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【映画感想文1】発明家エジソンvs実業家ウェッチングハウス&テスラの電気戦争「エジソンズゲーム」

電球をはじめとして数々の画期的な製品を発明した、天才発明家として有名なトーマス・エジソンであるが、実業家としての面は意外と知られていない。現存するアメリカ企業GEもエジソンが創業者である(なぜかジャック・ウェルチ氏は有名だがあまり知られていない)。エジソンは電球をアメリカ中に普及させようとした。

この映画はエジソンvsウェッチングハウス&テスラの電流戦争の物語である。エジソンは直流方式を選び、ウェッチングハウスは交流方式を選択した。エジソンはそれまでの自分の発明から直流にこだわり続けた。しかし交流の方がコスト面や効率の面で勝っており、今日の世界を見ればそれは明らかである。現代の感覚で考えると当時直流発電機しかなかったのは不思議であるが、当時は有効な交流発電機しかなかった。

全体的にエジソンが悪役のように描かれているように見えたのが、エジソンを尊敬する自分としては不満である。交流を危険だとアピールするネガティブキャンペーンはちょっとあれだが、技術者として安全性を考えるのも当然といえば当然な気がする。絶対ウェッチングハウスも悪いことしてと思う。テスラもエジソンに嫉妬されて排除されたと言われるが、それも本当かと疑念がある。

エジソン、ウェッチングハウス、テスラによって電気というエネルギーは価値が与えられたのかもしれない。現代社会においても電気の用途はほとんどが照明とモータである(今ではバッテリーや半導体もあるが)。この三人によって照明と発電機とモータが一気に実用化され一般に普及した。

皮肉なことに電流戦争に勝利したウェッチングハウスよりエジソンの方が圧倒的に有名である。日本人にとってはウェッチングハウスは東芝を陥れた会社として記憶されている。テスラは発明家としてより磁力の単位と電気自動車メーカとしての名前の方が有名である。

余談

新型コロナで大分警戒されているが、ジブリの代表作4作も映画館で上映されている。是非この機会に見に行ってはいかがだろう。ただしマスクは必須で。


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