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【フリゲ感想】絶対零夜ノ殺人

この記事の文字数は約4,700字です!

おはこんにちばんは! 富井サカナです。
なんだか年末に向けて日に日に寒くなっていますよね。
寒い冬のおともにピッタリなゲームを紹介します。

1.どんなゲーム?

今回紹介したいのは、出雲セリカさんの「絶対零夜ノ殺人」です!!

【制作】出雲セリカ
【制作ツール】ティラノスクリプト
【プレイ時間】一周:2~3時間程度、完全攻略:5~7時間程度
【ジャンル】脱出不可ホラーサスペンスノベル
【KW】サスペンス、恋愛、サウンドノベル 、ホラー
【筆者プレイ時期】2022年12月にプレイ
【筆者プレイ状況】フルコンプ
【エンド数】BADエンド×9、生存エンド、解決エンド、特殊エンド
【特記事項】noteにて攻略情報を公開中(以下)

【あらすじ】
『生存確率、絶対零度――』
主人公の和也は、平凡な高校2年生。
友人にせがまれ、一緒に北海道旅行へいくことに。
しかし、当初の予定とは打って変わり……。
あげくの果てには、雪山で遭難してしまう。
猛吹雪の中、運よく避難できる場所を見つけた和也たち。
しかし、そこで待っていたのは――。
犯人の正体は……!?
そして、彼らの運命は……!?

【一言でいえばどんなゲーム?】
かま〇たちの夜リスペクト系の全画面ノベルゲーム



2.こんな方に特におススメ!

・全国1億人超の全画面ノベルゲーファン
本作は文字を全画面表示するタイプのノベルゲームです。この形式は昔のサウンドノベルやビジュアルノベルに熱狂した身からするとやはり実家のように落ち着きます!全画面ノベル最高!!


・全国1億人超のミステリーファン
しかも本作はタイトルの通り殺人事件が発生します。そして舞台は吹雪く雪山にある山荘!全画面ノベルで!部隊が冬の雪山で!殺人事件!これはもうみんな大好きなあのゲームを彷彿とさせます。侵入者がいないか家の中を創作するシーンがあったり、途中で地下室の存在が露わになったり、類似イベントが起きるたびにテンあげ間違いなし!なお、一応私も断っておきますが、本格ミステリとしてではなく、ミステリ色の強いエンタメ作品と認識した上でプレイするが吉です!


・全国1億人超のマルチエンディング長編ゲームファン
本作はマルチエンドです!全部で12のエンディングが楽しめます。大半はデッドエンドで、展開によって後味悪めに助かったり、解決して終わったり、かなり変わった着地をしたりします。自力で全エンドを見るのは大変とは思いますが、攻略情報はWEB上でアクセスできるので安心です。


3.ネタバレなしの感想

ここではネタバレなしの感想を記載します。
ノベコレでの私の感想+補足という形にします。

👇こちらはノベコレでの私の感想へのリンクです
ゲームのプレイ・DLページへのリンクを兼ねています

本作、予め作者さんサイドから「推理モノではない」というメッセージをひしひしと感じておりました。おかげでどんな展開があっても受け入れる準備ができていたとともに、ミステリー要素も存分に楽しめました。予備知識ゼロでプレイするより良かったかな、と思いました。以下、ネタバレ排除した上での補足となります。

システム周りの配慮の数々
具体的には以下のような部分がとても良いと思いました。
・エンディングリストから見られるママンのヒント
・登場人物のセリフが男女別に青赤色で表示される
・いつでも登場人物紹介が確認できる
 (しかも情報が状況によってこまめに変わる)
・いつでもMAPが確認できる
・文字がかなり大きめ
 (個人的にはもう少し小さい方が好きだけど確かに読みやすいし慣れる)

○犯人当てシーンが楽しめる
やはり犯人が誰か、というのは文字入力したいところですよね!
というわけで犯人当てシーンが実装されていますよ!

さてさて、というわけで諸々踏まえて未プレイの方は遊んでみてください。改めてプレイ・DLのページのリンクを貼っておきます。


ちなみに作者さんの攻略サイトを見てもイマイチ分からない!という方にはより直接的な情報のある以下ページも併せておススメです。ポンコツな自分はこの記事がなければクリアできていなかったかもしれません。ネタバレの記載場所は十分に配慮されていますので、プレイ前に攻略情報以外の部分は参照してみてはいかがでしょうか。



4.ネタバレありの感想

というわけでここからは完全にネタバレを含みます。
未プレイの方はプレイ前の参照は控えてまず遊んでください!
各エンディングにつき思いっきり言及しています。



↓ネタバレ記事開始カウントダウン5

↓ネタバレ記事開始カウントダウン4

↓ネタバレ記事開始カウントダウン3

↓ネタバレ記事開始カウントダウン2

↓ネタバレ記事開始カウントダウン1

オカルト設定について
本作が本格ミステリです!という宣伝文句だった場合は納得がいかない展開だったかもしれませんが、予めそのあたりは配慮されていたのでミステリ好きとしても全く問題なく楽しめました。むしろ、中盤で宗教の話がどーんと出てきたところではむしろ一気にストーリーに引き込まれました。死体をズタズタにしたのがリアル化け物という部分についても、エンタメ系ミステリでも普通に何度か見たことのある展開ですので違和感は全くありませんでした。


エンディング
ここからは本作の生存エンド(エンド10)、解決エンド(エンド11)、特殊エンド(エンド12)に関しての感想です。結末にも言及しておりますので、改めて未プレイの方は立ち入り禁止とお伝えします。エンド10以降は全てエピローグがついているの、豪華で良いですよね。たまにこの形式を取るマルチエンド作を見掛けることがありますが、明確なTRUEを1つにせずに複数の結末にその後を用意するのは内容によっては大いにアリだよなぁ!と思います。


・生存エンド(エンド10)
このエンディングは非常に痺れました。化け物と相対して倒すことはなかなか難しいと見るや、すずを助けるために全振りするまさかの選択を行う主人公。マルチエンドな作りにできるゲームだからこそ描けるルートのように感じました。最後に活用するアイテムを選んだ時点においてももう少し上手いこと立ち回るのかなと思っておりましたが、電気も消えている状態で化け物だけに気付かれないように他の人たちだけ上手く助けるなんて無理ですもんね。凄い決断力だと思いました。ただ、化け物の存在なんて証明しようがありませんから、生存したとしてもその後捕まって死刑にならないか心配になりました。なお、エピローグの最後の演出はカッコ良かったです。
ちなみにこのルートまでは頑張れば自力で解けるべきでしたが、ヒントを見てもさっぱり正解に辿り着けずに直接的な答えを見てしまいました。残念!生存失敗!!


・解決エンド(エンド11)
このエンディングが勝手にTRUE ENDというイメージでいます。犯人の正体をビシッ!と当てるとこのルートに突入することができます。本作の設定の大部分が明かされることもあってTRUE感を強く感じたのかな、と思います。序盤からずっとすずをメインヒロインだと思っていたのですが、本編終盤からグイグイと水町のエピソードが出始めて、エピローグの最後では完全に差し切ってメインヒロインレースを差し切る水町が華麗でしたね。ゲーム内ではすずとのエピソードが多く感じますしエピローグ開始時点ではすずを好きだったようですが、水町こそが過去エピソード含めて完全にメインヒロインの風格がありました。
他の方の感想にもありましたが、ミステリだと思ったらオカルトホラーだと思ったら王道ギャルゲ的な設定および展開と、本当にジャンル横断的なエンタメ作だなぁと感じました。もちろんてんこ盛り感はありますが、あまり取っ散らかっていたり悪い意味での唐突感はなかったので、上手くまとめられたんだなぁ、と思いました。ちなみに犯人は全く分かりませんでした。うぎゃあ!


・特殊エンド(エンド12)
このルートの犯人当ては割と楽勝だと思います。ただ、犯人は勘で当てられてもその後が難しすぎる!作中でヒントありましたっけか。当然のように3度目のカンニングを行って拝見したこのエンドはとても印象的でした。最後の最後の選択肢演出はとても良かったと思います。私は「よし!これは様子見だな!敢えてね!」と思っていたところタイトルに戻されました。くっ!チキン野郎に見せるエンディングはないってか!?というわけでその後に無事にエンディングに到達したわけですが、死後の世界があるのとあんな感じで死ねるなら死んでみるのもアリですね。
まあ来世で結ばれるならそれもまた一興だな!よしきた!と思っていたらまさかの双子。これはむしろ悲劇な気もしますが、そもそも主人公とすずの絆も身内の絆なので恋愛関係にならなくても良いのかもしれません。



■ちょっと気になった点
何か感じた時はきちんと書いておこう、というスタンスです!
そもそも個人的には全体的にメチャクチャいいな!と思うほど、
気になる点が気になったりするんですよね。(自分だけ?)

〇飛行機事故(中盤まで)
最終的には全く気になっていないのですが、中盤でオカルト設定が露わになるまでの間はずっと冒頭の飛行機事故~屋敷で合流の流れが気になってました。雪山に墜落したところでそんなに都合よく助からない。助かった全員が全くの無傷というのはありえない。生存者の会話や雰囲気が大事故の生き残りにしては悲壮感が一切ない。みたいな部分が流石にリアリティに欠ける!という感覚です。
但し、中盤以降でそもそも本作の根幹がフィクションだということが分かってむしろ腑に落ちました。意図されていない場合はただの深読みですが、冒頭の飛行機事故からの生存というイベントを持ってきたのは「この作品がフィクションだ」という明確なメッセージだったのだとむしろ思いました。最後に事故現場に戻ってくるシーンを見た時には、そりゃ不思議な力が働いてたっていう明確なサインだよな。気付かなかった自分がダサかった、失礼しました。となりました。

〇男女のセリフの青赤表示
まさか単なる読みやすさ向上のためのシステムだとは思いませんでした。男か女か判別付かず的なキャラがいるとか、声で男女を誤認させることが犯人と関係するようななんらかの叙述トリック的なことがあるとか、少し構えてしまいました。よく考えたら文字だけで「女みたいな声を男が出してアリバイトリック」みたいなのをやられても非難轟々ですよね。集団で会話するシーンで地味に読みやすくなった気もするのでこれはアリだと思いました。

〇未消化設定
設定について本編やエピローグで消化しきれずに、おまけの形で明らかになる部分がちょっと多めかな、と感じました。ただ、いずれも超重要な設定ではないように感じたのでこちらもあくまでちょっと気になった程度です。


ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯



5.おわりに

というわけで「絶対零夜ノ殺人」の感想はこれでおしまいです。

文章に癖がなく、様々な展開が楽しめる一作でした。制作についての今後の展開などの情報はあまり見当たらないのですが、メチャクチャ無責任なことを言うと2作目、3作目とぜひ全画面ノベルを作って欲しいところです!
(もちろん違うジャンルでも良いですが)

以上、富井サカナでした。


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