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2021年6月の記事一覧

深く、深く

壊れるあなたを見てみたい
パンケーキみたいな甘い香りに包まれて
小さな幸せを謙虚に永続させて
パンケーキの油みたいにじわじわと
あなたの脳に侵蝕するそれは
脳のシワをいつのまにか溶かしちゃって
あなたは惰性の幸福を
それとしらずに食み続けるんだ
だからあなたに壊れてほしい
何十年もどんよりと輝き続けるよりも
一日だけ目も眩むほどの輝きを
蛍の光が綺麗なのって
きっとそういうことなんじゃないかな

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ポーズ

ごっそり根こそぎまるまると
気づいた時にはもう遅く
すでに脳内膿みはじめ
濁った蜜が腐臭を放つ

あの頃きいた音楽を
あの頃よんでた小説を
あの頃みていた映画やアニメを
そうだあの頃僕はきっと・・・

研ぎ澄まされた憎悪や嫉妬
張り裂けそうな孤独感
突き抜けるような自己嫌悪に
無鉄砲な愛情も
みんなどこかで落っことしたのか
それとも自分で削ぎ落としたか
ぽっかり空いたおおきな穴を
埋めようと必死に

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空はどこまでが空なのだろう
僕たちが見ているあの青い空を
空というのなら
飛行機はぐんぐん高度を上げ
空に向かっていくけれど
それに乗った僕たちは
どこからここが空なんだと
確証を得ればいいのだろう

空はどこまでが空なのだろう
試しに辞書を引いてみた
曰く空とは地上をとりまく
広がりのある空間のこと
じゃあ地上と空の境目って
僕の頭が颯爽と
通過しているあの空間を
なんて呼べばいいんだろう
ふっ

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