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自分の疲労ポイントを知るということ

時間という、小さな出来事の欠片たちが耐えず流れていくことで、毎日が過ぎ去ってゆく。

小さな出来事の欠片たちには、それはそれはたくさんの種類があるでしょう。

PC作業をする場面や、他人と会話する場面。
通勤電車に揺られる閉鎖空間、調子を合わせて相槌を打つ唇。
家族のために一週間の献立を考えながらゆっくりと進むカートの車輪。耐えず変わりゆく天候や気圧。

生活する中で、たくさんの事象が自分の身に起こって、消えて、溶けて。
その1つを取り上げてみたとき、自分にとっては苦にならないことでも、他の誰かにとっては疲労が蓄積される場面かもしれない。

例えば、予定を立てることが苦手な場合。
自分が何に対して疲労を感じるか、何なら疲労があっても行えるのか。
「どの種類の」疲労を感じやすく、「どの種類の」疲労を感じにくいのか。

それを把握することが、「予定を立てる」という行為をスムーズに行う手立てになるかもしれません。また、「生きづらさ」を緩和させる術に繋がるかもしれません。

今回は、そういうお話。

自分は一体何に対して疲れているのか

自分が疲れたなと感じたとき、その根本原因について考えたことはありますか。
また、疲労のバランスを取る対策を探ったことはありますか。

私は人から促されるまで、そういった視点で「疲労」というものを見つめたことがありませんでした。
ただ漠然と、「コミュニケーションを取ると疲れる」「1日歩き回った後は疲れる」と感じているような調子。

では、その他は全て疲労に繋がらない行動でしょうか。

楽器を吹いた後は?アクセサリー制作をしたあとは?デザイン制作後は?

ひとつひとつ取り上げてみると、疲れはあるのです。
楽器を吹けば体力が奪われます。
アクセサリー制作をすれば肩が凝り、PC作業は眼精疲労から頭痛が起こる。

けれど、そういった疲労を感じても、私はなかったことに出来るのです。作業を続けられるのです。

では、他者との会話をしたあとはどうでしょうか。
私は、他人への気遣いを全力で消費した後、数時間は身動きがとれません。頭を使う作業はもちろんのこと、体を動かすだけのことですら出来ないのです。

このような「疲労ポイント」を知ることが、予定を組む手助けになります。

疲労ポイントが高い作業を毎日入れてしまうとコンディションを整える時間が失われるので、数日おきにする。
疲労ポイントが低い作業をその間に配置する。

そうすることで、「ストレスにさらされ続ける」という状況は回避出来ます。

疲労は回復方法を身につけることでしか対策を練れないと考えていた私にとって、疲労のバランスを予め取るというのは盲点でした。

得意なことはストレスゼロなのか

そして、ひとつの行為の中でも作業別にストレスの差があります。

例えば、楽器を吹く行為を取り上げることとします。
全体として、私にとっては疲労を感じにくいこの行為でも、「基礎練習をする」ことと「適当な楽譜を吹いてみる」ことではモチベーションに差があります。
基礎練習をする時間は、最早修行に近く、己の技術をひたすらに磨き上げる行動なのでそれなりに集中力を必要とします。大切な作業だと理解している分、取り組むまでの壁も高い。
適当な楽譜を吹いてみる、例えば好きな映画音楽のメロディーを自由に吹く時間は、上手くなりたい等の目的がない分、大変気楽です。

(これは私の作業別ストレス度合い表)

「楽器を吹く行為は私にとって疲労度が低いから、毎日予定として配置しても大丈夫!」と思いきや、基礎練習をする日を毎日の予定にしてしまうと、知らないうちにストレスが蓄積され、場合によっては他の予定が上手く遂行出来ない状況に繋がるかもしれません。

「やる気が出ない」から脱出したい

これは「やる気が出ない」問題にも当てはまります。
最初から自分にとって壁の高い作業をしようとすると、モチベーションは上がりにくい。
とりあえず「適当な楽譜を吹いてみる」ことにして、エンジンがかかってきたところで本題の「基礎練習」をする。そうすることで、いつの間にかやる気は次から次へと引き出されていきます。

勉強するときに「まずは鉛筆を持つところから」というのは的を得ているわけですね。

自分をどう手懐けるか、という点でも、疲労ポイントを知るということはオススメです。

そして、エンジンがかからなかったとしても鉛筆を持てただけで良しとする。問題がひとつ解けたら、課題が片付いたら「えらい!」と自分を褒め称える。
それを繰り返すことで、自己肯定感の向上にも繋がります。

最後に

さて、今回は「自分の疲労ポイントを知る」ことの有用性をお話ししました。

私は1週間ごとに日々の細かなスケジュールを立てて毎週振り返りをしているのですが、疲労ポイントをベースに考えることで「組んだ予定が上手くいかなかった」と悄気る時間がかなり減りました。

もし自分の場合はどうなんだろう?と興味を持たれた方は、ぜひ自分の疲労度合い表を作ってみてください。

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