トヨタ式仕事術の書籍2冊を読んで見えた理想の社会人像【書評】
世界的に有名な日本の大企業 " トヨタ "。
先日のニュースで2023年の世界販売台数が1位であり、なんとこの記録は4年連続で続いていると知りました。
そんな世界的に有名、どころか世界一の企業であるトヨタには「トヨタ式」と呼ばれる他社とは一線を画す仕事術があります。
今回はそんなトヨタ式仕事術の「視える化」と「カイゼン術」に関する書籍を読んだので、簡単な概要と本を読んだことで見えてきた今後の目指すべき社会人像についてまとめたく思います。
トヨタ式仕事術の書籍2冊の概要
今回拝読させていただいたのは、「トヨタ式「視える化」読本」と「トヨタ式自分「カイゼン」術」の2冊。
縁あって職場の先輩からお借りしましたが、調べてみたところ2024年5月現在、Amazonでは新品を見つけられませんでした。
中古にはなりますが、興味がある場合は下記リンクよりご確認ください。
トヨタ式仕事術が生まれた背景
ここからは各書籍の概要となりますが、その前にトヨタ式仕事術が生まれた背景について触れておきます。
公式サイトでも書籍でも書かれていますが、トヨタ式仕事術は「お客様のためにより良いものをより安く、より早く提供する」ためにあるもの。
その理念を達成するためには、ムダを排除して効率化が必要になります。
「では、ムダを排除するにはどうすれば?」
「そもそもムダってどうやって見つけるの?」
そんな試行錯誤を通して産まれたのが「トヨタ式の仕事術」です。
この前提を知っておくことで、今回紹介する書籍の内容が頭に入りやすくなるかと思います。
トヨタ式「視える化」読本の概要
それでは、まず「視える化」について解説されたこちらの書籍の概要です。
ムダを排除するには、まずムダがどこにあるかを判別する必要があります。
そのために、職場内のブラックボックスを無くす方法について主にまとめられています。本書ではまず「視える化」には下記3つの視点を持つことが重要と書かれていました。
1.見えないものを見えるようにする。
…日常業務に利用している書類のフォーマットや作業方法を見直すだけで劇的に作業時間を短縮できることがあります。当たり前を見直し、これまで見えていなかったものに目を向けていく必要があります。
<本書で紹介されていた方法>
タクトタイム(事前に作業にかかる時間を推定したもの)を設定して、作業を平準化。
企画書は原則A3用紙1枚で簡潔にわかりやすく。
仕事の一つ一つを秒単位で計算した標準作業表を作成する。
2.会社・仕事の仕組みを誰にもわかるようにする。
…全体を把握することで、前作業と後続の作業間で時間ロスが発生しているなどの問題が見えてきます。また、社員も自分の役割を知ることで、新たなスキルの向上などモチベーションアップにもつながります。
<本書で紹介されていた方法>
自分のスキルや目標などを記載した「ワーキングライフプラン」を社内に共有。
ホワイトボードで進捗状況を共有。
3.問題・トラブルを隠さず明らかにする。
…問題が発生した箇所には根本的な原因が隠されていることがあります。その時は対処できても再発の恐れがあるので、問題・トラブルは明らかにしていくことが必要です。
<本書で紹介されていた方法>
クレーム報告書を残す。
原因究明時は少なくとも5回以上なぜ?を繰り返して真因を深掘りする。
言い訳をせずに失敗を共有する資料を作成したり、口ではなく手を動かすようにする。
また、視える化を行うためには職場環境・社員ともに5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ(気配り))の考えが必要だと書かれています。
【視える化の前提5S】
整理
整理できていないと、不要なモノとの判別がつかず、大切なモノの居場所が自分にしか把握できていない状態になります。モノだけでなく、心もプライベートの問題を抱えていれば、仕事に集中することができません。整頓
モノを探す時間は付加価値を生まないムダな時間です。モノも仕事も普段から整頓を心がけることで、慌てずに対応を進めていくことができます。清掃
綺麗な状態であれば気持ちよく仕事ができるのはもちろん、ホコリやごみによるパソコンなどの電化製品の故障を防ぐことにもつながります。清潔
清潔な職場というだけで来訪者にも社員にも安心感をあたえます。また、清潔であれば汚すことをためらうことになるので、不潔になることの予防にもつながります。しつけ(気配り)
ここまでの4Sを守るためにルールの順守はもちろん、他人にも気を配り、個ではなく集団として環境をよくしていく姿勢が必要になります。
本書籍では上で紹介した5Sなど、集団としてより個人としての心掛けが多く書かれていました。
仕事においての「視える化」と考えると、上の立場の人間が考えることだと捉えがちですが、社員一人一人の行動で視えなかった部分が視えるようになり、結果的に会社が変わっていくと学びましたね。
トヨタ式自分「カイゼン」術の概要
次に、「カイゼン術」について解説されたこちらの書籍の概要です。
ムダを見つければ、次に必要になってくるのが改善。
しかし、改善方法は問題によって異なり、トヨタ社員以外はあまり参考にならないからか、具体的な方法は書かれていません。
本書では、主に" 改善が活発に行われる環境づくり "を行うための社員の心掛けがまとめられています。
本当にたくさんのことが書かれていますが、今回はその中でも身に染みた内容を箇条書きで8つまとめておきます。
傍観者・評論家・危機感のないものは会社に不要。問題の所有者であるという立場が課題解決と発見につながる。
5割カットなどあえて一見無理な目標を立てることで、知恵を絞り、常識を根本から見直し、たとえ達成できなくても結果としてみた時に、実質的な効果を大きくする。
自分だけが良くなればいいではなく、他の社員・組織にも利があるような改善方法を考える。
自分の無駄を改善してから周囲への改善を求める。
仕事の不満は我慢して溜め込むのではなく、積極的に口に出して改善。仕事を楽しむ。
アドバイスを素直に受け入れる真面目さは命取り。自分の責任を取れるのは自分だけ。情報を鵜呑みにせず、現場での経験などから情報に対する五感を磨く。
行動が伴わない思考に意味はない。
業務は標準作業化することで、誰にでも行えるようにし、様々な目線から改善案を探す。
上記のような内容が書かれており、「視える化」よりも一社員として読むには勉強になる部分が多かったと感じています(一部自分なりの理解に置き換えておりますので、実際の内容とは解釈が異なる可能性がございます)。
今回紹介した2冊の中で、どちらかだけを読んでみるなら、こちらの方がオススメですね。
トヨタ式仕事術を学んで見えた理想の社会人像
最後にトヨタ式仕事術に触れて、今後目指したいと思えた社会人像についてまとめておきたく思います。
といっても大それたものではありません。
「カイゼン術」の書籍で紹介されていたのですが、効率的に仕事ができる人の特徴として、以下の5つのポイントが挙げられていました。
知識を柔軟に利用できる知恵。
旺盛なフットワーク。
5Sが身についている。
体力がある。
いつもさわやか。笑顔。
まずは、上記5点をしっかりとできる社会人になることが目標です。
今回の書籍を読んで、会社全体をいい雰囲気にしていくには、社員一人一人の行動が大切だと学びました。
なので、まずは一社員としての基本を最大限できるようになりたいと考えた次第です。
もっと具体的な目標なども考えてみたのですが、私は仕事のストレスで適応障害を発症した経験もあります。
まずは会社に長く貢献できるよう、基本を大切にして、これからも無理せず頑張っていきたいと感じました。
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それでは。
最後までお読みいただきありがとうございます!
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