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【フリゲ感想】回顧、来ぬ

この記事の文字数は約3,600字です!

おはこんにちばんは! 富井サカナです。
今回はプレーヤーにとても強い印象を与える一作のご紹介。
尖った!個性的な!唯一無二な!怪作!と感じました。

1.どんなゲーム?

今回紹介したいのは、らいてうファミリーさんの「回顧、来ぬ」です!!

【制作】らいてうファミリー 様
【制作ツール】ティラノスクリプト
【プレイ時間】3~4時間
【ジャンル】長編・民俗ミステリー風ビジュアルノベル
【KW】ホラー、ミステリー、謎解き、田舎、夏休み、オカルト、青春
【筆者プレイ時期】2022年11月にプレイ
【筆者プレイ状況】フルコンプ
【公式サイト】

【あらすじ】
○岐阜をモデルにした超常現象×ミステリー フィクション○
「八種(はたね)町」に住む内向的な少女・紗羅紗は、中学二年の夏休みの登校日、不気味な怪物に襲われる。彼女の身が狙われるのは、彼女自身が町の女神「オシラヒメ」を演じる役に選ばれたことが関係しているようだ。

○国語の問題ふう? 物語を導く選択肢○
やがて紗羅紗は、町の神社の子息であり、紗羅紗がオシラヒメを演じることになる「白絹祭(しらきぬさい)」の祭主を務める青年・賢治郎と共に、土地に眠る謎を追うことに。二人は真実を手に入れて、​無事お祭りを執り行う事が出来るのか?

○回顧し、意図を手に入れろ。○
得た資料や、町で起こった過去の出来事を調べながら、考察しよう。
​大切な親友・いつきの住む町を守る為、紗羅紗は夏を奔走する!

【一言でいえばどんなゲーム?】
シナリオとグラフィックの相乗効果で異彩を放つ因習オカルト系ゲーム


1,000DL記念で紹介ムービーも制作されたようです!



2.こんな方に特におススメ!

・和風オカルト・民俗ミステリー好きな人
本作は養蚕業で栄えた田舎を舞台にしたゲームとなります。
古くからの因習や土着文化・信仰がストーリーの中心に据えられています。
根幹となる設定の数々が非常に緻密かつリアルに定められているため、
ゲーム中に起こる超常現象の数々の説得力も強く感じました。
作中で触れられている通り超常現象には法則・ロジックがありますので、
真相を明らかにする流れはまさにミステリー要素にも溢れていました。


・オリジナリティ溢れる作品をプレイしたい人
本作は文章もグラフィックも非常にレベルが高いのですが、
上手いとか完成度が高いとかいう以上に訴えかける何かが詰まっています。
適切に言語化できないのが非常にもどかしいのですが、
他の何かに似ていないというか、独創性や個性を強く感じました。



3.ネタバレなしの感想

ここではネタバレなしの感想を記載します。
ノベコレでの私の感想+補足という形にします。

👇こちらはノベコレでの私の感想へのリンクです
ゲームのプレイ・DLページへのリンクを兼ねています

ネタバレなし感想で言うと上記のリンクの感じです。
noteでも紹介するつもりでいたので少し短めにまとめたつもりですが、
割と珍しく感じたことをそつなくまとめられた納得の感想(?)です。
読み返すとこのくらいの長さが読みやすい限度という気もしました。

とても印象の強い、優れた長編作ですので是非プレイしてみてください!



4.ネタバレありの感想

というわけでここからはネタバレを割と含みます。
未プレイの方は必ず先にゲームのプレイをどうぞ!


↓ネタバレ記事開始カウントダウン5

↓ネタバレ記事開始カウントダウン4

↓ネタバレ記事開始カウントダウン3

↓ネタバレ記事開始カウントダウン2

↓ネタバレ記事開始カウントダウン1

と、既にnoteでのレビューが存在しているのを確認しました!
こちらのレビュー、とても内容がまとまっていて魅力も伝わってくるので、
未プレイの方は今すぐゲームをプレイするか、
以下のレビューを見て興味を持ったところでプレイしちゃうのが吉です!

私がnoteの感想・紹介記事をまとめている理由は
・こりゃ面白い!と思ったゲームを更に多くの人に遊んで欲しい
・こりゃ面白い!と思ったゲームを自分のプレイ記録として残したい
・こりゃ面白い!と表明して作者さんが目にしてヤル気が増えたら嬉しい
に尽きるので、別に多くの人に私の感想を見てもらう必要はねぇです!
(感覚として上から5:3:2くらいのイメージでしょうか)
おっ、紹介されてるみたいだからゲームやろうっと、が一番嬉しいです。

どうでも良い注釈を入れてしまいましたが、以下より感想です。


〇設定・構成
集落の起源からきちんと設定しているのが素晴らしいと感じました。突然降って湧いて人の感情の隙間に浸透していくような新興宗教と違って(違うのは自分の認識かも)、土着信仰は古くからの生活と密着に関わっていることで現実味や説得力がググっと高まります。本作は中盤頃以降から明らかになっていく集落に伝わる宗教(シシン教)などもリアルに感じられました。また、信仰のお作法やオシラヒメにまつわるしきたり等々、詳細まで定められているのもリアルさを感じる大きな要因だったと感じます。

〇テキスト
タイトルからして蚕、絹ですから言葉へのこだわりを要所要所で感じました。地の文はそれほど癖がなく、和風、田舎といった要素の趣が存分にありつつ平易で読みやすいバランスの良い文章だったという印象です。一方で癖があるのは登場人物同士の会話。癖というか棘が凄くてはじめは若干とっつきづらさも感じましたが、気付けば妙味を感じてのめり込んでいました。クラスメイトたちとの会話は主人公の特異性があればこそというのが明確になってからはむしろコレシカナイ感を覚えました。

〇キャラクター
それぞれ一癖も二癖もあるキャラクターだらけです。はじめは突飛な人物たちだと感じましたが、特にクラスメイト達には各章で順繰りにスポットライトが当たる格好となっており、彼らの背景を知るにつけ言動や主人公に対する態度が腑に落ちるように感じられました。クセスゴなクラスメイトたちの中にあって正義感が強く行動力もある日野くにおが一番のお気に入りキャラ(そりゃ惚れるわ!)ですが、最後までプレイして振り返ると本当に主人公の成長度合いが凄くて主人公への愛着も沸くのが良いですね。引っ込み思案で主体性のなかった主人公がここまで芯の強さを手に入れたというのは中盤~終盤の熱中度にも大いに関わっていた気がします。主人公の成長という観点では実は王道系作品かもです。

〇グラフィック
本作の世界観・シナリオとの相性が抜群、というよりも本作の世界観は実はグラフィックにより形成されている部分の方が大きいのでは?と思える会心のタッチだと思います。長編作品の場合は各キャラの立ち絵+若干の差分と数枚のイベントスチルというような構成が一般的と思いますが、本作は盛り上がるシーンやオカルトシーンには特にふんだんにスチルが用意されていました。差分もたくさんあって臨場感も抜群でした。シナリオとグラフィックがどちらもがっぷりよつのガチ具合で素晴らしいです。モブのクラスメイト(黒田くん)の外見が出てきた瞬間に衝撃と強い引っ掛かりを感じましたが、後々に見え方の理由が分かった時にこれは秀逸な表現だなぁと思いました。

〇システム・UI
国語の文章題ふうという穴埋め部分の選択肢を選んでいくシステムは他で見たことがなく、良いアクセントになっていただけでなくプレーヤーが状況が整理できる意味でも良かったと思います。最終盤の超大事な選択の場合は間違えた時に即バッドルートを用意した方が良いのかも?と思った部分もありましたが、基本的に選択ミスがノーペナルティなのはテンポを損なわない意味で良いと感じました。また、章題の表示の仕方は印象的でしたし、区切りのタイミングでセーブ画面に自動で移行する点や持ち物がいつでも確認できる点なども配慮が行き届いていると感じました。UIの蚕モチーフも良かったです。
膨大な熱量のシナリオとグラフィックをきちんと堪能できるよう、全体的に丁寧な作りだったと感じます。



ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯



5.おわりに

というわけで「回顧、来ぬ」の感想はこれでおしまいです。

シナリオがこだわり抜かれた作品だろうという期待感でしたが、
グラフィック面での表現力とボリュームにも驚かされました。
サークルブログでは制作裏話なども見られるので是非ご参照ください。

ちなみにブログを拝見していたら現在新作を制作中とのことで、
「演出強化」「新たな試み」という言葉にも期待が高まります!


以上、富井サカナでした。


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