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#20 大人になっても

こんにちは、sacaikumiです。

この「考える」マガジンでは、私が関心を持ったトピックを幅広いテーマで自由に書いています。

突然ですが、子供の頃に周りの人より自然と上手くできたことってありますか?

私の場合はピアノでした。練習はそんなに好きじゃなかったのでプロを目指す子達には到底及ばなかったのですが、ピアノに対して難しいと思う事なく、クラシックの中級位までを早い段階で到達できたという感じです。子供の頃の発表会では一度も鍵盤を見ることなく会場を満面の笑みで見渡しながら弾き切ったという逸話もあります(笑)

それから私の耳には絶対音感という、聞いた音がどの音程なのかを把握できる能力が備わっています。だから幼い頃からメロディに合ったコード(和音)を想像して弾きあてることを楽しんだりもしていました。

その後始めたピアノ以外の楽器も含めて、私は音楽に対してなんの障壁も遠慮もためらいもなく取り入れる事ができています :)

ここで、本題について話したいと思います。

今日、久しぶりに時間に余裕が出来たので、家で「魔女の宅急便」を観ました。子供の頃、私はこの映画が大好きでした。ジジの人形を可愛がったり映画の中の楽曲をピアノで弾いて楽しんだりした思い出があります。

約20年ぶりに大人の自分として観返した魔女の宅急便は衝撃的でした。
多くのことを思い出させてくれたので、その中の3つを紹介させてください。

1. まだ自己を確立していないキキが自分自身になるプロセスこそが物語の本筋だったこと

当然ながら子供の頃は全く受取れていなかったメッセージでした。
キキは、修行の途中で突然空が飛べなくなってしまいます。
彼女はそれまでは当たり前だった魔法が使えなくなる体験を通して、魔法との向き合い方・何のために魔法を使うかについて苦しみました。そしてそこから彼女は自分らしさを見つける旅の入口に入っていきます。

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私さ、キキくらいの時に、絵描きになろうって決めたの。絵描くの楽しくってさ。寝るのが惜しいくらいだったんだよ。それがね、ある日全然描けなくなっちゃった。描いても描いても気に入らないの。それまでの絵が、誰かの真似だ、ってわかったんだよ。どこかで見たことがあるってね。自分の絵を描かなきゃって。
- 苦しかった?
それは今も同じ。でもね、その後、少し、まえより絵を描くってことわかったみたい。...魔法ってさ、呪文を唱えるんじゃないんだね。
- うん。血で飛ぶんだって。
魔女の血か。いいね。あたしそういうの好きよ。魔女の血、絵描きの血、パン職人の血。神様かだれかがくれた力なんだよね。おかげで苦労もするけどさ。
- 私、魔法って何か考えたこともなかったの。修行なんて古臭いしきたりだって思ってた。

私は、自分の人生の中で自分自身を探すということを生きる目的のひとつと捉えています。その価値観への入口はやっぱり10代の頃だったとぼんやり記憶しています。
自分らしさは早くに見つかる人もなかなか見つからない人も居て、見つかってもゴールではありません。その後何度も煮詰めたり見返したりし続ける、終わりのないものです。

もがき苦しみながら自分と出会って理解していくことが、生きていく上での醍醐味だってことを思い出させてくれました。

2. 心が成長していく美しさ

物語を通して、無邪気なキキらしさはそのままに、彼女は少しずつ他者への思いやりを学んでいきます。修行の出発前は唐突に出発日を決めたり、パパのラジオを当然のように貰ったり、自分で作ったホウキに乗って行きたいと主張したり、、彼女の世界は彼女を中心に回っていました。

だけど新しい場所での暮らしの中で、彼女は優しい人たちに囲まれて、自分が渡した思いやりが別の形で返ってくることに感動したり、大事な人の為に空を飛ぶ力を使いたいと心から願ったり、親の愛に感謝しない女の子の態度に落ち込んだり、さまざまな経験を通して大人として成長していきます。

それは細かな台詞からも沢山伺う事ができました。

3. 誰もが神様から貰った特別な力を持っているってことを教えてくれる

これは私にとって魔女の宅急便の一番の魅力だと感じました。

この記事の冒頭で書いた、子供の頃に苦労しなくても出来たこと。魔女の宅急便の中では絵描きのウルスラによって、そういう才能のことは「神様か誰かがくれた力なんだよ」と語られていました。絵描きの血、魔女の血、パン職人の血…ひとりひとりがそうした才能を持っている。この映画の中では魔女・空を飛ぶことは決して特別なものではなく、他の能力と同列に扱われていることで、どんな才能にも優劣はないと伝えてくれています。

そして、才能は楽しみとも苦しみとも向き合うきっかけになります。
最初はとても楽しかったはずがある日突然上手くいかなくなってしまったり、周りの人と比べて自分が特別じゃないんじゃないかと不安になったり、熱量が冷めてしまったり…そういう時ってすごく焦るし、キキが映画の中でも言っていたように「私から魔法をとったら私じゃなくなっちゃう!」と感じたりもします。

だけど、苦しかったらもがけば良いし、もがき疲れたら休めば良いのです。「そうすると自然にまたやりたくなるものだよ」とウルスラは語っていました。

そういう苦しみは自分を知る糧となり、自分が大好きなものとの関係性を少しずつ改良してくれると私も思っています。

今の私は当時のようにピアノを弾くことはしていないけど、自分という人について知る時、音楽は今でもとても重要な役割を担ってくれているからです。

大人になっていく過程で、才能というギフトを心の隅に隠してしまう人も沢山いるように感じます。でも、決して消えてしまうことはないと思います。私も今、久しぶりにピアノを弾きたいです。

あなたが持つ才能のギフトを、まずはあなた自身の為に。次にお友達や家族など周りの人のために、久しぶりの方もそうでない方も使ってみるのはいかがでしょうか。

大人になっても奇蹟はおこるよ。

魔女の宅急便のテーマソングの「やさしさに包まれたなら」良い曲ですよね。:)

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