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選択的シングルマザーについて考える

学生の頃からぼんやり考えていることがある。
「子供を育てる上で父親は絶対必要なのだろうか」
今もなお、帰国後の生き方を考える上で頭の中をちょろちょろする考えだ。

1. 周囲の父親たちを見ていて「夫婦」の在り方に疑問を感じる
2. 自分が男性と数十年共に生活している未来が見えない

いくつか要因があるが、上の2つが大きな理由かな。

(もちろん世の中には素晴らしい父親もたくさんいて、そんな方も存じてます。父親の存在を否定する訳ではないので悪しからず。)

1年半程前、あるドラマに出会った。

※ ドラマ「30までにとうるさくて」のネタバレを若干含むのでご注意ください。

東京で暮らす29歳独身女性4人が織りなす物語。それぞれが、「30までには結婚しないと」「子どもを産むなら、焦った方がいいのかな」と悩みを抱えた日々を過ごしている。恋にキャリア、性に友情といった働く女性なら、一度は経験するであろうテーマが登場する。

Wikipediaより引用

2022年1月から配信されたドラマ。
年齢と状況が登場人物とほぼドンピシャだったので見始めた。

登場人物の女性4人の各ストーリーは、まるで友人の話を聞いているようだった。

このドラマで特に気になったのが、登場人物の一人の女性が取った選択。
「選択的シングルマザー」
彼女は自身の婦人科系の病気が発覚し、子供を望むなら近いうちに出産しなければならず、紆余曲折を経てこの選択を選んだ。

もちろん良い人がいれば結婚し、その上で子供を授かれるのであればそれに越したことはない。
ただ、やはり女性に付きまとうのは出産のリミットだ。

「今すぐ結婚はできないが、年齢を考えると先に子供を産んだ方がよいのかもしれない」

こんな風に考えたことのある働く女性は一定数いるのではないだろうか。

周囲(特に家族)の理解を得るのがなかなか難しそうだが、
現実的にどうなのだろう。

経済面でいうと、母子家庭が利用できる制度はいくつかある。

■ シングルマザー(母子家庭)が使える公的支援制度
 児童手当、児童扶養手当、児童育成手当、住宅手当、特別児童扶養手当、
 障害児福祉手当、医療費助成制度、高等学校等就学支援金制度

■ シングルマザー(母子家庭)が使える手当
 ひとり親控除・寡婦控除、 国民年金の免除、交通機関の割引制度、
 上下水道の減免制度、保育料の免除や減額制度

選択的シングルマザーとは?なるために必要な条件と注意点|wacca

ただ、これは自治体により額が異なったり、未婚か既婚(離婚)かで受給の可否が変わったりもするらしい。

案外利用できる制度も多いし、経済的に自立していて、覚悟があれば実現できそう!
…なのだろうか。

経済的に子育てが可能であっても
子供はいつか父親のいない寂しさを感じたり、周囲と比較することもあるかもしれない。

自分ならどうだっただろう。
私はそれが母の幸せな選択であればよい、かな。
ただそれは、父親がいる状態の私がある程度歳を重ね、親元を離れたから思えることなのかもしれないから本当のところはよく分からない。

選択的シングルマザー然り
同性婚でも選択的夫婦別姓制度でも
女性が子供を産み、育てる環境の選択肢がもっと増えれば良いのにと思ってやまない。

*

追記。
某掲示板で2015年の以下のような発言に大量の批判がついているのを見掛けた。以下、一部抜粋。

34歳、独身女性、専門職に就いています。
子供が欲しいという想いが強いですが、結婚はどうしてもしたくないです。

これまで数名の男性とお付き合いしましたが、いずれも結婚にいたらず
お別れしてます。
もともと、結婚願望はほとんどなく、男性と一緒に暮らす、妻になるという
のに抵抗を感じます。同棲経験もありません。
おそらく、一生独身です。

ですが、子供を持ちたい、育てたいという想いは強いです。
(中略)
不安もあります。
結婚せずに妊娠したら職場の人や知人もびっくりするでしょう。
誰の子?結婚は?と質問攻めにもあうと思います。
そのときは「交際相手と別れたあとに妊娠が判明した。年齢的なこともあるしこれが最後のチャンスだと思うから産むことにした」と説明するつもりです。

現在はひとり親家庭も多いですし、子供が育つ環境は両親がいれば
完璧というわけでもありません。両親が不仲でいがみ合っているなかで
育つよりも、ひとり親でも子供のことを第一に考えて大切に育てるほうが
良いのではと思うこともあります。

選択的シングルマザーについて | 妊娠・出産・育児 | 発言小町 (yomiuri.co.jp)

■批判コメント(一部抜粋)
・男性の事や子供の事何も考えてないよね 
・子どもは親を選べません。生まれたときから婚外子というハンデを背負います。そこをよく考えて決断して欲しいです。
・男性と暮らすのに抵抗ある人が、子育てだけは立派に出来るものでしょうか?
・たとえ不仲であっても、もともと両親がいる中で生まれたかどうかによって、子供の精神的支柱のようなものが全く違うと思います。

今はこの掲示板の書き込み当時より理解が進んでいると思いたいけど、やっぱりなかなか世の中に受け入れられるのは難しいのかなと感じる。批判する方の言わんとすることも分かる。
一定数の賛同者がいても全員に理解してもらうのは難しいだろう。
そんな中でも実際にこの決断をして母親になっている女性は強く逞しいと思う。

結婚も出産も何が正しいのかは分からない。

家族をテーマにした本を最近2冊程読んだ。
「そして、バトンを渡された(著.瀬尾まいこ)」
「汝、星のごとく(著.凪良ゆう)」

今回は選択肢のひとつとして
選択的シングルマザーについての話を書いたが、
これらの本の中に出てくる家族の形もそれぞれで、
私の知らない家族の形も多くあるのだろう。

家族の話は当事者間で複雑に絡み合った話がある。
第三者が一面だけを見て否定して良い話ではないと思っている。
批判は貴重な意見ではあるが、
他者の家族を批判するなら、想像力を持ち
一度それなりに考えてから批判するべきだと思う。

追記で大分文量が増えてしまったので、今回はこの辺で。

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