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Gold Pandaで夜を彷徨う

夜のウォーキングのお供に、Gold Pandaの曲をよく聴いている。
Gold Pandaはイギリス出身のエレクトロミュージシャンだ。

彼が作る音楽は無機質に聴こえる反面、メロディにどこか人間味があったりして不思議な感覚になる。
曲を聴いてイメージするのは、夜のやるせなさや暗闇のやさしさ。
とにかく「夜」が似合うアーティストだと思う。

昔、大阪の小さなライブハウスで彼の来日公演を見た。
正直お客さんは少なかった。
海外アーティストなのに、なんとコンビニで発券したチケット番号が「1番」で驚いたのを覚えている。
ライブ自体はとてもフレンドリーで、サービス精神溢れるライブだった。

彼は親日家でもあり、一時期は関東に住んでいた。
曲のタイトルにも「Enoshima」や「Chiba Nights」など、日本を連想するものもあったりで、とても親近感が沸く。

とにかく深夜の暗闇に寄り添うような、不思議で美しい音楽だ。

今回はほんの少しだが、個人的に好きな曲を3つ紹介したい。

「You」

デビューアルバム「Lucky Shiner」から。
おそらく彼の曲のなかで一番知名度が高いかも。
独特なビートに「You」と繰り返されるフレーズ。
まるでおもちゃの万華鏡の中に入ったかのようだ。

「Snow And Taxis」

同じく「Lucky Shiner」から。
彼の曲の中でも比較的アップテンポなクラブナンバー。
緊迫感の中にどこか可愛らしいシンセが鳴り響く。
タイトルのように、タクシーが行き交う雪道を思い浮かべながら聴きたい。

「Time Eater」

私がGold Pandaのなかで一番好きな曲。
物悲しいエスニックな香りがするフレーズが印象的だ。
この曲のPVには、さまざまな「夜に働く人」が登場する。
私たちは食べるために時間を仕事に浪費していく。
まさに仕事は「Time Eater」だ。
働くことの厳しさが醸し出す不穏でせつない空気が漂っている。

以上、一つ言えるのは、Gold Pandaはどの曲も「夜の徘徊」にピッタリだということ。
彼の曲をイヤホンで聴き、物思いに耽りながら夜の街を散歩すると世界が少し違って見える。






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