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カーテン越しの会話

とある3月の15時ちょっと過ぎ
ひきこもっている1日のなかでは
一番好きな時間帯かもしれない


レースカーテン越しの日差しは
眩しさと温かさを身にまとい
リビングの真ん中にぽつんと座るわたしへと


フワリフワリと優しく
包み込むように大きな手を伸ばしてくる


みんな見守ってるよ
ひとりじゃないよ
今外に出ると気持ちいいし
ほらほら今日にも十分間に合うよ


そんな風に語りかける声すら聴こえてきそうだ

今日もまた置いてきぼりなんだ
なにも頑張れない気がして
白い箱のなかで小さく息をしているの

どこかにいきたくて
どこにもいきたくないんだよ

だれかにあいたくて
だれにもあいたくないんだよ

おとなになったのに
こどもになりたいの


そっかぁ


そわそわして
ぐにゃぐにゃしてるんだね

うん


話をもっと聞かせてよ
そうだなぁ
隣町のカフェなんてどうかな

真っ白なノートとペンだけ持って
歩くのはどうかな

カフェに着いたらさ
あたたかいカフェラテを
ふーって冷ましながら飲んでさ
誰にも内緒で甘いもの食べちゃお

おなかとこころがほうっとしてきたら
眠たくなっちゃう前にさ

浮かんだことを全部ぜんぶ
このノートに書いてみてよ


全部ぜんぶだしてみせてよ


そわそわも
ぐにゃぐにゃも
このノートがムシャムシャ食べてくれるから

そんな時間を一緒に過ごして
たくさん笑いながらさ
これからの作戦会議をたてるのはどうかな?

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