マガジンのカバー画像

45
詩をまとめました。
運営しているクリエイター

#詩のようなもの

天国

天国

霧の中にあの子が立ってた
ヘッドライトが頼りなくて見えなかったんだってさ
薬をやったのは私じゃないって!
頭が割れるほど痛いのに
どう誤魔化せってんだちくしょう

これが最後のチャンスだよ
はっぱかけてるわけじゃいよ
26なんて、ただのクソジジイじゃない
肺が腐って脳が爛れる
あの子はどこかへ行っちまいましたの
ね、どうか?

あの子の顔が思い出せない
指先が匂うね

ねえママ、クソと間違えて僕を

もっとみる

命儚き笑えや乙女

恋に恋する十四歳
臓器に恋する殺人狂
二人はプリキラ正義のヒロイン
今日も俗世にふれまわる
人生やっぱり諸行無常
狂喜乱舞の一夜の悪夢
どうせ悪夢だすべからく
歌えや踊れや細胞諸君
さあさあお席にお座りなさい
間もなく上映始まります
マナー違反はさらし首
良い子のみんなはおめめをひん剥け
大人たちはご退出
まもなくまもなく本編へ
あかりが消えたら逃げられない

私は恋を、したいのです
純粋潔癖神経

もっとみる
第二回「絵から小説」:C

第二回「絵から小説」:C

生きていくために必要なこと

自分の感情を表に出さないこと

どこかの誰かが書いた小説に

そんなことが書いてあったっけか



僕はいつから大人になったのだろう

人を好きになった時?

人の死を目の当たりにしたとき?

もっと知りたいと願った時?

君と肌を重ねた時?

ばかばかしい



折り合いをつけることを知った時、だろ?



だとしたら僕はまだ子供

知ってるだけで、学んでない

もっとみる

願わくば

殺したいほど私を憎むあなたと
殺されたいほどあなたを愛する私
あなたの憎しみの矛先が
責任転嫁の矛先が
罪悪感の矛先が
私に向いてくれてよかった

ありきたりな言い方だけど
手をのばせば簡単に触れることの出来る距離にいるあなたは
けれど私には遠すぎて
どうもがいたって指一本触れることはできなかった
でもそれでよかった
それで満足でした
私はあなたの物語のヒロインでも
ライバルでも親友でも級友でもな

もっとみる

あなた

あなたの吐き出した憂鬱に
私はゆっくりかぶりついた
首に滴ったあなたの果汁は
生ぬるくてさらさらで
私はじっくり咀嚼し嚥下した

あなたから絞り出した涙を
私はゆっくりなめとった
あなたの涙は血なまぐさくて
暖かくてぬるぬるで
私は舌で転がし味わった

あなたから切り取った肉の塊を
私はゆっくり噛みしめた
あなたの一部は固くて苦くて
私の内臓をかき乱した

あなたから引きずり出した内臓を
私はゆっ

もっとみる

醜い小魚

醜い小魚



流れに身を任せて生きておくべきだったかもしれない

多少不格好でうまく泳げなかったとしても

こんなところに取り残されて身動き取れなくなるくらいなら

やっぱり流れに身を任せておくべきだったかもしれない

表面上は皆に合わせて流れに乗ってるふりをして

ここぞという時岩場に隠れてひっそりと

どうせ私のことなんて

誰も気にするわけもなく

どこかに居なくなった私の事なんてほった

もっとみる

いよいよ終わってる

4Gの横のくるくるなし
もう限界
Wi-Fiの横のくるくるなし
消息不明限界突破の狂人日記
上に1ミリずれたら別の記事はいアウト
下に1ミリずれたら他人の会話ではいアウト
むしってむしって舞い上がれ
毛髪飄々魑魅魍魎
ニコチン循環大亜鉛
ぴえんびえんでふっくびっくえーん
こりぁあ失礼副・鼻腔・炎
飛んで火に入る夏の虫
受信診断結末アウト
江笥・江笥・嗚呼瑠・愛
逃亡失踪逃避行
遥か昔の彼方のお話

もっとみる

自業自得の地獄に堕ちる

沈んでいく。
堕ちていく。
願い続けた。冷たい毛布の中、息をひそめて。
目をつむった。
それが僕が許される唯一の方法だと思った。
あれだけ神様を嫌ったくせに、地獄だけは信じた。
芥川に共感した。
現実は無法則で理不尽な苦しみを僕に与える地獄だった。
法則のある苦しみだけが存在する言い伝えの地獄を求めた。
天国は嫌だった。
知恵の実を食べる前の存在にだけはなりたくなかった。
それは本心だろうか。

もっとみる