SAITA

関東地方の某自治体で 公立学校教員生活5年~。

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最近の記事

「個別最適な学び」というバズワード

「個別最適な学び」といえばGIGAスクール構想の次に学校現場を席巻しているバズワードだろう。研修でもとりあえず「個別最適」といっておけば間違いないというくらいストライクゾーンも広い。 文科が「個別最適な学び」と「協働的な学び」をまとめたよく知られたイラストがある。 「個別最適な学び」は「指導の個別化」と「学習の個性化」に分かれ、さらにその学習環境を担保するのは「協働的な学び」を成立させる心理的安全性が整った集団であることが知られている。 そして、ICTとの親和性が高い・

    • 教育ダッシュボードというライトセーバー

      教育ダッシュボードという言葉を聞いたことがあるだろうか。 CHAT GPT4に聞いたら、以下の答えが返ってきた。 東京都やさいたま市で運用するぞするぞとめちゃくちゃ煽られており、パイロットケースとして何校か実際に使用しているとのこと。 エビデンス!エビデンス!エビデンス!と叫ばれて久しい時代ではあるが、そうはいっても数字では割り切れない物事が多い学校現場を数値化していくことはかなりの諸刃の刃とも感じる。 使える側面としては・・・とりあえず数値化するので、教員個人に収ま

      • AIドリルの功罪

        先日、職員室で仕事をしていたら、教材屋さんがとある企業の 営業さんを連れて挨拶しに来た。 その企業は単元テストや漢字ドリル、計算ドリルなどの教材を 開発・販売している会社だったが、今回はAIドリルの営業だった。 「個別最適な学習」の名のもとに、ここ最近のメインストリームと なりつつあるAIドリルだが、、、本当にそんな簡単な話だろうか。 ちょっと検索したら、足立区の導入事例などもすぐに出てきた。 ドリルの間違いなどをAIで特徴的に分類し、反復練習させていき、 個々の進捗

        • デジタル? トランスフォーメーション?

          DX(デジタルトランスフォーメーション) この言葉を聞かない職場はないだろう。かくいう学校現場でも 働き方改革の流れにこの言葉が合流してきた。 ベースとして働き方改革があるので、DXが進んでいるか どうかはその業務にかけている時間がどれほど削減されて いるかどうかが指標となる。 文部科学省が公開している『働き方改革事例集』の 巻頭もICTをベースとしたデジタルな改革案が提示されている。 とここまで、学校現場でDXが進められていることを所与として 話をしてきたが、実は学

        「個別最適な学び」というバズワード

          「働き方改革」の前に考えたいこと

          「働き方改革」 それは号令だけは勇ましくも、遅々として進まない魔物のような言葉・・・ どんな学校でも「働き方改革」という名の付く何かは行われているのだと思う。「ノー残業デー」「行事の見直し」「ICTの活用」などなど。 でも、こんな声も聞こえてくる。「働き方改革は決して楽するためのものでなく、もっと子どもたちに向き合う時間を確保するためのもの」 間違ってはいない。間違ってはいないが、最上位の価値に「より子どもと向き合う」を掲げる限り、仕事が減ることはないし、そもそも今子ど

          「働き方改革」の前に考えたいこと

          新たな価値観?イノベーター(インベーダーではない)

          経産省関連で記事を書いていたが、最近セミナーや講演会、ともすると 自身の自治体の勉強会などにイノベーターの肩書をもつ教員が増えてきた。 (自己紹介で「〇〇イノベーターの・・・」と言ってくれたり、かっこいい ロゴをプレゼン資料に貼ったりしている。) イノベーターと聞くと、シュンペーターのイノベーション、創造的破壊、 俺がガンダムだ!うぐぐぐ・・・となる方も多いのだが、別のイノベーターである(キャズム理論がベースでしょうか。アーリーアダプターとかの)。 よく見聞きするのは「マ

          新たな価値観?イノベーター(インベーダーではない)

          経産省が考える人(材)と学校現場が考える人

          以前参加したセミナー(ウェビナー)である経産省の資料が提示された。 その名も「未来人材ビジョン」 作成されたのは令和4年5月なので新しめの資料だ。 経済産業省「未来人材ビジョン」(令和4年5月) https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220531001/20220531001-1.pdf 問題意識としては、DX、脱炭素を背景とした社会変化から VUCA時代を生き抜くためにはどうしたらいいかを出発点とし、 雇用・人材育成と教育システ

          経産省が考える人(材)と学校現場が考える人

          学校教育における経産省の影響力がましまし??

          「未来の教室」というプロジェクトをご存じだろうか。 どちらも「未来の教室」というプロジェクトに関するものである。 「未来の教室」とは・・・ ということで、このプロジェクトは「経済産業省」主導のものなのである。 関連する「STEAMライブラリー」ももちろん経産省主導の下で企画されて おり、トップページの一番下の関連リンクにはもちろん「経済産業省」が 初めにあり、教育行政の中核たる「文部科学省」のリンクが一切ない のである! まあ、下々の私が省庁の動きについてコメントするな

          学校教育における経産省の影響力がましまし??

          令和の日本型学校教育③

          今日は「令和の日本型学校教育」で これまでの学校教育がどう評価されているのか見ていきたい。 「令和の日本型学校教育」(概要) https://www.mext.go.jp/content/20210126-mxt_syoto02-000012321_1-4.pdf まずは「成果」から↓ 評価されている部分は素直にありがたい。 次に「課題」↓ 総論としては「さもありなん」と思うようなものを取り上げてくれている。 しかし、「成果」と「課題」が表裏一体になっているものも

          令和の日本型学校教育③

          令和の日本型学校教育②

          令和の日本型学校教育の全体像を俯瞰してみたい。 【概要はこちら↓】 https://www.mext.go.jp/content/20210126-mxt_syoto02-000012321_1-4.pdf とりあえず背景は「Society 5.0」と「VUCA(予測不能)」らしい。 そしてその後に児童生徒の育むべき資質・能力が以下のように定義 されている。 ここに書かれていることを真っ向から否定する人はいないだろう。 (「実際はどうなんだ」という深読みをしなければ・・

          令和の日本型学校教育②

          令和の日本型学校教育①

          GIGAスクール構想の実態を考える前に、 現在の学校教育の潮流の元となっている中教審答申を 見ていきたい。 その名も「令和の日本型学校教育」である。 「Society5.0」や「VUCA」の時代を生き抜くために学校教育に 何ができるか!?という視点でまとめられた一大プロジェクト である。 個人的には1980年代の臨教審の念願がついに成就するのか!? という視点で見てしまうのは穿ちすぎだろうか(自由化論や個性主義)。 とにもかくにも、今の教育改革の流れのエッセンスがギュ

          令和の日本型学校教育①

          GIGAスクール構想

          教育関係者にとってはここ最近で一番よく耳にする 教育改革のキーワード「GIGAスクール構想」 一般の人たちにはどれだけ知られているのだろう。 GIGAきくと、「キロ、メガの次のやつね!」と思いたくなるが、 正式名称は「Global and Innovation Gateway for All」。 日本語にすると「すべての人(子ども)のためのグローバル・ イノベーションの入口」あたりだろうか。 かなり情報過多な名称で、社会的、経済的な変化を背景とした 学校改革の御旗となっ

          GIGAスクール構想

          インプットとアウトプット

          公立学校の教員として働いていてふと思った。 アウトプットの機会が少ないのでは?! というか、自分の思いを言葉にしたり、誰かに伝えたり、 喧々諤々の議論をしたりという機会がほとんどない! 今年は自分の思いを表現する機会を少しずつでも 作っていきたいな。

          インプットとアウトプット