入院生活55日目

昨日はつらい1日だった。だった、というか今もそう。
芸能人の訃報もそうだけど
同じ板にのった人のそれは桁違いに心にくる。


一人で悲しみながら夕食を食べようとしていたら
初めて話す患者さんに声をかけられた。

ちょっとここに座って良いかな。僕は悪性リンパ腫なんだ、君はなに？白血病？病気としたら僕の方が治る確率は高いね。でも、僕は糖尿があるから。あなたは好きなもの食べられていいね。死ぬときはもうそういう運命なんだと僕は思うんだ。だからあなたも死ぬとなったらそれまでよ。運命は生まれたときに決まっているから。生きられる人は何をしてもどうなっても生きられる運命だから。僕はもう50過ぎてるから良いけど、10代・20代の1年ってすごく楽しい時なのに若くして病気して可哀想に。あ、ごはん中に邪魔してごめんね。それじゃあ、頑張って。

15分ぐらい私はご飯を食べずにその人の話をきいた。
温めたご飯はすっかり冷えていた。
その人が何を言いたかったのか理解は出来る。
だけど運命なんて簡単に片付けられない。
あんたが50そこらまで時間をかけて悟ったことを
こっちは19の時から気付いて生きてんだよ。
あんたがどの神様を信じようが私には関係ない。
なんなんだよ。づかづか土足で入ってくんなよ。
自分のことだけ考えて気持ちよく寝てろよ。


そんな気持ちを飲み込んだ後の報せだった。
運命だったなんて私は思わない。
私なんかが悲しむのもおこがましいけど
そんなのは運命なんかじゃないって思いたい。