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小説感想

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2023年8月の記事一覧

「『革命』の上に『反』をつけるだけで相手を断罪し、自己の立場を絶対化し得るような意識を軽蔑をこめて批判する」←それな。

 相変わらず「火山島」を読んでいる。
 上記のセリフは、梁俊午(ヤン・ジュノ)が主人公の李芳根(イ・バングン)を評した言葉だ。
 自分は李芳根という人物が余り好きではないが(穏当な表現)、この言葉には共感した。「いいね」を百叩きくらいしたい。

 芳根は済州島の裕福な家の出だが、日本支配の時代に天皇の銅像に小便をひっかけた罪で留学という態で日本に追放される。
 日本でも思想運動をした罪で捕まるが、

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いわゆる「テンプレなろう系」を読んでみたら「火山島」似てい(る部分があっ)た&自分にとって「チーレム」がいかにnot for meか。

いわゆる「テンプレなろう系」を読んでみたら「火山島」似てい(る部分があっ)た&自分にとって「チーレム」がいかにnot for meか。

 なろうで書籍化している作家さんがあげている「否定的な感想にどう対処すべきか」という動画が面白かった。
 結論は「自分たちは作品を書くが一番の仕事。ネガティブな感想を読んでも気持ちをすぐに切り替える。切り替えられないなら読まない」だった。
 これはほんとにそうだなと思った。

 自分は「なろう系」という概念が出てくる前から「チートキャラによる無双」が苦手だった。チート主人公に女の子が意味もなく群が

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カクヨムで「藪の中賞」を募集した結果&忌憚のない意見。

カクヨムで「藪の中賞」を募集した結果&忌憚のない意見。

 カクヨムの自主企画で「藪の中賞」を開催してみた。

【募集要項】
「芥川龍之介の『藪の中』のような小説」を読みたくて探しています。
・「藪の中みたいな小説」とは。
関係者の言うことが食い違うなどして、真相がわからないこと。
「未解決事件」がイメージとして近い。
【条件】
ジャンルはホラーかミステリー(ジャンルが違う作品は削除します)
5万文字以内くらいで(こちらは目安なので長くても参加可とします

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「『腕が一本増えた物語』を書くとしたら、『腕が一本増えた原因』を書いてはいけない」というレイモンド・チャンドラーの言葉に衝撃を受けた。

「『腕が一本増えた物語』を書くとしたら、『腕が一本増えた原因』を書いてはいけない」というレイモンド・チャンドラーの言葉に衝撃を受けた。

 先日、書いた「藪の中」のオマージュ「洞窟の中」について、「凄く怖かった」と言ってもらえた。嬉しい。
「藪の中≒未解決事件っぽいブラックボックス的な創作」が大好きなので、「この作品が面白かった」「書いたぞ」という人がいたら良かったら教えてください。

※自分のオススメ。↓

 閑話休題。

 ずっと前にも、何作か小説を書いてみたことがある。
 だがその時は人に読んでもらう以前に、自分で読んでも「面

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