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東洋医学の考え方を用いた妊娠成功例①

東洋医学の特徴は、「全体性を診る」という事が大前提である事。
病院では、子宮の状態が良くない、体温が低い、栄養が・・運動が・・と言う話になると思うけど、原因は一つとは限らない。
肉体面も精神面も目に見えない部分も含めて全体性を診ることが、病気を治すにも、妊娠を成功させるにも必要な事だと思う。

4〜5年前、紹介により30代の女性と夫が一緒に来院された。
事情を話してもらうと、子宮内膜症やチョコレート嚢胞を抱えている事。
高額な体外受精などに何回もチャレンジしているにも関わらず、妊娠ができない事。医師からは妊娠の可能性はとても低いと伝えられた事を聞かされた。

夫婦ともに子供が好きで子供が欲しいと願い、様々な努力を行なってきたが、どうしても妊娠ができないと悩んでいた。


子宮内膜症やチョコレート嚢胞が不妊の原因なのかは分からないけど、その病気になるには何か理由があるはず。食生活や日常の過ごし方、仕事、人間関係、友人関係、親子関係などあらゆる事を質問し話を聞いてみた。


自分が診てきた中で、子宮などの生殖組織の病気になる原因で今まで多かったのは、食生活の乱れストレスだった。
食生活についてはここ数年、有機野菜などオーガニックを意識していたようで極端に悪い印象はなかった。食生活にも多少の問題点はあるなとは思ったけど、子宮内膜症になるほど悪いとは思えない。
(不妊で悩んでいる方はアイス、お菓子、乳製品の取りすぎの人が多いから注意)
何かしらの精神的なストレスが原因の可能性があると考えた。話を聞く中で一番引っかかったのは、母親との関係性。


母親は、全てを自分で決めないと気が済まない人だったようで、その女性は小さい頃から、「あれをするな!これをしろ!」と言うように指図され、自分らしく生きる事を表現できずに内に溜め込んだまま大人になった。
母親の話をしている時だけ異常に雰囲気が代わり、本人は気付いていないのだろうけど、言い方は悪いけど鬼のように見えた。
怒りや恨みを持っているのがよく分かった。


子宮内膜症やチョコレート嚢胞の原因は人それぞれだけど、必ず骨盤周辺の血行不良が起こっているのは知っていた。
そこで身体を診てみると悪いところがたくさん見つかった。

子宮・卵巣・肝臓・腎臓・肺・心臓・視床下部・下垂体などの血流不良、背骨と体全体の歪み、骨盤のズレ、頚椎の歪み、頭部の固さ、下半身の冷え、気の流れの乱れ、体中の血液・リンパの循環不良など。
・・・この身体の状態では、妊娠などできる訳はないなと思った。
(もちろん夫の精子の問題の時もあるけど、今回は夫の身体を診た限りは問題なさそうだった。)


体の骨格・構造が崩れることで、自律神経や生理機能が全て機能低下を起こしていた。この方の子宮内膜症とチョコレート嚢胞、不妊についての僕の見解はこう。


ご自身が結婚し子供を意識し始めた頃から、ご自身の幼少期の記憶が蘇り、無意識も含めて「自分がされた事を自分の子供には全体にしない!」と考える。そうすると、嫌でも母親に対しての怒りや恨みが蘇る。母親への怒り・恨みのトラウマが呼び起こされ、生理機能を司る自律神経系が乱れだす。
日常で起こる様々なストレスも身体に異常を起こすけど、過去にあった忘れられないトラウマは、強烈に身体に異常を起こす事がとても多い。

交感神経幹(自律神経)は、背骨の横を走っているため、交感神経が乱れると背骨は歪みだす。副交感神経(自律神経)は、脳・背骨の中を走るため、背骨の中から内臓に行く神経の流れが狂い出し、内臓の機能低下を起こす。

内臓は、それぞれがホルモンを出して内臓同士でコミュニケーションを取って助け合っているけど、ほとんどの内臓が機能低下を起こしていたために、助ける事ができず、子宮内膜症やチョコレート嚢胞のように不要物(細胞から放出される老廃物など)を一箇所に集めて、何とか身体を正常に保とうと維持している状態だった。


当然、子宮にはちゃんと栄養がいかず、老廃物を回収する正常な機能を行えない。子宮自体が正常に機能していないのに着床し妊娠できるわけがない。



治療は、
身体全体のバランスの調整や、特に早急に回復させた方が良いと感じた所に血液が流れるように促す。そして、必要な栄養・不必要な食べ物のアドバイス、運動のアドバイスなどを行なった。
横になって治療を行いながら、母親に対して今思っている事、怒りや悲しみなどを全て口に出して話してもらった。身体の中にある毒出しをしなければ、良いものは身体に入っていかない。
話すたびに涙を流していたが、涙は身体の不要物も感情も外に出してくれるからドンドン出してもらった。
ある程度話をし終わった後、彼女の顔色は血流を帯び出して、表情も少しスッキリしてきた。立ち上がってもらったら、「身体が軽い!」と喜び、さらに表情が明るくなったように見えた。


そして、こう伝えた。
今から、もしくは明日でもいい。なるべく早くお母さんに会って、先ほど口から出した言葉を全てぶつけてきてほしい。妊娠したいなら必要な事だから」と。彼女は少しためらった後、頷いた。


それから一ヶ月半が経って、受診したいと連絡があった。
院内に入ってきて顔を見た時点でもう分かっていたけど、「妊娠した!」と満面の笑みで報告してくれた。自然妊娠だった。


僕のアドバイス通り次の日に母親に会い、思っている事を全てブチまけてきたそう。詳しくは覚えていないけど、母親も黙ってちゃんと話を聞いてくれていたらしい。トラウマはすぐに消えることはないけど、少なくとも妊娠できるほどには身体は回復したって事だと思う。
その後、無事に出産されたと聞いた。女の子でもう4才くらいになっているかな。

栄養面に気を使い、運動もして、体調管理を頑張っているにも関わらず、妊娠できない場合は、ストレス・トラウマが原因の一つになっている場合もあるから、そのあたりの整理が必要な場合もあるかもね。


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