見出し画像

小さく始めて6割で提案 教員の視点から

「仕事は小さく始めて6割で提案する」
教職20年弱の私がたどり着いた、仕事のモットーです。

書籍からの学びもありますが、経験を通して仕事がスムーズに運んだ好例を、具体的に掘り下げていきます。

以前の私は、完璧主義の性格から、仕事を100%の完成度まで仕上げてから提出していました。

文章の体裁なども完璧に整え、提出の〆切直前に相手に渡していました。

それで良いと思っていました。それが良いと思っていました。


しかし、しばらくそのやり方でやっていると、その弊害に気づくことになりました。


100%の完成度で期日ギリギリに相手に渡すと、ムダな時間とエネルギーを使うことになり、そこからの軌道修正がかなり難しいことに気づきました。

それより、完成度は60%くらいであっても、全体像や方向性が間違っていないか、現段階で足りない視点や加えた方が良い内容があれば、この時点で教えてもらうことにしました。

つまり、完璧に体裁まで整え、〆切直前に仕事相手に渡すのではなく、途中段階で一度相手に打診してみることにしました。

この60%の段階なら、〆切にもかなり余裕があり(例えば1ヶ月前など)、大幅な軌道修正や内容の補足が必要であっても、まだ再スタートは可能です(もちろん仕事内容や状況によりますが)。

「もう出来たの?」と相手からの信頼も得られます(たとえ途中段階であっても)。

それが細部まで仕上げ、〆切直前に出したとなると、修正が困難になることは想像にかたくないでしょう。

ちょうど、ハンドルのあそびの部分がほとんどないような状況ですね。

1つ例を挙げてみます。

私が英語科教員として評価研修会で説明することになりました。対象は現役の小学校教諭らです。

お話をいただいてから1週間ほどで、説明会の概要(全体像)と何枚かの具体的なパワーポイントスライドを、担当者に提示しました。

すると、研修会としての全体の方向性は良いが、具体的な授業実践例を入れてほしいと打診されました。

例えば、単元の指導計画や1時間の授業の流れなどです。現場の先生方が知りたい内容だから、というのがその理由です。

私が6割で仕上げた概要にその視点はなかったため、その後新たに加え、全体を整えました。

研修会のお話をいただいてから、私は小さく作業を始め、1週間後に6割で仕上げた内容で提案し、その後加筆・修正したことになります。

担当者からは、私たちが知りたかった内容を具体的に加えてもらい良かった、と感謝していただきました。

聞き手が知りたい内容を、微力ながらもお伝えできたのであれば、私にとっても良い経験となりました。

特に、私にとって新たな分野や不得手な内容の時ほど「小さく始めて6割で提案」を意識するようにしています。

経験豊かなビジネスパーソンは、言語化せずとも日頃から行なっているのかもしれないですね。

4月から働き始める方や、お若い方のヒントとなれば幸いです。


さて、今から私も、小さく仕事を始めることにします。気分がのらない仕事を。

#仕事のコツ

この記事が参加している募集

仕事について話そう

仕事のコツ

with 日本経済新聞

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?