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日本酒が値上がりする理由は原材料などの価格高騰が影響していた!

「日本酒を、もっと身近に」という理念をかかげながら活動している日本酒メディア・コミュニティ『酒小町』。今回は「日本酒が値上がりする理由」についてお話していきます。 

このマガジンでは、日本酒の豆知識をわかりやすく、ちょっと飲んでみたくなるようなコラムを書いています。

日本酒が好きという人はもちろん、日本酒がはじめてな方、好きで飲んでいるけど専門用語まではちょっと…という方、これから日本酒を勉強してみたい!という方、ぜひお酒を片手に読んでいただけると嬉しいです。

ただ飲むだけでもお酒は美味しいですが、少し知識をいれるだけで普段飲む日本酒が更に美味しく、楽しくなりますよ! 

ゆるゆる日本酒教室、今回は【日本酒が値上がりする理由】です。

2022年秋頃から、さまざまな物の値上げが続いています。

その背景には様々な社会情勢が関わっています。

みなさんの生活にも影響が少なからず出ていることでしょう。

お酒、日本酒の業界にもご多分に漏れず影響が現れており、日本酒そのものの値段がじわじわと上がってきています。

よく日本酒を酒屋さんで買う人は「あれ?この銘柄、こんなに高かった?こんな値段だったっけ?」と感じることが多くなったことでしょう。

例えば、1500円の四合瓶が10%値上げ、となれば、1650円になります。
100−200円近くプラスになると、だいぶ印象が変わりますよね。

なぜ値上がりするのでしょうか?

また、どのようなことが関わっているのでしょうか?

今回は日本酒の値上げに関わる要素についてみていきます!


需要と供給のイメージ

まず、前提として需要と供給というイメージをおおよそで掴んでおきましょう。

◆需要

その“モノ“が欲しい人が増えれば、その“モノ“は高くなる
その“モノ“が欲しい人が減れば、その“モノ“は安くなる

◆供給

その“モノ“の量が少なくなれば、その“モノ“は高くなる**
その“モノ“の量があまれば、その“モノ“は安くなる

「人気ブランドの一点モノ」は高く、「誰でも手に入れられるくらい大量生産されている百均の商品」は安い、といわれれば、直感的にわかるのではないでしょうか。

このようなニュースにもあるように、値上げの理由として「原材料や資材などの価格高騰」ということが触れられています。

確かに、モノの値段にかかわる物というと直感的にイメージしやすいのは原材料費ですね。


どこにコストがかかってくるのか…

まず、日本酒の原材料といえば、お米。

お米が天候不順や自然災害で想定していた収穫量より少なれば、値段は高くなります。

また、もともと生産量が少ない貴重なお米の品種であったり、メジャーな品種でも高品質なお米を使えば、その分比例して日本酒の値段はあがっています。

しかし、日本酒の値段に関わるものはお米だけではありません。

前述したニュースでいう、「資材など」の部分ですね。

昨今の電気・ガス・水道などのインフラの値上げは、当然お酒造りにも影響しています。

お酒を造るにももちろん光熱費がかかっています。

すごく当たり前のことですが、「言われてみれば」という方もいるかもしれません。

例えば、お酒を造る時には様々な機械を使っています。

当然、それを動かすのには主に電気が必要です。

電気代があがれば、これまでと同じ作業をしても、これまでではかからなかった(存在しなかった)コストがかかる、という状況になります。

また、お酒を詰めるための酒瓶や、酒瓶の蓋、瓶に貼るラベルの紙・シールなどにもコストがかかっています。

これらの値段が高くなれば、その分トータルの値段にも影響しますよね。
そして、お酒を出荷・運送するには、ガソリンなどの燃料費も必要です。

様々な要素の値上げの積み重ねが最終的に形になるのが、商品の値上げ、ということです。

元々の値段を維持しようとすれば、上記にあげた要素のどこかに皺寄せがきます。

それは巡り巡って、お酒の品質を下げることにほかなりません。

お酒造りに必要な費用をちゃんと回収し、利益を出してもらわなければ、酒蔵としての経営が成り立ちませんからね。

我々のような消費者の立場でみれば、目の前の値段を見て「高い」といって買い控えてしまえば、ゆくゆくは日本酒の供給そのものが不可能になってしまいます。

日本酒を買うとき、楽しむときに必要なこと

今回の値上げの対応で「日本酒が高くなった」という人がいる一方、「いや、これまでの日本酒が安すぎたんだ」、という声もあります。

日本酒を買う時・楽しむ時には、様々な背景を鑑みて、ちゃんと対価と敬意を払いたいですね。


なお、第30回【日本酒の提供お値段】では、お店で日本酒を注文する際の値段について触れました。

お店で提供する以上、お店としての利益を出さないといけません。

お酒を出すサービス料、仕入れた労力、保管している時の光熱費、人件費、お店の維持費などを考えて、値段が上乗せされます。

元々の日本酒の仕入れにかかる値段が上がれば、その分を提供する値段にやはり上乗せせざるを得ませんね。

飲み手が日本酒の値上げを最も体感するのは、居酒屋さんでメニュー表を見る時なのかもしれません。

それでは今回はここまで!


日本酒コラム『ゆるゆる日本酒教室』

日本酒コミュニティ「酒小町」

20代から30代の「お酒の場と、交流が好き」な人たちが集まる日本酒コミュニティ『酒小町』。「日本酒好きのあそび場」をコンセプトに、年齢も職業もバラバラの個性豊かなメンバーが乾杯するだけでなく、自分たちであそびを企画したり、日本酒について学んだり......誰もがホッと一息ついて自分らしくたのしめるようなサードプレイスをつくっています。


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コミュニティ内にはこのnoteのように、講義の形でない日本酒の知識を唎酒師さんがゆるゆる共有してくれるコラムがあります。美味しく、楽しくをメインにしていますが、こんな風に日本酒の知識を身につけながら飲むお酒もまた格別ですよね。

今回コラムを書いてくれた社会福祉士×日本酒学講師のダイゴさんのnoteはここから読めます。日本酒以外の話題も含め、優しくてわかりやすい文章が特徴です。


酒小町制作メンバー

執筆:ダイゴ|社会福祉士×唎酒師・日本酒学講師=Sake Social Worker(note
ディレクション:関谷サイコ(Xnote
企画:卯月りん(XInstagramnote
編集:makio(Xnote)

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