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最近の記事

水素ステーション

俺は行ったことのない都道府県の方が多いが、このだだっ広い空き地から見える景色のつまらなさは日本屈指だと確信している。観光スポットとして名高い駅周辺や海岸沿いを除けば、神奈川県の70% 近くが、文明も自然の恵みもどちらもない灰色の虚無だといえるだろう。 歩くにはしんどい間隔で点在する飲食店の広大な駐車場にはゲートバーや駐車料金に関する表示はなく、この辺りでは「駐車券」の概念がないようだった。そんな場所だからこそ、こんなふうに25tトラックを贅沢に駐車できるのだろう。 俺はか

    • R-1グランプリ2024での吉住のネタについて

      お笑いネタの感想は通常大きく分類して「面白かった」と「面白くなかった」2つに分かれるだろう。 当然な二択のように思えるが、もう一つ「解らなかった」という感想もありえる。 「面白くなかった」でもあるが、自分が理解できてないだけで何かあるはずだという「保留」である。 そして、吉住についてはそのような難解さは無いと筆者は考える。 そもそもピン芸は「設定出オチ」になりがちだが、こと吉住のそれにおいては、冒頭で丁寧に「どうだ?このネタいい設定だろ?」で始まり、それを理解した私はその

      • 朝霧JAM2023

        先週末、キャンプをしながらアーティストのライブを鑑賞する「フェス」を消費しに富士山麓に足を運んだ。 その楽しさから20代前半の頃は毎年行くことを決意し、人生とセットにしたはずだったのだが、最後に行ったのが10年前だったことすら忘れていたほどに朝霧JAMは私の中で薄くなっていた。 だからといって、ド忘れしていたわけではなく毎年その開催告知を見るたびに、マイ核家族の家計と我が子の生命力を低く見積もることで「行かない」自分を肯定してきた。それどころか、人が歳を重ねるのはそんなも

        • 機械学習と正しさ

          webの世界は正しい事を言う人であふれている。 そしてその「正しさ」は驚くべき精度で進歩している。 その正しい世界で人々は、批判に晒されるたくさんの間違った投稿を目にすることで、AI(人工知能)における機械学習のように豆知識から難しい法律まで、その頻出度の高いものからどんどん脳に叩き込んでいる。 またニッチなジャンルほど最新のマナーマウントが繰り広げられる。 例えば、ジャンル「夏に犬の散歩」ならば、その散歩は早朝か夜でなければならない。日中、熱されたアスファルトの上を犬に歩

        水素ステーション

          児童文学 1

          ヨシオは 今日も どこへ 行く でもなく いいえ 「今日」 とか 「一日」 という 考えが あるのかも わかりませんが ウロウロ ウロウロ と じめんを 歩いたり あなの 中に 入ったり 出たり していました。 だけれど それは ヨシオの よい 動き でした。 ヨシオを いつも 空から 見て いる 太陽の タケシ からすれば 「彼は いま やれることを やっている。 コースを 切っている。」 と ほめる ことでしょう。 ヨシオの 目の前を カケルが 歩いて いました。

          児童文学 1

          中古車販売店の送り出し

          100万〜150万円程度の値札をフロントガラスに貼り付けた、20台ほどの中古コンパクトカーたちが、街灯に照らされた国道を見つめるように並び、社長、部長、営業から事務員、社員総出で集まっていた。 ここに並ぶどの車からも鳴るはずの無い豪快なエンジン音が聞こえた。 小さな販売車両からなる列の最後で一際目立っていたGT-Rに森さんが乗り込んだのだった。 「よーい!」 社長が合図すると社員全員が手の中の販売車両列を構成するそれぞれのコンパクトカーのキーに親指を準備した。 そして

          中古車販売店の送り出し

          エンペドクロス

          まだまだ真夏日続く9月最初の月曜日、中途半端な大きさの影が街の広場を覆った。例年通り人々は絵に描いたようなUFOの着陸を見守っていた。 地上から3メートルというところまでくると、窓から白髪の長髪の老人が真剣にUFOを操縦する姿が見えた。 エンペドクロス自らが運転していた。 それは運転が好きでポルシェに乗ってるようなものなのか、それとも移動手段としての軽UFOなのか、人々には知る由もなかった。 凄まじい風を巻き起こしながら地上1メートルあたりをキープしていたUFOがゆっくり

          エンペドクロス

          昔の部活仲間

          08.3.16日曜日 「また家の前に着いたら電話するよ」 その時間を聞きたかったのだが、友好関係はそこまでには至ってなかった。 いつでも家を出発できるよう身支度をすませておいてから、だいたい一時間後に電話がきた。 急いで外に出ると、当然のこと見覚えのない車が一台止まっていたが、その運転席の男には見覚えがあった。 車に近づき助手席に乗るべきか、後ろに行くかオーバーに迷うそぶりをすることで、丁寧に促してもらった助手席に乗り込んだ。 2分ほどで車はセブンイレブンで待ち合わせ

          昔の部活仲間

          デッヘさんのこと

          ときめき岩みたいな顔しやがって ソーノーソーノー言ってんじゃねえよ 甘いもの食ってごきげんになってんなよ 根性腐ったおかまやろうが にじみ岩みたいな顔しやがって デレメロデレメロしてんじゃねえよ 柔らか肉巻きがよ ブヨブヨ風呂が ケツ蹴りたい ピントボケした顔面 ニンマリ坊ちゃん顔でかいのね 童貞おじさん 偽善ポーク お困り能書き けつ蹴りたい 死に顔が真っ青 憎ったらしい ケツ蹴りたい ドゥブードゥブー言ってんじゃねえ グルメ豆腐人間 おカブちゃん ヌモア〜って言ってんじゃ

          デッヘさんのこと

          ブラジル出張

          サンパウロ州内でバスを降りたことには間違いなかったが、いったいどこからが目的地であるプレジデンテプルデンテなのかはわからなかった。 渋谷と恵比寿の境目がわからないようなものだろう。 歩く方向を正確にするために、できる限り遠くに目をやり「白い塔」を発見することに注力すると、ぼんやりとそれらしいものが見えた。 リオデジャネイロの「コルコバードのキリスト像」なのではないかというブラジルバイアスとめちゃくちゃな土地勘で見当をつけていると、その輪郭に見えた外付けのハシゴ、それから両腕

          ブラジル出張

          給与明細手渡

          私は位の高い人に対して自動的に頭を下げて「そうやるもんなんだ」という様式としてのお礼を申し上げる度に何かを失っている気がするのだが、一方で多くの社会人は大人の階段の一段目あたりで「別にいいじゃん、減るもんじゃないし」と"軽率に無感情にこなす術"を魂を切り売りする事で習得済みなのだろうが、階段を飛ばして登ってきた私にとってそれは「減るもの」であり、不幸にも月末に一回必ず発生することとなった。 月末の朝、パソコンモニターを見る私の背中に何かが触れた。 反射的に振り返り、同じ会社

          給与明細手渡

          お供物だと思えば

          会社のデスクに、かつては群れの中にいたであろう個包装のお菓子が、ぽつんと置かれていることがある。社員や下請けの業者からもらった土産から各自に分け与えられたものである。 たまに、その究極となりえるであろうものが置いてある。 それは、お弁当の中で他と交わることを恐れられた一品が個別で入れられる小さな紙の容器に入った、何かが混ざったご飯をラップで包んだものだった。 初めてそれが置かれていたときの事は覚えていないが、おそらくそれを見て不思議そうにしていた私に、誰かが、それを誰から

          お供物だと思えば

          不動産

          商業施設内などにある、誰でも自由に座ることのできる席は、どこだろうと座れるのなら、休日ともなればプレミアムシートと言っても過言ではない程に価値がある。 そして、運良く席を見つけた人は、そこに手持ちの物で、盗まれても困らない物かつ、存在感のある物をテーブルかシートに置くことで、その場所をキープするというやり方が定石となっており、それからコーヒーを買いにいったり、本を選びに行くのだ。 このやり方で問題が生じるとするならば、「置きっぱなしにした物の被害」についてだけだと思ってい

          アンパンマン化してしまったスターウォーズ

          昨今、ディズニーはスターウォーズの映画シリーズを補完するようなドラマをディズニーチャンネルからリリースしている。 「オビワンケノービ」では、いくらハラハラする展開があったとしても、映画エピソード4を見ている人なら、レイア、ルークとその育ての親、オビワン、ダースベイダーは死なないことはわかっていた。 その変えることのできない運命のせいか、「オビワンケノービ」での、オビワンケノービ対ダースベイダーは、言うなれば、 アンパンマンがバイキンマンを絶命させることなく、山奥に殴り飛ば

          アンパンマン化してしまったスターウォーズ

          CBGB

          映画「CBGB(Country,BlueGrass,and Blues)」を観た。 私が知る中で最もタイトルと中身が乖離した映画だったが、カントリーやブルーグラスをほとんど知らない私にしてみたら好都合だった。 これまで、Television,Ramones,TalkingHeads,Policeあたりを、名盤発掘的な系譜でしか聞いていない程度の私はCBGBという言葉と出くわすことはなかったのだが、それが如何に偉大なライブハウスだったかを知る良いきっかけとなった。 この映

          いまこそ見たい映画「セッション」

          私は「セッション」を映画館で観た。7年前の「ハラスメント」は今日ほど人々が問題視していなかったように思えたし、みんなそれよりも菊池成孔と町山智浩の論争に興味があった。かくいう私も、菊池成孔先生のバイアスたっぷりに映画館に足を運んでおり、当時の感想を正確に記憶していないが、少なくとも「面白かった」「良かった」とは結論付けていなかった。 とにかく、アマゾンプライムの「もうすぐ公開終了」の中で再び観る機会を得られて良かった。 今日ではボロクソに叩かれそうなスパルタ教育が痛快に思

          いまこそ見たい映画「セッション」