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みぞみぞする

いま、TVerがアツい。
『それでも、生きてゆく』『Mother』『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』『最高の離婚』『スイッチ』と、何故かいま、坂元裕二作品(ドラマ)がバンバン配信され始めているのである。見事に坂元裕二祭りだ。もう嬉しくて嬉しくて堪らん!という気分。

私が坂元裕二さんを認識したのはテレビで放送されていた『最高の離婚』をリアルタイムで観た時だった。
なんて面白いんだ!と、衝撃を受けた。
ストーリーもキャストの方々のお芝居も面白いのだけれど、特に言葉づかいが面白いと思った。
これは紛れもなく脚本のセンスである。
私はこの脚本のセンスに惚れているのだと確信した。恐らくそれが、はじめてドラマを観て脚本家を意識した瞬間だった。
その後テレビで『カルテット』を観て、
あっ!この感じ!最高の離婚と同じ!
と思ったらやっぱり坂元さんだった。
『カルテット』は、大好きな弦楽と大好きなキャスト陣と大好きな脚本家とのミラクルコラボレーション!で、見事に大好きが大集結した。その結果、特別大好きなドラマとなった。

TVerでは全話一気に視聴することができない。
そのため、『Mother』の第1話と『最高の離婚』の第2話と『いつかこの恋を__』の第3話を続けて観るなどしている。こんなふうに坂元作品をごちゃ混ぜにして観ていると、各作品の良さをより濃く感じられるとともに、それぞれに共通するものを沢山発見できる。いわゆる"坂元節"を感じ取りやすくていい。

トイレの便座とかコーン茶とか夢の話とか。
あのドラマにもこのドラマにもでてくるし。

敬語とタメ語が混ざり合う会話の感じとか。
この絶妙な距離感の伸縮が妙に心地良いし。

高速会話キャッチボールとか超長台詞とか。
会話と語りのバランスが最高で飽きないし。

_ああ、もう、すき。

私の知り合いにこういう人がいてね…って話をするときの空気感。
あったかい。

好きなものや好きな人や好きなことを想う瞬間。
あったかい。

うっかりさん。ゆっくりさん。なまけものさん。
あったかい。

_ポカポカする。あったかい。

好きな俳優さんはだれ?と訊かれたら真っ先に挙げる、永山瑛太さん。

こういう芝居がしたい!と憧れている、松たか子さん。

まるで自分の母のよう!その表情だけで心を揺さぶってくる、風吹ジュンさん。

_私の好みどストライクなキャスティング。

たぶん私、坂元さんと好みが合う。と勝手に思っている。勝手すぎるかな。

作品(ドラマ)の隅々まで好きが充満していて、何回でも観れる。というかもう何回も観ている。

物語の登場人物にシンパシーを感じる事があるあるなのかないないなのかは分からないが、
私の共感ポイントがびっくりするほど詰め込まれていたのが『大豆田とわ子と三人の元夫』だった。

一人で生きていけるけど〇〇〇。という思考。
ベトベトしたくない感じ。
かごめの恋愛観。

その他色々。
わかりみが深すぎた。

わかりみと言えば、鳥が大の苦手な私は『スイッチ』での蔦谷円の言動にもとても強く共感した。(詳しくは現在TVerで配信中の『スイッチ』で)

どの作品のどの人物も、歪みがあったり屈折していたり欠けていたりして。そういう部分が愛おしくて。
なんだか妙にホッとする。
そうだよね、完璧な人なんていないよねって。

寝癖や、靴下の穴や、割れたスマホの画面。
ゴミ出しできないことや、二度寝や三度寝。
居留守や、失踪や、何かのためについた嘘。

どれもこれも、愛せたのなら。
どれこもれも、受け入れられたのなら。
どれもこれも、許せたのなら。

きっと生きていけるんだろうな。

みんな、人生、いろいろある。
もしも涙が止まらなくなったら、とりあえずごはんを食べたい。
泣きながらごはんを食べたい。
そうすれば
生きていけるから。

人間であることを、愉しいと思える。
もっと先まで生きてみたいと思える。

ちょっと生きるのに疲れたときに生きるパワーをくれる作品って、元気にバリバリ頑張る人の話でなくあんまり頑張らない人の話だったりするもの。
元気があったら結婚なんかしない。と、『カルテット』で家森さんが言っていたが、あれは名言だ。
まさにそういうことである。

思えば私はこのごろ日常生活で目にしたり耳にしたりすることのどこかに引っかかりがあると、すぐそれらで坂元さんの言葉を釣り上げてしまうまでになってしまった。

回転寿司に行って、メニューに茶碗蒸しとガトーショコラがあって、これはリーチだ!あとムール貝を使った何かさえあれば…!とテンションが上がるのは私だけだろうか。(詳しくは『カルテット』で)

とにかくここ数日で更に坂元裕二作品への熱に拍車がかかっているのには違いない。

つまりは

みぞみぞしている。 


❤︎最後まで読んでくださりありがとうございます。

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