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「凝り固まったイメージを解きほぐす」ために編集者がいる

バイクとFX(外国為替証拠金取引)は似ている。


そんな主張を展開しても、多くの人が「???」という状態になってしまうことでしょう。しかしこれ、本当なのです。突拍子もないたとえ話をしているわけではありません。

18年間バイク雑誌の編集をし、転職を経てFXメディアを担当してから約2年。最近つくづく思うのが、「両者を取り巻く環境が似ている」ということなのです。

それに気付いてから「またこの戦いをすることになるのか…」と、因縁めいたものを感じています。


皆さんは「FX(外国為替証拠金取引)」というものについて、どんなイメージを持っているでしょうか。

おそらく「怪しい」とか「大金を一瞬で失いそう」とか、「FXに注ぎ込むために会社のお金を横領した事件があったよね?」とか…。
いずれにせよ、ネガティブなイメージが強いのではないかと思います。「あんなモノをやってる奴はロクなもんじゃない」と、否定的な印象を持つ人もいるのではないでしょうか。

テレビ番組などでFXが取り上げられるときは、「大金を失って人生を狂わされた」という破滅エピソードか、もしくは「わずかな元手で億万長者になった」という成金エピソード。要は、人目を引く衝撃的なものばかりです。

「1日の損益100円~200円というレベルでやってます」とか、「FXを始めて経済に興味を持つようになりました。まさか自分が経済ニュースをチェックするようになるなんて…!」といった明るい話題はまず紹介されません。

これが非常に、バイク業界と似ているのです。


もうなんとなくわかってきたかと思いますが、皆さんは「バイク」についてどんなイメージを持っているでしょうか。

おそらく世間一般のイメージとしては「危ない」とか「事故」といったものが上がってくるでしょう。そして「暴走族」「うるさい」「迷惑」といった言葉も上がるはず。

もちろん、これらの言葉が「デタラメだ」などと言うわけではありません。悲しいかな、バイク業界はそんな問題も抱えています。

しかし、バイクにはすばらしい面もたくさんあるのです。
世界に誇るべき日本の産業ですし、日本のバイクは世界中の人たちの暮らしを支え、世界経済の基盤を担っていると言っても過言ではないでしょう。

またバイクは、単なる移動手段を超えた「人生を充実させる道具」でもあります。「バイクと出会って毎日が生き生きとするようになった」という思いは、おそらくすべてのライダーが感じているのではないでしょうか。

しかし残念ながら、そういった「すばらしい面」は、なかなか世間に認知されることがありません。テレビにバイクが登場する機会といえば、事故のニュースと暴走族。上記のような「すばらしきバイクの世界」は、まず紹介されません。

この構図をたとえるなら、「包丁=殺人事件の凶器」と決めつけているような状態ではないか、と思うのです。
確かに包丁は、しばしば殺人や傷害事件の凶器として使われてしまいますが、その部分にしか注目しないのは正しいとは言えませんよね。


人間は誰しも(もちろん僕も含め)、「よく知らないもの」を警戒します。そして断片的な情報を入手すると、そのイメージだけで捉えようとします。これは人間の特性ですし、致し方ないものだと僕は思います。

だからこそ、「編集者」という職業があるのだと。

情報をかみ砕き、わかりやすく読みやすく加工し、かといって偏ることなく「本質」の部分を読者に届ける。これが編集者の仕事です。


バイク業界とFX業界。

どちらも、マイナスイメージを払拭する途上にあります。僕の人生においてこの2つのメディアを担当することになったのは、運命であり、使命なのかもしれません。

最近しばしばそんな思いを抱えながら、ものづくりに取り組んでいます。

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