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灰色観覧車 | 詩



回れ虹色 観覧車
揺れる気持ちを
掻き消すように
回れ灰色 観覧車
あの日の夢を
忘れぬように….

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人とか金とか林檎とか
雨とかパンとか切手とか
魚が泳ぐ事が
さも当たり前のような世界で

今日も回るよ

灰色観覧車

そこはこうだって前教えたよね?
もっと明るめの声で電話に出なさい
無意味な常識振りかざして
社会通念に従順に縛られて生きる先輩方の後ろで
今日もお利口な労働者演じてる

気づいてねカーブミラー
輝いたのは砂浜の貝殻
襟元が儚いワンピースに
タボッとした気持ちのわたし

わたしが生まれ変わるまで
いやもういっそのこと
この社会が変わるまで
グレーのパーカーの中に隠れていようか

明日が来るのを
カーテンで遮るくらいじゃ
割に合わないから

残ったモヤモヤは全部
炭酸水と一緒に振り回して
世界中の尖った誰かと
愚痴でもこぼし合いながら

どうか無事に
はじけておくれ

この世界を巡る
当たり前たちと共に

はじけて

灰に

なっておくれよ


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