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南国風が吹く不穏な夢

沖縄とはまた違う、美しい海が続く土地だった。

海の横幅はそんなになく、まるで箱庭のような海だった。少し歩くとすぐ限界がくる。

海の手前には茶の砂が拡がっており、さらに奥まで下がると、足首くらいの高さのコンクリートの塀があって、跨ぐとすぐに住宅街に出る。

住宅街の家は、白を貴重にしていて、地面のコンクリートの小さな穴からガジュマルの木が生えていた。その家は、わたしの友人の家だった。

私は友人の家でともに大きなベッドの中に入っていた。小学校以来のハキハキとしたダンサーの友人はいそいそと話し、ベッドに潜っていたが、

私は彼女の恋人でもあるまいし、とか、はたまた彼女は今まで恋人とこんな風に横になったことはあるんだろうかとか、なんだか居心地が悪くソワソワしていた。

覚えている次の場面は、私が彼女の家のガジュマルをしきりに褒め、素敵だと言っていると多くの人が私の後ろを通り過ぎていく場面だ。

聞くと、みんな海に向かうという。ああ、観光客だな、、人がこんなに多くなってしまったと私は残念に思った。

私もそれに続いていき、2人組の青年の横に居場所を作った。片方に声をかけられた。明らかにナンパだった。

おい、お前やめろよ、ともう片方が言ってくれるのを救いにしながら私はその場を苦笑いで離れた。こんな人たちがいるそばで安心して海を見れるわけがない。

私はその夢の世界の中で、しらない女の子たちと親しくて、その子たちと一緒にいた。

そしてわたしの夢のお決まり、常に不安に追われ、不穏な雰囲気に纏われる状況がまた顔を出す。

記憶が飛んでしまって詳細を覚えていないのだが、ひとり、親しい女の子が急に消えて、私たちはその子の名前を大声で叫び続けた。

消えてはいけない、いなくなったらまずい理由があったのだと思う。

その子が住宅街と海の砂浜を隔てるコンクリートのブロックから見て左奥で、あ、はいと返事をしたので私達は一気に安心した。

それから私は何故か、また海がちゃんと見たくてさっきの男の人たちがいる場所へ戻った。そうすると、また声をかけられた。今度は先程「やめろよ」と言っていた男性からだった。こっちもか。

落胆して後にした。

それから場面は急に飛び、私は知らない誰かになっていた。

ここからは記憶もあやふやで言葉で形作れるか不安だ。

その子は、何か不安を抱えていた。とにかく逃げたくなるような不安な雰囲気の部屋にいた気がする。ロリータファッションに包まれたカタカナの長い名前がついている人形が見える。

その子はとにかく死のうと思って、高いビルの中に入っていった。ビルと言っても、その地域にビルなんてものはないので、精一杯さがして学校だった。

それでも、その場所は始終南国の風が吹いていて、登場する人はラフな半袖シャツであるし、木々は温かみのある南国の木の形をしていた。それが少し私の心の負担を軽くしていた。

首を切ったり、粉々になるくらいならまだしも、どうして飛び降りたんだ、とおじさんが大急ぎで学校に入っていったのを覚えている。

私の記憶があるのはここまでだ。

南国の雰囲気を背負う夢を見たことがなかったので、新鮮だった。

それでも不穏な空気をまとう人物たち。

何を意味しているのかな

昨夜は心が乱れたまま寝てしまったので、それもあるかもしれない

今日こそは素敵な夢を見よう。




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