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悠冴紀/小説家・詩人
2019年12月6日 09:08
作:悠冴紀深すぎる傷跡凍てつく大地に刻み込まれた底知れぬ裂け目こんなにも深部に達していながらもはや血も出ないほど時を刻んだのか……遠い記憶に実感はなくただただ知識として残るばかりだがそれが今ではコアを成す地中に食い込む 深いクレバス血は凍結して色素をなくしもはや涙も出てこない癒えたわけではない傷は今も大きく開いたまま雪解けを知らぬ冷徹さでむしろ克明に形を留