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桜の絆

夜桜の下、春風がそよぐ。高校1年生の春、大地と悠斗の未来は走り始めていた。

家から遠い工業高校を選んだ二人は、毎朝7時の電車に揺られる。
片道1時間、その道のりには意味があった。
あの日のあっけない誓いが、今、現実の一部となっていた。

毎日の通学と勉強は大変で、悠斗は正直ギリギリだった。
少し無理して入った工業高校はついていくのが必至で、時には泣きそうになることもあった。毎日、楽して笑ってればいいと思っていた人生に火をつけたのは、いつも隣にいてくれる大地だった。

どんな時でも手を差し伸べてくれる大地と、やっと肩を並べて歩けるんだと思うとそれだけで心が躍りだす。
大地の澄んだ瞳は悠斗のやる気スイッチをオンにする力があった。

桜の誓い、あの夜に交わした約束、高校生になった今も、変わらぬ友情。『これからもずっと、友達でいよう』と、二人は未来への道を、肩を並べて歩んでいく。


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