【ショートショート】ファイヤーフォーメーションラーメン
窓の外はとうに黒い深夜一時過ぎ。ドラマの一気見を嗜む俺達。テーブルの上のグラスは外側で水滴を滴らせるも、中身は空。並んでいたチーズも綺麗になくなり、役目を終えた皿は画面の光を鈍く反射させている。
画面の向こうでは仕事での失敗に悩んでいた主人公が、涙を流しながら屋台のラーメンを啜っていた。そしてそれを見て隣の彼女の腹が、ぐうーっと一鳴き。
「ラーメンすっごいおいしそう」
「だろうな。腹鳴ってるし」
「いちいち言うな」
口を尖らせた彼女に脇腹を小突かれ、「いてぇー」と感