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過眠症患者の取り巻く環境と、時間の経過

改めてお話しします。
私は、22年間患っている病気があります。

【特発性過眠症】


と、いう病名です。
最初に、ナルコレプシー及び特発性過眠症という ”過眠” を伴う病気について簡単に説明させて下さい。

この病気は、日中、いかなる場面であっても耐えがたい眠気に襲われ突如眠ってしまう。
そんな、症状をもつ病気です。

そしてなにより、認知度の非常に低い病気で、知らない方が殆どというのが現状です。
治療法も無く、指定難病にもなっておらずこれといった支援もありません。

私は、少しでも過眠症患者が生きやすい社会にできないか微力ながら発信を続けています。

事後報告になりますが、一週間程前に下記のようなアンケートをTwitterにて行いました。
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過眠症(ナルコI,II,特発性過眠症)の方にアンケートです。
項目の中で今現在、生活していて  ”一番”  困る事はなんでしょうか?
1.誤解と偏見による誹謗中傷
2.仕事や勉学に支障
3.薬が高い
4.病院が遠い
5.車の運転
6.周りの人とのコミュニケーション
7.記憶力の低下
8.精神の不安定

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と、いった内容です。

40件を超える回答を頂きました。

ありがとうございました。

1. 今回のアンケートの意図
2. 20年前と環境は大きく変わった
3. 変わらない現状と、私の危惧しているところ

まず、結論から言わせて下さい。

例え病気が治らなかったとしても、せめて自分たちで生きやすい環境を作る。
そのためには、

・声を上げなければならない
・健常者の中から、味方(理解者)を増やしていく

です。

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1. ▼今回のアンケートの意図———————————————

今回のアンケートの意図は、タイトルのとおりナルコレプシーや特発性過眠症といった “過眠症患者”  の置かれている現状(困っている内容)が、私が特に症状に困っていた20年前と少しずつズレがでてきているのでは?と、思ったからです。

このズレが大きかった場合、私が発信する内容は、もはやただの年寄りの愚痴でしかなくなります。

それでは、なにも意味がありません。

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2.▼ 20年前と大きく環境は変わった
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当時(20年前)とは大きく環境が変わりました。
一つは、インターネットの普及、特にSNSによるものが大きいかなと思います。

これにより、過眠症患者の孤独感は随分と緩和したと感じています。(私もその一人です)

そして、最新の情報も個人で簡単に入手できるようになりました。
文献もインターネットも無かった当時の ”何もわからない”  という不安は随分と払拭されとのではと思っています。

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3.▼変わらない現状と、私の危惧しているところ
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アンケートの結果は?

【2.仕事や勉学に支障】

が、ぶっちぎりでした。
この結果は、今も昔も全く変わっていません。

とはいえ、これは現在でも治療法が確立されていないので致し方ない部分もあるとは思うのですが⋯⋯。
ここは医療機関にお任せするしかありません。(勿論、丸投げではなく協力できる部分は協力していきます)

私が危惧しているのは 

【1.誤解と偏見による誹謗中傷】

これも、残念ながら昔と相変わらず変わっていません。
Twitter等でも、心ない誹謗中傷にあった方や解雇に怯える声をよく目にします。

これに関しては、大いに反省しています。

啓蒙啓発にもっとしっかり力を入れていく事ができていたなら、今の若い世代の過眠症患者の方達にもっと生きやすい環境が用意できていたんじゃないか?

そう、思うのです。


▼逃げた先に待つものは?

当時(20年前)の私は、目の前のことで精一杯。
自分の事で精一杯。
いえ、自分の事すらままならず、起きている⋯⋯目を開けているだけで精一杯の日々でした。

そんな時、職場の上司に病気の事を伝えた事があります。
すると⋯⋯

『そんな都合のいい病気聞いた事がない。眠くなる事を病気だと言い出したら全員病気だ!眠いのはお前だけじゃない!甘えた事を言うな!子供じゃないんだから、自分で対策しろっ!』

と、一蹴されたのです。

当時は、インターネットもまだ普及しておらず、文献も不眠症の本ばかり。

私の手元にあったのは、病院で入手した”ナルコレプシー”と書かれた小さなリーフレット一枚だけ。
とても、特発性過眠症の説明などできませんでした。

それ以降、この病気の事を、”辛い”という事を周りに伝える事をやめてしまったのです。


・話したところでどうせ信じてはもらえない⋯⋯
・伝わったところで、今度は使えない人間のレッ        テルを貼られてしまう⋯⋯
・普通の人間なんだと、演じ切らなければ⋯⋯

と、必死に隠し通してきてしまったのです。

そこからは、本当に辛く、精神を削る毎日でした。
私は、向き合う事から逃げました。
しだいに、生きる事からさえも⋯⋯
楽な方へ、楽な方へと⋯⋯。


今思うと、それが大きな間違いでした。

この病気は、本人にはなんの非もありません。
後ろめたく思う必要なんて、本来無いはずなのです。

喘息の発作や、心臓発作を起こしている人を咎める人はまずいないですよね?

私たちの眠気も “睡眠発作”  同じ発作なのです。

では、知らない無知な健常者が悪いのか?

それも違うと思います。

医者ですら知らない方が多いのです。
結局のところ、病気の事は本人達にしかわかりません。

病気を持つ人が、無理をして健常者に合わせてコソコソ生きていかなければいけないのはおかしい。

やはり、本人達が伝えなければ、発信していかなければ何十年経ってもこの現状は変わらないのだと思います。
とはいえ、身の回りの人達に説明し続けるのは、大きな勇気とリスクが伴い簡単な事ではありません。

▼伝わった先に待つものは?

影響力を持つ方に届いた時、環境は一瞬で劇的に変わることをお話しします。

私の経験でお伝えします。

私は、今の会社(最初にバッシングを受けた会社から転職を繰り返し4社目)の社長に対面でお話しした結果、理解していただく事ができました。

とはいえ、10数年ほど前からの10年間に3度お話し、ようやくしっかりと届いたのです。

1度目は通院の為、急遽休みを頂かなければならなかった時、『病気で眠くなってしまう為、薬をもらいに行きたい。そして、この病気は治らない』という事を簡単に説明しました。
この時は、流し聞きされた感じです。

2度目は、数年後、伝えた割には対応がおかしいと思い、一度時間をもらい確認しました。
返答は、「あ〜、そんな話しとったなぁ。治ったんじゃないのか?」と、いったものでした。
そこで再度お話し、「ネットに詳しい事は載っているので一度検索して目を通して頂けますか?」と伝え、「わかった」という返答を貰いました。

3度目は、更にその数年後。減給された際の説明がどうにもおかしかったのです。
直感で『検索はしてもらえてない、理解されてない』と思いました。
今度は、社長の奥さんにLINEにて同じ病気の方のblogのURLを送り、社長と一緒に一度目を通して欲しい旨を伝え、翌日資料を揃え社長に説明に行きました。そこでの社長の返答は、

「ここまで、大変な生活しとるとは思わなかった。このblogを書かれてる方と君は同じような生活をしているのか?」

ここで、初めて本当に理解して貰えたのです。

基本的な症状は、寝てしまう事。
見た目では、全く深刻度合いは伝わらないという事がこの病気の厄介なところです。

そこからの待遇の変化は早かったです。

その話が終わると同時に、

・睡眠発作による遅刻は遅刻とカウントせず減給         もなし。
・業務中、自分のタイミングで仮眠を何度でも取りに行っても良い。体調が戻り次第現場に戻ればいい。

と、いうことになりました。

伝え方は、大切ですね。

▼身の回りを変えること。社会を変えること。

とはいえ、正直、身の回りの人たちに話して回り理解まで得るというのは膨大なエネルギーとリスクを伴います。

いえ、その前に自分自身で精一杯でそんな余裕はない方のほうが多いかもしれません。

そこで、提案があります。
身の回りの人ではなく、外の人達に発信してみてはどうでしょうか?

顔の知れてる人に話すより、随分と気が楽だったりします!!

第三者から理解者を増やし、社会全体を変えるのです。
ちょっと、オーバーに聞こえるかもしれませんが、要するにこの病気のことを知らない人の方が非常識になればいいのです。

AIDSで例えるとわかりやすいでしょうか?
いまだに、空気感染するだの、飛沫感染するだの言ってる人は少ないですよね?

自ら発信する事が苦手な方は、発信している方々の応援に回ってほしいです。

TwitterならRT。YouTubeや他サイトならシェアといった感じでしょうか?

数の力で、勝ちに行きますっ!!

例え少しずつでも、理解ある世の中、生きやすい世の中にしていけたら嬉しいです!!

発作に襲われウトウトしている時、かる〜くポンと肩を叩きながら『どしたぁ?また発作?』と、笑顔で起こしてもらえる環境になったら最高ですよね。

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私の場合は
Twitter     @saki_hazaki 
note        巴崎サキ

基本的に、この2つで発信しています。

そして、こちらでは体験談を小説という形で紹介しています。
※まだ、未完ですがまもなく更新します。
※どれも、内容は一緒です。

カクヨム 夢と現実と狭間の案内人 [特発性過眠症患者の日常とは]

ノベルアッププラス 夢と現実と狭間の案内人 [特発性過眠症患者の日常とは]

小説家になろう 夢と現実と狭間の案内人 [特発性過眠症患者の日常とは]

出来るだけリアルにわかりやすく書いています。
一読して頂けたら嬉しいです。
もし、『これはっ!』と、思って頂けたら感想やシェアお願いします。
全力で喜びます!!モチベ上がります!!

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その他

なるこ会の公式Twitter

YouTuber あこちちゃんねる(ナルコII型)
応援よろしくお願いします!!

以上です。
長々とお付き合い頂きありがとうございました😊


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