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テレビ業界からYouTubeへ。猪苗代湖での出会いが導いたカメラマンの決断とは?

昨日は、まさに夏を迎えたかのような快晴が広がり、僕は愛車のRAV4を走らせ、猪苗代湖へ向かっていた。これで3度目の訪問となる猪苗代湖。しかし、今までの訪問では、天候に恵まれず、期待していた磐梯山の美しい景色は一度も見ることができなかった。けれども今回は違った。空は晴れ渡り、まるで湖面を祝福するかのような青空が広がっていた。湖に近づくにつれ、その姿がゆっくりと見えてきた。猪苗代湖の透明な水と、背景にそびえる磐梯山の壮大な姿が目の前に広がり、ついにこの絶景を目にすることができたのだ。

快晴の空、猪苗代湖と磐梯山。

感動のあまり、僕はシャツを脱ぎ捨て、そのまま湖へ飛び込んだ。冷たく澄んだ水が全身を包み込み、心地よい浮遊感と共に、最高のフロータイムが訪れた。水面に浮かびながら、頭を空っぽにしてその瞬間を存分に楽しんでいると、ふと、背後から声が聞こえた。

「動画撮ってるんですか?」

振り返ると、そこには一人の青年が立っていた。彼は一眼レフカメラを手にしており、どうやらこの湖や磐梯山の美しい風景を撮影しているようだった。彼と話をしていると、地元のテレビ局で働くプロのカメラマンだということがわかった。彼は自信に満ちた笑顔を見せながらも、どこか疲れた表情をしていた。

「仕事はどうですか?」と僕が尋ねると、彼は少し苦笑いをしながら答えた。

「連日、仕事は残業続きです。給料もあまり良くなくて、生活に追われている感じです。」

彼は40歳を目前にして、将来に不安を抱いている様子だった。テレビ業界は以前ほどの勢いを失い、仕事の環境も厳しくなる一方だという。さらに、彼の会社は赤字が続いており、かつては繁栄していたものの、今ではテレビそのものが衰退していると語った。「みんな、YouTubeばかり見ているんですよ。テレビを見る人は減っていますね」と彼はつぶやいた。

そんな彼の話を聞いていると、僕は彼の悩みが痛いほど分かるような気がした。僕もかつて、似たような境遇に立たされ、自分の人生の方向性に迷ったことがあった。しかし、その時僕が選んだのは、新たな挑戦に飛び込むことだった。

「思い切って、辞めてみたら?」僕は彼にそう言った。

彼は少し驚いた表情を見せた。彼のようなプロフェッショナルが、これまで積み上げてきたスキルや経験を活かせば、独立してもっと稼ぐことができるはずだ。特に動画編集や撮影の技術は、今の時代、非常に需要が高い。YouTubeやSNSの隆盛によって、個人がメディアを持つ時代が到来している。彼の持っている技術と経験を活かせば、自分自身でビジネスを立ち上げることは十分可能だ。動画撮影や編集に加え、現場で培ったノウハウ、そして彼の感性。それらすべてが彼の強みだと僕は確信していた。

「テレビの時代は終わりつつある。今や多くの人がYouTubeやその他の動画プラットフォームを主な情報源としている。だからこそ、あなたのような才能のある人が、自分の力で新たな市場に挑むべきだと思うんです」と僕は彼にアドバイスした。

彼はしばらく沈黙して考えていた。恐らく、彼の中で様々な感情や思考が交錯していたのだろう。現職を続けるか、それとも新しい挑戦に踏み切るか。どちらの選択肢も、決して簡単ではない。しかし、僕は彼にこう続けた。

「古いシャツは脱ぎ捨てて、新しいシャツを着て、新たな世界に飛び込むべきだよ。」

彼はその言葉に何かを感じたようだった。僕との1時間半ほどの会話の中で、彼の表情は徐々に変わっていった。初めは迷いと疲れを抱えていた彼だったが、最後には前向きな決意が見えてきた。

「今日、ここであなたに出会えて本当に良かったです。」そう言って、彼は僕に感謝の言葉を口にした。「独立する方向で、前向きに考えてみようと思います」と彼は続けた。彼の目には、明るい未来を見据えた力強い意志が宿っていた。

「応援してますよ。いつでも相談に乗るから。」僕は彼の肩を軽く叩いて、励ました。彼の決意を聞いて、僕も心から嬉しくなった。

その後、彼とは連絡先を交換し、また会う約束をした。彼は新たな一歩を踏み出す決意を固め、僕もまた、自分の人生に新たな意味を見出したような気がした。

猪苗代湖はその時、まるで彼の決意を祝福するかのように、キラキラと輝いていた。湖面に反射する太陽の光は、彼の未来を象徴するかのように明るく輝き、彼が新たな道を歩む勇気を後押ししているようだった。

その日の出来事は、僕にとっても大きな意味を持っていた。何かを変える勇気、新しい挑戦を恐れずに飛び込む勇気を持つことの大切さを改めて感じた一日だった。そして、彼のように悩みを抱えながらも、未来を切り開こうとする人々の存在が、僕にとっても励みとなった。

人生は常に選択の連続だ。どの道を選ぶかは自分次第だが、選んだ道を全力で進むことができれば、それがどんな道であれ、きっと自分にとっての正解となるだろう。彼が新たな道を選び、そこで成功を収めることを心から願っている。猪苗代湖の静かな水面に浮かびながら、僕はそんなことを考えていた。

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