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クレームブリュレを割ったとき

2020年になってから、毎日が考え改めることの連続だ。2019年の考え事は私自身の輪郭に注力したものが多かったけど、最近はもっと広い視点でものを考えるようになった。

一つの物事をいろんな角度から見直し続けていると、まるで子供に戻ったかのような感覚になれることを知った。

最近の現実はまるで村上春樹さんの小説「1Q84」の中で出てくる、月が二つある世界みたいだ。ある時を境に、私たちの住む世界線が変わってしまったのかもしれない。

本の中で世界線が変わったタイミングは、ひどい渋滞の高速道路の途中でタクシーを下車して、梯子をつたって高速道路を降りた時だったと曖昧に記憶している。

私たちのそれは新しく入ったカフェで注文したクレームブリュレを割ったときだったかもしれない。あるいは、いつもと反対向きに枕を置いて眠った夜にじっくりと移転したのかもしれない。

そして見えない生命体たちはせっせと仲間を増やしている。彼らにしかわからない言葉で、ひそひそと今日も作戦を立てているのだろう。

私たちは今、小説以上に嘘みたいな現実を生きてる。でも、そんな世界を抜け出すドラマティックな手段は、残念ながら現実には用意されていない。ワクチンが生まれることは、この大きな問題の根本的な解決策ではないような気がする。

私たちに出来ることを積み重ねて、じわじわと新しい世界線をより良い世界にするしかないのだと思う。

あるいはまた新しいクレームブリュレを割ったら別の世界に行けるのかもしれない。世界線ごとの良し悪しは選べないけど。

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