どうする?2038年問題
◇「2038年問題」ご存知ですか?尾池和夫さん(元京都大学総長であり地震学者)が予測として2038年頃に南海トラフ地震が起こるであろうと述べているのです。ちなみに、「2038年問題」と検索するとコンピューター問題の方がヒットします。こちらも何かしらあるようですね。
先日、日本環境教育機構による養老孟子先生の基調講演を聞いてきました。そこでの学びをアウトプットします。
1.本当に困ること
「環境」と名のつく学部や学科が近年増えているそう。それだけ環境への関心や危機感が高まっているのだと言えそうです。
とはいえ、今年も暑い。温暖化の手は止まってないように思えます。「平均気温が〇度下がりました」とか「石油の使用量が〇減りました」とかニュースで聞いたことがない。環境が~とか、SDGsだ~とあちこちで聞くだけ。本当にどうにかしようとしているのか、私自身含めて改めて考えさせられます・・。
養老先生は「「ああすればこうなる」では済まない部分が残ってしまっている」と指摘。要するに自然に関する問題です。脳化社会と言われるように、近代化を通して私たち人間は「ああすればこうなる」で社会を発展させてきました。文字通り「こういうことをすれば、こういう結果が得られるだろう」というものですね。
ところがそうならない問題もあります。それが自然。
天気や地震はある程度予測できても、正確ではありません。何より防ぎようがありません。
正月に起こった能登半島地震。その刹那的強い揺れに耐えられたとしてもその後は?
南海トラフにせよ、首都圏直下にせよ、大きな地震が起きた際に最も大きな壁は、その瞬間の強い揺れではなく「その後」のことだと思われます。
つまり、流通が止まること。水と食料の問題です。
私たちは普段、生活に必要なものをどこから得ていますか?
お金を稼ぎ、できるだけ安価なものを調達している人がほとんどではないでしょうか。
「自給率40%」そう言われて実に30年が経ちました。問題は何も変わっていません。
そして、エネルギー問題。一番いいのはバイオマスですが、日本の必要量の4%しか賄えていないことが分かりました。
かつて、昭和天皇は戦争のことを「石油で始まり、石油で終わった」と表現されたそうです。
最早、日本という国が食料的にもエネルギー的にも厳しいことは自明です。だからこそ、「自分たちに必要なものは自分たちでつくる」という思想が必要なのではないかと思います。
だから養老先生は、ちょっとでも何かしようと思うなら野菜を作りなさいと仰っていました。
2.学びとは基本独学である
ついでに、教育関係の話も聞けたので少しだけ。
どうしても私も教師なので、先生の良し悪しが気になってしまいます。養老先生は「教えることにこだわりすぎだ」と指摘。
教える側ではなく、児童・生徒の良し悪し。「本当に学ぼうと思っているか」「未熟を自覚する心構え」この二つがポイントです。
というのも、子どもは勝手に育つもの。うまく表現できないだけでちゃんと考えているし、分かっている。そして、事後的に分かる、気付くこともあり、覚えていると。
「体得する」という言葉にもあるように、体で覚えることが大事なのだと改めて感じさせられました。
「主体的な学びを」と言われているにもかかわらず、教える側は「ああでもない、こうでもない」それこそ「ああすればこうなるのではないか?」と先走ってしまっていたかもしれません。
2038年問題を見据え、どんなアクションを起こしていけばいいか。教育者という立場を通して考えていきたいと思いました。
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