文学の同人誌を作って頒布するまで #1(会議&タイトル決め・前半) - 文フリ東京107日前
(これまでのあらすじ)合同誌をつくり、文学フリマ東京38で頒布することを目指す6人。12月に合同編集部が発足してから、こんな企画をしてみよう、あんな誌面にしてみては、ワイワイ検討していますが、まだまだ考えることは山積みです。今回の会議のテーマは……
1月25日夜19:00。合同編集部の面々が集まり、全体会議は始まった。雑談も(ほとんど)なく滞りなく進む会議。そしてついに始まるタイトル決め。
当時、この合同誌にはまだ名前がなかった。X、Note、Threadsのアカウント名も「『タイトル未定』合同編集部」。これでは企画を知ってくれた人に覚えてもらうこともままならない。
しかしそれも今日で終わり。ようやく堂々と名乗ることができるのだ!
そう、思っていました。
(前回記事『#0 PR会議編』に引き続き、今回もPRチームの二人でお送りします)
ー1月26日00:40。全体会議終了後ー
鈴木「タイトル、決まりませんでしたね……」
石田「そうですね……。いや、でも会議では重要なことが決まりましたよ」
全体会議で決まったこと
会議運営は時間を守って
石田「まず、会議運営について。議題ごとに時間制が導入されました」
鈴木「今までも何回か会議がありましたが、特定の議題が延びて結論がつかないままお開きの時間、ということもありましたからね」
石田「編集長を置かずに6人で合議してやっているから、ついつい長くなっちゃうんですよね」
鈴木「円滑な会議運営、大事。今回、久湊くんがこんな議事提出フォームを作ってくれたんですよね」
石田「事前に提出された内容をもとにアジェンダまで作って会議に臨む、という隙のない体制です」
鈴木「隙のない体制」
スケジュールおおむね決定!直近の〆切は2/18
石田「そしてスケジュール。当合同誌に掲載する小説作品は、作家1人につき個人作と合作の2つです。ひとつめの個人作品〆切は2月18日に決定。他にDTP、編集・校正、特集企画、デザイン関連などの予定もおおまかに決まってきた、と」
鈴木「ですね~。いや、2月18日って結構近いですね! 加えてそれぞれの担当もあるから中々忙しい。頑張らねば」
同人誌にいくら払える?……1800円!(仮)
石田「頒布価格も一応の上限を設けることになりましたね。仮に100部売ることで経費を全部回収できるよう値段設定すると、どんどん高額になっていっちゃうので」
鈴木「たしかに完全に初見の同人誌が1冊3000円とかだと購入ハードル高いですよね」
石田「ちなみに文フリ公式の統計によると……」
鈴木「700円はだいぶお財布に優しい」
石田「とはいえ、いつのデータか分からないし、ここ数年はもう少し価格帯が上がってきている気もします」
鈴木「手の込んだ作品や複数人参加の企画も増えてますもんねえ」
石田「ということで、『同人誌にいくらまでなら払える?』というミもフタもない議論の結果、最高で2000円〜1500円という意見が集まり、多数決でひとまず1800円ということに」
鈴木「でもこれもテーマへの興味や雑誌への信頼度、いい感じのデザイン等々があってこそ手が出せる金額ですからね。いいもの作らないとなあ」
校正・組版方針、くわしくは今後のNoteでも
石田「校正・組版方針も決まりました。具体的な部分は作者ごとに詰めていくということだけど……」
鈴木「いや~、担当の那智さんが本職の校正者ということで、とても勉強になる内容でした。資料すごい」
石田「これについては……詳しくはこのnoteの校正編で! ですね」
鈴木「お楽しみに!」
コンセプト・タイトル策定会議(前編)
石田「そしていよいよコンセプト・タイトル策定会議」
鈴木「まずは皆でそれぞれ考えたタイトル案の紹介からでしたね。私はデザインチームの原石さんが作ってくれた参考イメージとにらめっこしながら考えていましたが……。石田・久湊両氏が事前にプレゼン資料と書影イメージまで作ってきたのはちょっとおののきましたよ」
石田「手を動かした方がアイデアが出てくるので……」
鈴木「ひえ~~」
何のためのタイトル?
石田「様々なタイトル案とともに、それぞれに込められたコンセプトがありましたね。ドキュメンタリー、闘争、不一致、つながり、作家あるあるネタ等々……。語感やフレーズ重視のものも」
鈴木「皆が出したタイトル案のなかで、私は『合同しない誌』『生成する我々』『拝啓 もの書くあなたへ』が推しでした」
石田「僕は『恒星間通信』『作家性観測基地』『Amateur』でしたね」
鈴木「6人で話していると、アイデアも意見もたくさん出ましたね~」
石田「そう、そこでタイトルのもつどんな要素を重視するか? という観点も出てきました。やっていることのわかりやすさか、参加者への訴えか、はたまた語感か」
鈴木「タイトル買いするという人もいれば、あまり重視しない人もいましたね。中身はサブタイトルとかで説明すればいいから、タイトルはロゴ的なおさまりの良さが大事、という。全部説明しようとしなくてもいい、っていうのは私には目から鱗でした」
そして定まっていく方向性「観察」
石田「それらを踏まえたうえで、やっぱりタイトルは内容の面白さをどこに置くか決めるものだと思うので、方向性は定めよう、ということに」
鈴木「この合同誌の面白さの核は何か、ですね」
石田「ポイントはやっぱり分析美学を専門にしている人がいる、ということですよね」
鈴木「分析美学。あまり聞かない言葉です。」
石田「今回は特集企画として、編集部の岡田進之介さんによる書き手へのインタビュー計画が進行しています。文芸誌として小説が掲載されているのはもちろんのことですが、同時に小説の書き手へのインタビューを通じて創作の過程を暴くという試みもなされる」
鈴木「分析されちゃうんですね」
石田「いわゆる批評や作家研究的なアプローチとは(たぶん)ちょっと違って、美学の観点から。あまり見たことのないものになるんじゃないかなと思うんですが」
鈴木「そうそう。ここで、小説がいかにして生まれるのかという視点や、観察というキーワードが出てきました」
石田「出てきましたね!」
鈴木「……出てきましたが、いかんせん時間は既に夜12時を回っている!」
石田「隙のない体制のはずが……(痛恨の表情)さすがにここから新しいタイトル案を出していくのは厳しかろうということで、今回の会議はここまででした。それでは次回、『タイトル決め・後半』へ続く!!」
To be continued……
こちらのnoteアカウントでは、「文学の同人誌を作って頒布するまで」と題して、合同編集部6名による制作過程のドキュメントを公開してゆきます。
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