAでは、アイデア募集をよくやっているイメージがあります。

(あんあん)
私たち目線で絶対楽しいし絶対お客さん喜ぶよって思っても、私たちが思っているだけで、一般の人に刺さるのかっていうのに対しては、常に疑問があるわけです。完成した部屋を社員の人たちを呼んで、どの部屋が良かったかアンケートとったことがあるんですけど、私たちが一番面白くないな、なんでこんな部屋作っちゃったんだろう?と思っている部屋を、超可愛いと言ってる人が多くて人気だったこともあります笑

やっぱり、SARAってお客さんメインなんですよね。自信がないわけじゃないけど、独りよがりになるのは嫌なので。

──あと、コンセプトじゃないですけど、SARAのキャラクターであるあんあんとぱんぱんという名前も募集しないと、なかなかこんなにぴったりのネーミング思いつかないですよね笑

(ぱんぱん)
やっぱりSARAのキャラクターは欲しくて、アンケートをとったらパンダが人気だったので、名前もお客さんから募集して「あんあん」と「ぱんぱん」に決定しました。

(あんあん)
私は、ち○ち○とま○ま○を推していたけど笑

──それはちょっと厳しいですね笑


あんあんちゃんとぱんぱんくん@SARA GRANDE五反田

続く、後半「『マジックミラー号でセックスする』という人類の夢を叶えられる部屋を作ったラブホテルオーナーの熱い想い」では、SODとのコラボ作品であるマジックミラー号部屋についての話や、どうしてわざわざ衰退産業のラブホテル業界で働いているのか、今後どういう展開をしていく予定なのか、について聞いていきたいと思う。







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