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波紋の中に

終業式の帰り道、昨日ふった雨の水たまり。 照り返して映る二人の姿からは、少年のような笑顔が輝いている。ちょっと大きめの水たまりの前で二人は立ち止まる。
「なぁ、もしこの水たまり飛び越えれたら好きな人を教えるゲームな」
なんの脈略があっていってるのかわかんなかったから
「飛び越えても飛び越えれんくれても、最悪じゃん」って鼻で笑った

あいつはじゃぁ俺からーって、明るい眼差しで無邪気な笑顔が口角に浮かび上がる。スラっと伸びた手足が羨ましい。そして彼は、軽々と飛び越える。
「3組の篠田―、あいつ可愛くない?」まばたきするたびに、彼の笑顔が広がっていく。俺だといいなと思ってしまった自分が恥ずかしい。次はお前だって急かされるけど
「俺、好きな奴いないからパス―」って言ってごまかした
横でずるいぞ俺だけってぷんすか怒ってる。

つま先で水たまりをつついてみた。俺の気持ちは、濁ったこげ茶色の水中へ消えていく。波紋が広がり水底へと沈んでいく、この想いもそのまま消えてなくなればいいのに。

〇と△シリーズ

好きな言葉をお題として組み合わせ詩を作る
今日は
水たまり × 恋

恋が実らないことも知るから 強くなれるね
伝えることだけが全てではないのかもしれない


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