ポーズ

ごっそり根こそぎまるまると
気づいた時にはもう遅く
すでに脳内膿みはじめ
濁った蜜が腐臭を放つ

あの頃きいた音楽を
あの頃よんでた小説を
あの頃みていた映画やアニメを
そうだあの頃僕はきっと・・・

研ぎ澄まされた憎悪や嫉妬
張り裂けそうな孤独感
突き抜けるような自己嫌悪に
無鉄砲な愛情も
みんなどこかで落っことしたのか
それとも自分で削ぎ落としたか
ぽっかり空いたおおきな穴を
埋めようと必死にもがくのは
ほんと痛々しい努力だね

今の僕に残っているのは
粘つくような孤独感
どんよりとした自己嫌悪
見て見ぬ振りしてカップルごっこ
中身は傷の舐めあいで
体面だけは保とうと
はりぼての愛をまき散らす

きってつってとびこんで
くだいてのんではきだして
ふさいですってゆめのなか

そんじゃそろそろさようなら
ってこれまたいつものポーズでして
都会の隅っこの六畳間で
今日もぼっちで繰り返す
中途半端な月夜の春の
生ぬるい雨風の
音をたよりに机上の空論

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