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私の小さな図書館〜洋服ができるまで〜vol.1

私が洋服を作る上で、影響を受けているものが沢山あります。

その中でも最も大きな存在。それは、一人の人が『好き』という気持ちだけで、集めたモノや、大切にしている空間。私はそれらを、『私の図書館』とこっそり呼んでいます。

何かの目的や、理由があって集めたというより、ただ『好き』という気持ちで集めたモノたちは、そのモノの美しさ以上に、『好き』という気持ちの側にあるからこそ、独自の輝きを増しているように思えてならないのです。

そんな輝きの中で、モノが大切に扱われている空間に身をおくと、日頃の慌ただしい世界から、そっと隠れることができる気がして、深く愛おしく思います。

そして、この『私の図書館』こそが、自身のアイディアの源であり、モノづくりを行う上でのヒントとなっています。

モノを作るということは、カタチ作ること以上に、そのモノ自体に命を吹き込む作業なのだと、私は信じています。

だからこそ、どんなに有名なモノよりも、誰か一人の人が、こよなく愛したモノに触れることが私にとってはとても重要なのだと感じるのです。

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これは、とある人が集めた図書の一部。正直難しい文章ばかりで、じっくりと読んだことはないのだけど、、、それでも目に入ってくる美しいフォント、イラストが、私の脳裏に焼きついています。

洋服もまた、できる限りシンプルで美しい線で仕上がっていてほしい、シンプルな線こそ、人を美しくみせるのだと思うのです。

この図書を集めている本人に話を聞くと、仕事で海外に行く度に、その土地の美術館や本屋に通って図書を買いまくり、帰国の時は信じられないほどの荷物の重さに、周りの人は笑っていたそうです。

なんだか愛くるしいエピソードで、インターネットで買えばいいのに、、、と、うっすら思いながらも、買いたい衝動に駆られた姿を想像すると、ほっこり暖かな気持ちになります。

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この部屋に入ると、時間を忘れ、読書に夢中になります。

部屋の持ち主は、ここを自分の書斎だと言っているけれど、私からすると、小さな少年が、お母さんに隠れて、好きなものを集めた秘密基地のように見えてならないのです。人から見たら、ただのモノでも、彼にとっては宝物なのだろうと、空間にいるだけで感じ、胸がきゅんとなります。

ただ『好き』という気持ちで集めた図書たちには、かなり趣味の偏りがあるのだけど、その偏りもまた、人間らしくて私は好きです。

特に食や建築の写真からは、鮮やかな色彩と、その線の美しさから、刺激をもらうことが多いです。

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中にはガーデニングの本も沢山あるのだけど、どれも目に優しく、豊かな気持ちにさせてくれます。

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『私の図書館』は、読み物だけでなく、空間すらもそう呼んでいて、この庭は、持ち主本人が実際に作り続けている夢の詰まった空間。この庭で、考え事をしたりする時間が私は好きで、不思議と沢山のアイディアが湧いてくるのです。

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沢山の本を読み、夢を膨らませた頭の中のイメージを、毎日コツコツ庭づくりに励みながら形にする。その様子は、都会にいて、焦る気持ちや効率ばかりを考えてしまう私の脳をどこかに吹き飛ばしてくれる存在です。

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音楽もまた、五感を刺激する大切な要素。

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何年も聴く音楽に変わりがないほど、好きな曲はひたすら何度も聴くのが私の癖。ちなみに荒井由実さんとMoon riverは、エンドレスに私の身体に流れ続けています。

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これは、とある広告にあったイラストをあまりに気に入った持ち主が、自分で額装して飾っているという世界地図。

私はこの地図を眺めることが好きで、見たこともない景色を想像して胸を弾ませています。

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NARUMIの洋食器セット。

とある夫婦の結婚記念日に、毎年一つずつ集めてきたというティーセットやコーヒーセット。

その内一つのカップは、誰かが触った拍子に持ち手が欠けてしまったのだけど、それでも、思い出と一緒に大切に保管されています。

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沢山の『好き』に囲まれた中に、SAKI・UEHARAのミシン場があって、

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静かな時間の中で、ミシンの音だけが、カタカタと音を鳴らしています。

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一つ一つ縫い上げた洋服たちを、お客様のもとへ送り出す時に、一番の喜びを感じます。

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大切なものに囲まれて、大切な人に、大切なものを作る。

大量に作ることはできないモノづくり。だからこそ、一つ一つの洋服に命を吹き込む作業を妥協なく続けて行きたいと思うのです。

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