最強レスラー数珠つなぎ外伝 プロレス往復書簡

書けないライターと書いて欲しい編集者の押し問答。ふたりとも最強をめざしている。

最強レスラー数珠つなぎ外伝 プロレス往復書簡

書けないライターと書いて欲しい編集者の押し問答。ふたりとも最強をめざしている。

最近の記事

「幸せになってはいけない、なぜなら文章がつまらなくなるから、と思っていました」

「書く喜び」を少しずつ取り戻し、待望の新連載も無事に始まった、尾崎ムギ子氏。その様子をみて、安堵する編集者。書くこと、取材すること、ライターであること、編集者であること、プロレスを見ること、生きること。「等身大」でそれらについて語ること。私たちはどこへ向かうのか。プロレス往復書簡、第7回。ゴングは鳴らず、ゆっくり始まります。 前回のプロレス往復書簡 黒田さんへ  前回のお手紙、とてもいい文章でした。あれだけ書けると気持ちいいでしょう? 少し羨ましくも感じました。悩み、も

    • 「プロレスファンは、推しが燃えるどころか堕ちるんですね。辛い」

      書けなくなったライター・尾崎ムギ子氏は、編集者の妄執じみた執筆依頼に折れ、この連載を始めた。少しずつ、でも着実に歩みを進め、書く喜びを取り戻していく。新たな連載も決まり、期待に胸を高鳴らせていくなか、季節も春へと移りかわろうとしていた。そんな時、プロレス界にもさまざまな変化が訪れていてーー。プロレス往復書簡第6戦のゴングが鳴り響く! 前回のプロレス往復書簡 ムギ子さんへ ムギ子さんが書き始め、連載が決まり、新しい別の連載も動かし始めて、一安心。 ムギ子さんが楽しそうにされ

      • 「女子の髪切りマッチについては、実は憧れがあります」

        ライターとしての道に迷い、新たなフェーズに進めずにいた尾崎ムギ子。そんな尾崎氏の著書「最強レスラー数珠つなぎ」を読み、また書いて欲しいと願った編集者。敗れ、迷い果て、なけなしの自尊心をなんとか拳に握りしめて生きながらえる二人は、強くなりたい一心でこの連載を始めることになる。連載は順調に回を重ねているかに見えたが、歯車は少しずつ狂いだして――。果たして「プロレス往復書簡」第5戦のゴングは鳴るのか? 前回の「プロレス往復書簡」 黒田さんへ  この連載を始めたとき、ノンフィク

        • 「デスマッチを観たことがないなんて、人生半分損してます!」

          「最強レスラー数珠つなぎ」を刊行し、自著出版という夢を叶えたライターの尾崎ムギ子。しかし、順風満帆とはいかなかった――。書くことに恐れを抱き、負けてもいないのに突然の引退宣言、さらには復帰劇で、周囲を大いに困惑させた。「それでも書いて欲しい」。そんな編集者の執着じみた思いから、なんとか本連載が始まったものの、氏のジェンダー観に絶句・動揺した編集者は「物語を分ける!」と、マイクパフォーマンスさながらの大言壮語してしまい……。プロレス往復書簡4戦のゴングが今鳴る……!!!! 前

        「幸せになってはいけない、なぜなら文章がつまらなくなるから、と思っていました」

          「プロレスか、女の幸せか。どっちかなんて私は嫌だな。」

          自著『最強レスラー数珠つなぎ』で、レスラーへのインタビューを通じて「強さとは何か」を追い求めた、尾崎ムギ子氏。しかし、刊行から半年たたずして、ライター廃業宣言をするなど、メンタルが乱高下。それはまさにフランケンシュタイナーを喰らったがごとくで、ぶるんぶるんに振り回されていた。そんな尾崎氏にもう一度書いてもらうために、編集者が往復書簡をしかける。かくして連載は開始したが、尾崎氏の発する「女の幸せ」という言葉に編集者は違和感を覚えて――。プロレス往復書簡第三戦のゴングが今鳴り響く

          「プロレスか、女の幸せか。どっちかなんて私は嫌だな。」

          「取材する、しないじゃないんだよ! 書くんだよ! わたしは文章を書くんだよ!」

          自著「最強レスラー数珠繋ぎ」において、名だたるレスラーへ「強さとは何か」を問うたインタビューともに、自身の人生を語るパートを挿入し、賛否両論を招いたライターの尾崎ムギ子。その後何かよくわからないし知らないが、色々なことがあったらしく、メンタルが地に堕ちた。それは、雪崩式ブレーンバスターを喰らったかのような有様であった(一瞬でも高いところにいた人間が、下に落ちるのは辛いのだ)。書くことを恐れ取材におびえていた尾崎氏に、「あなたの人生を語るパートこそが面白い」と信じて疑わない編集

          「取材する、しないじゃないんだよ! 書くんだよ! わたしは文章を書くんだよ!」

          「プロレスと人生のこと、書いてくださいよ」

          自著を出版し、順風満帆に見えた尾崎ムギ子。しかし、メンタルが急転直下、ジャーマンスープレックスホールドを食らったかのごとく、一時はライター廃業宣言まで。そんな尾崎氏に、またプロレスのことを書いて欲しい編集者が、往復書簡を持ち掛ける――。「ムギ子さん、強くなりたいわたしは。あなたも、強くなりたい女ですよね?」女同士のぶつかり合いと連帯がつまった、プロレス連載のゴングが、今鳴る……! ムギ子さんに、「『最強レスラー数珠つなぎ』みたいな、プロレスが自分の人生に相渉る文章書いてくだ

          「プロレスと人生のこと、書いてくださいよ」