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#045.夏の日の1993。

自己ベストを更新する話。

初めてブログを書いたのは、4年前のこの季節。日本酒好きが高じて利酒師の資格を取り、日本酒を飲む人を増やしたくて書き始めました。その辺の話はいつか詳しく書こうと思いますが、今日はそのことではなく…

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昨日、連続記事投稿が21日になりました!!イェーイピースピースお母ちゃん見てる~♪

酒ブログの連続投稿記録が20日だったので、それを上回ることができました~!!新記録達成です!!

読んでスキしてコメントをいただいた皆様のおかげです!!ありがとうございまーす!!反応があるって、見えるって、いいっすねぇ。

…振り返れば、記録とは無縁の人生ですが、唯一誇らしい記録だなと言えるのは、中3最後の陸上大会で出した走高跳びの自己ベスト。

今日はその思い出を少々語らせていただきます。

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3年間、練習に明け暮れた。

朝練、夕練、土日も休まず練習練習。

ともに励んだメンバーたちは、地区大会で優勝したり近畿大会で入賞したりと華々しい活躍。いっぽう、僕は地区大会で入賞もできないような成績。当時は今より身長も低かった(160㎝そこそこかな?)し、カラダのハンデが克服できなかった。

それでも、集中力を高めて助走をつけ、思い切って踏み切って、宙にカラダを浮かべる一連の流れがたまらなく好きだった。

激しい練習を終え、流行りの恋歌をテレビで聞きながらリビングでうたたねする日々。1993年の夏。思春期真っ最中で、女の子と目も合わせられないけど、いつかこんな風に恋をする日が来るのかな、なんて思っていた。

そして、最後の大会当日。

150㎝から試技がスタート。5㎝刻みでバーが上がる。1回目、2回目、問題なくクリア。そして、当時の自己ベストである160㎝の試技になった。

今日は調子がよさそうだ。軽いステップで助走に入り、徐々にピッチを上げる。9歩目。体を沈めて左手を振り上げる。背中をそらせて空を見る。マットがカラダを受け止める。バーを見る。落ちていない。

自己ベストに並んだ。少し興奮しているけど、いつもより心が静かだ。他の選手の試技を横目に、息を整え再び集中に入る。緊張しすぎず、リラックスしすぎず、ちょうどいい感じ。そして、バーが165㎝に上がる。

名前と番号が呼ばれる。ハイと返事をしてスタート位置に向かう。10m先のバーを見る。何度もチャレンジして、一度も飛べなかった165㎝。まるで高い壁のように感じていたバーが、今日は少しだけ低く見える。

風の音がやんだ。

今までに経験したことのない感覚に、僕はいた。音も、光も、すべてがあざやかだ。僕という存在は、ただ、高く跳びたいという意思そのものになっていた。

一歩、一歩とバーが近づく。周囲の景色が後ろに流れていく。最高潮のスピードをのせ、全身全霊で右足を踏み切る。瞬間、時が止まる。

はっと我に返る。マットに背中がついている。背中にはバーをこすった感触。バーはどうなった?

上下に揺れている。落ちるのか、落ちないのか。

数秒間の静寂。

バーは残った。白旗があがる。

左拳を握りしめ、胸の前で小さく動かしながら、腹の底から湧き上がる喜びをかみしめた。

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結局、試技回数の差で4位だったので表彰台には上がれなかったけど、3年間頑張った結果が自己ベストの更新という形になって、満足でした。

父が望んだ野球部には入らず、選んだのが陸上部でした。反抗期もあったのでしょうが、自分が選択した道で結果をだせたことが、自立への大きな一歩になったと思います。

3年間、毎日がんばった日々と、無になって宙を舞った瞬間が、今も私を支えています。


最近、チャレンジしていること、ありますか?

ほな、また。


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