目の前の友人を救うことが東北一番の起点に

こんにちは。
今回は、東北NO.1を目指すことを決意したきっかけについて書きたいと思います。
シンガポールに進出後、短い休暇を利用して地元の福島を訪れたときのこと。ひさしぶりに、幼馴染との再会が実現しました。彼は美容師としての道を選び、日々頑張っている様子をSNSなどで見かけていたのですが、直接会って話をすると、彼の口から出てきたのは生活の厳しさや将来に対する不安でした。
「今の会社はスタッフのことを考えてくれない。先輩は営業後にパチンコ屋の清掃のバイトを掛け持ちして凌いでいる。本当に将来が見えない」

地元の幼馴染が例に漏れず、美容師としての生活や将来に悩んでいたのです。

目の前の友人すら救えない自分に、美容業界の労務環境を良くしたいという大義など実現できるはずもありません。もう少し歳をとったら地元に会社を興して恩返ししたいな、などと漠然と考えていたのですが、思いがけずその機会はもっと早く訪れることになりました。


福島NO.1は当たり前。東北で名を馳せるサロンへ

2013年9月、私の地元福島県郡山市の駅前に国内最初の店舗をオープンさせました。このサロンは、後にファイブスターグループとしての礎となります。
やるからには大きな目標を掲げよう。そう決めて、【福島NO.1は当たり前。東北で名を馳せるサロンへ】を目標としました。
そして、この出店で新たにチャレンジしたことがあります。それは、オーナーである私が東京に居住しながら遠隔で福島の店舗を経営するというスタイルです。
それまでの美容室業界では、オーナーは毎日サロンに立ち、あれこれ指示を出すのが常識でしたが、そうなると、多くの美容室経営者にとって、多店舗展開では自分の目が届かないことが心配の種になります。東北で名を馳せる美容室グループになるには、いずれ複数店舗を経営する必要があるため、ならば、最初から目が届かない状況で最高の美容室を作れないかを考えたのです。

左佐久間、中央幼馴染の佐々木、右リクルート同期で共に経営した萱野

コンセプトはマーケットインの発想

スタッフの労務環境を良くしていくには、まずシンプルに売上を最大化させ、利益を多く出さなければなりません。

福島県は最低賃金が国内で下位という特性上、可処分所得は高くないため、お客様が無理なく通い続けられる美容室が良いなと考えました。

近隣の相場は、カラーカットが8,000〜10,000円ほど。地元の人たちの様子を見ると、年に3〜4回くらい美容室に行けたら良いという感覚のようです。つまり、お客さまが無理なく支払える年間の美容代は30,000円前後だということです。

ヘアカラーを美しくキープするなら、2〜3ヶ月に一度は来店してもらいたい。ならば、1回の来店が5,000〜6,000円くらいの価格であればお客さまにとって無理のない出費になりそうです。

ビジネスにおいて「マーケットイン」と「プロダクトアウト」という言葉があります。マーケットインとは、世の中が求めているであろうカタチをつくることです。いっぽう、プロダクトアウトは自分たち主体でつくりたいもの・やりたいことや価格から考えることです。

シンガポールでも福島でも、私の発想は常にマーケットインでした。

圧倒的な集客力でスタッフの働きやすさが実現

マーケットイン型の発想からビジネスを起案したことが功を奏し、シンガポール同様に福島の第一号店は県内一の集客力を実現することができました。

私はすぐに労務環境の改善を実施。業界平均の倍近くの高給与の実現と共に、月4日休みの通例を月8日ほどに引き上げ、絶望的だった出産後復帰100%を目指しました。それにより、ママさん美容師が多く活躍してくれることとなり、新しい可能性を作り出すことに成功しました。

今でも創業からの仲間たちが幹部として数多く活躍してくれていたり、夢だった開業にチャレンジするために巣立ったメンバーも多くいます。皆、現在でも活躍しており、嬉しい限りです!

その結果、サロンは福島県内でのトップの集客力を持つ店舗へと成長。また、労務環境の改善にも力を入れることができました。
今を振り返ると、多くの困難があった中で、共に歩んでくれたメンバーたちがそれぞれの場所で活躍している姿を見ることが、私の最大の喜びです。
次回、現在の挑戦や取り組んでいることについてお伝えいたします。引き続き、よろしくお願い申し上げます。


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