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未来人からの贈り物~インナーチャイルド~

なぜ、上手くいかないんだろうか?
他の人は穏便な毎日を過ごしているのに、
何故自分だけは上手くいかないのだろう?


そう、対人関係。
人との関係がことごとくダメだ。


考えよう。何でダメかを。
どこが今日ダメだったのかを。



また今日もダメだった。多分あの人には嫌われたし、
あの人にも上手く氣を使えなかった。

明日こそは頑張ろう。今日してしまったことは、きっと
もうしない。明日こそは素晴らしい一日になるぞ!



・・・今日もダメだった。

昨日も一昨日もだめだった。
また新しい問題が出てきた・・・。

だんだん他の人ともぎくしゃくしてきて、
もうどうやって人と接したらいいのか分からない。

こんなに色々と人の事だけを考えて、尽くして、
優しくしているのに・・・どうして誰も私を大切にして
くれないんだろう・・・。


そうか・・・。
私に価値が無いんだ・・・。

私はどれもこれもできないし、人としての価値がないんだ。
じゃあ・・・もっともっと人に好かれるように頑張らないと・・・。

もっと人の顔色を見て、空気を読まないと!
私が明るく頑張れば、きっと・・・きっと・・・。

誰かが愛してくれる・・・。楽しい毎日がやってくる・・・。



「待って」


誰?


「私は未来の君です」


え!?私、こんな風になってるんだ?どうやって・・・


「手段は置いといて・・・。それよりも、今君が進もうとしている
方向に君の望む楽しい未来は無いよ」


え?・・・どういうことですか?


「君は、誰かの奴隷となることで誰かが喜ぶと思っている。
そしてそれは誰も望んでない」


奴隷なんて!!


「誰かの顔色をうかがって、誰かのためだけに動いて、様子を見て、
持ち上げる事ばかり言って、誰にでもいい顔をする。それが今の君。


そこに君はいないも同然だよね。当たり前だよ。誰かにとって
耳障りの良い言葉と行動だけを考えているもんね。愛して欲しくて」


そんな・・・酷い!


「振り返ってみなさい。君個人の意見を、これまで言ったことがある?」


あ、あります・・・そんなこと!今日だって・・・
友達と遊びたくて一緒に遊ぼうって言ったし!!


「何故遊びたかったの?本当に遊びたかった?
今日は本当に心から楽しかった?
一昨日のいつものグループの話題は本当に楽しくて面白いと言った?
その前のトイレに皆で行くときは面倒って思ってなかった?」


・・・だって・・・。そうしないと、1人になっちゃう!
私の価値はただでさえ低いのに!

なんの取柄も無いし、
何をやってもダメだし、
スタイルだって顔だって良くないし!


「あのね・・・。君は一生懸命、物心ついた頃から親の顔色うかがって
たよね。氣むづかしい両親だったから、氣持ちが休まることが無かったよね。

両親に何かしてあげないと、何か氣分を良くしてあげないと家族として
成立しなくて、ストレス無く日常が送れなかったんだよね。

ちょっと弱い両親だったから、君が幼いながら親のようにしなければ
ならない時もあったよね。

誰にも頼らず、いつも氣を張ってたよね。
けど・・・認めてもらえる事は・・・ほとんどなかったね。

君が誰かのために尽くそうとする。
それがあなたは愛情だと学習してしまった。

けどそれは、君のせいではない」



・・・



「どうして知ってるの?って顔してるけど、私は君だから分かるよ。
未来の私からアドバイスをするね。

あなたは人の為に自分を捨てて尽くすことを愛だと学習してしまった。
これは、この先中々リセットできることではない。

リセットの方法はあるから安心して欲しい。
その方法はその押し殺した感情や言葉たちを開放してあげて欲しい。
そして、それが自分から出てきたものだと認めて、許してあげて欲しい。

その言葉はもしかしたら両親や他の大人たち、
同級生などを罵ったり、怒りに任せた言葉だったり、
悲しみに満ちた叫びだったりして、決して綺麗には
見えないけれどそれを許して、認めてあげて欲しい」


それは・・・。


「大丈夫。未来の私はとても元気だし、
沢山の素敵な仲間たちに囲まれて、パートナーもできて幸せ・・・。
幸せな未来が来るから。だから一度、リセットしてみて」


ほんとう?


「ここに証明がいるでしょう?それから、
リセットしたら自分を愛して欲しい。

無理って顔してるね。でも、無理じゃない。

自分の価値は自分が決めていい。自分が決めれば。
他人はそれに合わせてくれる。世界は、そうなってる。
人はそもそも、喜びの人生を歩むために産まれてきたのだから。

自分を愛するというのがどういうことか、分からないよね?

まずは、毎日自分の良いところを見つける。3つ以上。
そして、成長しているところを数えること。

それから、自分の体を1日1回優しく撫でてあげる。
自分の好きな事も1日1回はすること。
自分に○を付けることを毎日何回でもいいからすること」


私に・・・いい所なんて・・・


「あるよ。君はマイナスな事ばかり聞いて、
マイナスなものばかり見ている。

誰が君をダメな人間だと言ったの?
良いところがないって、誰が言ったの?
価値がない人間だなんて誰が言ったの?

借りに言ったとしても、君はその人が大好きなの?
その人は君のことをどれだけ分かっている?

私の方が君を分かっている。
その自信がある。
だからこそ言う。

君はその年の割に背伸びをしすぎている。
それは背伸びをしなければ生きていけない環境だったから。

もっと力を抜いて・・・。
心の欲求や叫びに耳を傾けて。それは“悪い子”じゃないんだよ。
人間なら普通な事」


私、悪い子じゃない?ダメな子でも、できない子でもない・・・の?


「もちろん。
ダメとか、悪いとか、誰が決める?

人の個性はそれぞれ。
人は皆得意不得意がある。
人は完璧じゃない。

君が毎日楽しそうと思っている子たちだって同じ。
大人たちだって完璧じゃない。
君の両親も、完璧じゃない。

だから君も君のことを許して、認めてあげて、
愛してあげていいんだ。
毎日頑張ってるんだから、大丈夫。

リセットして、許して、認めて、愛することが始められたら…。
あなたはあなたを縛る幻想の世界から解放される。
そして本来のあなたを取り戻すよ。

私だけはこの先ずっと君の味方だよ。
何があっても、どんな君だろうと愛してる。
だって、あなたが頑張ってくれたおかげで、今の私が
いるんだから・・・。一緒に、幸せになろう」




未来の自分は消えた。




いや、未来の自分に帰ってきた。




子供の頃の自分が小さな背を丸めて泣き叫んでいる。

私は、幼い自分と会話をしたのだ。


そしてその子は今、悲しみと怒りと寂しさで苦しんでいる。

その小さな背中は痛々しく、見ていると涙が出て来る。



でも私は、目を離してはいけない。
向き合わないといけない。

その悲痛な感情を抱き、耐えて、頑張ってきた幼い頃の自分と
寄り添って、愛情を注いでいかなければ。
今の自分の年齢に大きくなるまで。
それが、幼い自分との約束。


もう自分は自分を裏切ってはいけない。



「絶対に見捨てたり、呆れたりしないよ。
あなたは私だから。離れないよ。
幸せになろう。大丈夫。愛しているよ」



と手を握り続けよう。決して離さないように。




桜賀和

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